2004/10/16
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テーマ: 社交ダンス(9447)
順調に昇級を続けて、地元の体育協会にも所属し、すっかり茨城県民になりきっていた私たちに、1999年の秋、一大転機が訪れました。

職場は家から車で約30分。私たちは朝一緒に出かけて、「いつも一緒」に行動していました。お昼ご飯も二人、仕事が終わると、夜ご飯も二人で食べて、職場近くの練習場やダンス教室へ。週2回はサークルにも行っていました。ランチを食べにいくレストランでもすっかり顔を覚えられて、店の人たちと言葉を交わすほどになっていました。

主人が東京勤務に変わって、生活パターンは一変しました。彼はドア・ツー・ドアで2時間弱通勤にかかるため、ダンスどころではありません。私もお弁当を作るので早起きすることになり、夜も10時前には帰って来ないので、寝る時間も遅くなります。

月曜と火曜のサークルでは、いつのまにか私たちが最上級者になっていて、しばらくは一人で続けていましたが、踊っていても物足りなさを感じるようになり、とうとうやめてしまいました。特に競技選手だけの火曜日サークルは、ずっとシャドーしているのに飽きてしまったのです。

ダンス教室も一人で行ってもしかたがないので、こちらもご無沙汰になってしまい、ダンスをする時間がどんどん減っていきました。さらに悪いのは、それと反比例するように、どんどん体脂肪は増えていきます。

何とかもっと練習できないものかと、ダンス雑誌で調べ、いくつかのスタジオにも連絡してみましたが、たいていの練習場はよる10時で終わりなので、間に合いません。近所にもっと遅くまでやっている練習場を探し出して行ってみると「競技選手おことわり」と言われてしまったり。

しかし私たちは「もうダンスやめようか」とは決していいませんでした。

何か方法があるはずだと、いろいろな人に聞いたり、雑誌で調べたりして、ついに見つけました。コーナーハウスという練習場でした。家から最も近い、車で約5分のところにあって、実は一番最初に目をつけていましたが、その時は、誰もいなくて入れなかったのです。もう一度行ってみた時には、丁度、そのフロアの管理をされている方がダンスの練習をされていて、事情を説明すると快く貸して下さることになりました。

都会ではこんなことは絶対にしないと思うのですが、そこがおおらかな茨城県。


「鍵はうちのポストに入れとくから、夜中でもいつでも勝手に取って練習していいですよ。終わったらお金と鍵をまたポストに入れといて。」

夜10時過ぎ、もうすっかり真っ暗で、あたりには人通りもありません。そこへ車で乗り付けて家のポストを、ゴソゴソ探す怪しい黒ずくめの二人組。ポストには封筒に入った鍵がありました。なんだか探偵ゲームでもやっているみたいなちょっとしたスリルです。

コーナーハウスは竹林を切り開いた、あたりには何もないところです。そこに夜になると出没する二人組は、部屋を閉め切って夜中過ぎまで何かしている様子。かすかに南米の音楽が聞こえてきます。

ますます寝不足になってしまいましたが、楽しい毎日でした。何でそうまでして練習したかったかというと、転勤になる前から申し込んでいた試合が来週にせまっていたのです。





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Last updated  2004/10/16 11:52:47 AM
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