＜第５２話＞スタンダードに燃える

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2004/10/13

テーマ：社交ダンス(9445)

カテゴリ：社交ダンスA級への道

パーティが終わって９月に入ると、もう秋の競技会シーズンに突入です。今回は、前期でふるわなかったスタンダードにターゲットを絞ってレッスンを受けました。サークルでのビデオ撮影もフル活用して、ワルツとクイックを踊り込んでいきました。

北関東全茨城競技ダンス大会は、1999年9月26日、ひたちなか市総合運動公園体育館で行われました。午前中のラテンはD級戦に初挑戦。ルンバはベーシックを卒業して、バリエーションで挑みました。パソは相変わらずのベーシックです。やはりひと夏ずっとチャチャチャばかり練習していたせいで、ルンバはいまいち振り付けが自分のものになっていなくて、「ベーシックの方がまだましだったかも」という踊りでした。出場組数７５組で、その中の半分以下に入ってしまいました。つまり１次予選敗退です。

この日は朝から快晴でした。このままで終わるはずがありません。午後のスタンダードノービス戦は、出場組数１０５組。種目はワルツとクイックのベーシックです。

全茨城の試合なので、茨城県に教室を持つ先生たちが事務局を運営していて、私たちの先生も得点集計係をされていました。順当に勝ち進んでいった私たちの所に、先生が応援に駆けつけて下さいました。

「クイックはもっと元気におどっていいよ」
「はい」と、答えたものの、この「元気に」という意味がいまいち分かりませんでした。とりあえず、できるかぎり大きく踊るようにしてみたのですが、今から考えると「もっと足を使え」ということだったのだと思います。

私たちはついに決勝に残り、昇級が決まりました。表彰式を待って他の競技を見学していると、先生がみえて、
「何位だったと思う？」
と、いたずらっこのような顔でおっしゃいました。

先生の顔はさらに緩みました。
「優勝だよ。」
先生は得点集計係だったので、一足先に結果が分かったのでしょう。そして多分先生もとてもうれしくて伝えに来ずにはいられなかったんだと思います。ここ１ヶ月はスタンダードのレッスンばかりしていただいていたのですから。

私は思わずうれしくてウルウルしてしまいました。「優勝」がうれしかったはもちろんですが、先生がこんなに喜んで下さっているのがうれしかったのです。スタンダードで優勝したのは、競技人生２年半の中で初めてでした。

家に帰ると、さっそく牛久シャトーに祝い酒を飲みに繰り出しました。気持ちのいい夜でした。私たちはおいしい地ビールを飲み、美しい中秋の名月を見ながらバーベキューをしました。

「一生の中で一番いい日ってこんな日かもしれないなあ」と彼がいいました。
「もっともっといい日がこれからたくさん来るよ」と私がいいました。そしてそれは本当になっていくのです。

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