2012/12/08
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テーマ: 社交ダンス(8731)
カテゴリ: アートのはなし
開館5周年を迎えた国立新美術館、ここに行くのはこれが初めてです。

千代田線乃木坂駅から直通で行ける通路は波打つようなデザインでおしゃれに整備されていました。

六本木のこのあたりは以前仕事や遊びでよく来ていたんですが、当時とは随分変わりましたね。(あれはバブルの頃だったか)

建物自体も光をふんだんに取り入れた近代的な作りになっていて、明るくて暖か。

中央には2つの巨大なコーヒーカップを模したのでしょうか、その天辺にそれぞれカフェがあって、そこでサンドイッチを頂いて来ました。とても開放感があってくつろげる空間です。

同じ会場で日展の方が大々的に開催されてましたが、5周年を記念して開催されている企画展『リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝』を見てきました。

これがチケット。
リヒテンシュタイン.jpg

オーストリアとスイスにはさまれたリヒテンシュタイン公国。

リヒテンシュタイン侯爵家の当主によって世襲統治され、ヨーロッパ最後の絶対君主制を敷く珍しい国です。

サンマリノ が世界190位に対してリヒテンシュタインは191位と似たような立ち位置なんですが、リヒテンシュタイン侯爵家が所蔵している芸術作品が世界もうらやむラインナップなんですね。



その数3万点だそうで、英国王室に次ぐ世界最大級の個人コレクションだそうです。

そこから今回は139点を選りすぐって本邦初公開。

個人で持ってるお宝は滅多に公開しませんので、これは非常に貴重な展示会と言えます。

中でもルーベンスのコレクションは世界有数だそうで、それ以外にもバロック様式の宮殿を再現した展示コーナーや、多分生涯に一度しか本物を見る機会がないであろうラファエロ、レンブラント、ヴァン・ダイクなどの名画が紹介されていました。

大地真央さんの音声ガイドを借りてゆっくりと鑑賞して来たんですが、作品の一つ一つがどれもすばらしくて、これらを収集したリヒテンシュタイン家代々の方々の審美眼と財力に恐れ入りました。



チケットにもなっている『クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像』は巨匠ルーベンスを『大好きなパパ』として見ている真っ直ぐな娘の瞳に吸い込まれそうになります。

ルーベンスの大作は ベルギー王立美術館 でたくさん見てきましたが、天に向かって昇って行く神々しい絵画よりもずっと真実と愛に満ちあふれた素晴らしい作品です。

音声ガイドでも言ってましたが、きっとこの絵だけは100人以上いたであろう工房の弟子に一筆たりとも触れさせずにルーベンス本人が描いたものでしょう。

残念ながらこの時5歳だった少女は12歳で早逝されたそうです。

ソゲキング みたいなんですけど、額縁の豪華さだけでも既に圧倒される大作です。これも一見の価値あり。

highlight2_photo02.jpg

ブリューゲル一族 は画家ばっかりだというお話を以前しましたが、息子や孫が、勉強のためかお金になったからか親の作品をたくさん模写してるんです。

それがまた本物そっくりでそっちにも芸術的価値が高いんですね。

プラド美術館にある『死の勝利』や、ベルギー王立美術館で見た『ベツレへムの人口調査』の模写がここで見られます。

また、一族ではない画家ルーカス・ファン・ファルケンボルフによる模写『盲人の寓話』も展示されていました。





図録は、かさ張るしどんどん溜まるのでなるべく買わないようにしているんですが、この展示会に限っては買ってよかったと思ってます。

展示されてないお宝も載ってますし、美術館ではなく個人蔵なので自分から訪ねて行って見せてもらう機会なんて、これから先まずなさそうですもんね。

『肖像画をお願いするならヴァン・ダイク』

と言われるほど人気肖像画家だったヴァン・ダイクの『マリア・デ・タシスの肖像』も素敵でした。この方、当時郵政事業を一手に引き受けていたタシス家のご令嬢(19歳)だそうです。

highlight1_photo03.jpg

エルミタージュ展 でヴァン・ダイク本人の肖像画を見ましたけど、実物の特徴を捉えつつより美しく描く天才だったんじゃないでしょうか。非の打ち所のない人物に仕上がってます。

肖像画と言えば今までノーマークだったんですが、19世紀オーストリアで活躍したフリードリヒ・フォン・アメリングの作品にも、今回心奪われました。

この美しさ。

アメリング1.jpg



この愛らしさ。

アメリング2.jpg

絵画のみならず天井画も工芸品もたまらなく魅力的で、とてもご紹介し尽くせないのが残念です。

ご興味ある方は実際に足を運んでみて下さい。

展示会は2012年12月23日まで東京で、そのあと高知、京都と巡回しますが、東京でしか見られない作品が20点ありますのでご注意くださいね。

詳しい情報は 公式サイト をご覧ください。作品リストもチェックできます。






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Last updated  2012/12/09 10:47:31 PM
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