森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.02.18
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以前、生活の発見会の理事長を務められた斎藤光人先生は次のように述べられている。
人間は欠けるところの多い生き物である。
どんな人にでも、人格者だと言われるような人も、内面には猥雑なもの・醜いもの・汚いもの・好色なもの・意外と稚拙なもの・狡猾なものなどを仕舞いこんでいる。
物には影となる部分があるように、表があれば裏の面があるように、だれでも、人に知られたくない嫌な部分がある。そして、それが時々存在を主張する。
困ったことだが、だれでも完全ではありえないし、それこそが人間の人間たるゆえんだとも言える。
しかし、どうにもこうにも仕方がない部分なのである。
それは原罪とも業とも言ってよく、人間存在そのものと深いところでかかわり合っている。
神経質者は完全に欲が強い。完全に欲が強いという事は、一面、要求水準が高いという事であり、決して真の劣等者には起こりえないことである。
だが、神経質者においては、これがしばしば幼弱性と結合すると完全欲は正しい機能を果たさなくなる。

すると「もう自分はダメだ」という風に自分の全てを否定してしまうのである。

私たち神経質者は、内面には猥雑なもの・醜いもの・汚いもの・好色なもの・意外と稚拙なもの・狡猾なものなどを抱えたままにしておくことができない。そういう面を攻撃したり、隠してしまう。
そうしないと、人間関係がうまくいかないと思っているようだ。
別にとりたててあからさまにする必要はないが、それらを取り繕うとすると、無駄な神経を使うことになり、かえって人間関係はギクシャクしてくる。自分が考えていることと反対になるのだ。
私達は皆、人格者ではないし、プラス面もマイナス面も含めて1個の人間であると認めることが大切である。

どんなに悪人と言われるような人であっても、その人の考えることのすべて、あるいはやることなすことの全てが悪で塗り固められているということではない。
それは先入観が決め付けでその人を見ているからそうなるのである。片面しか見ていないということだ。
そのような見方や考え方は自分のみならず、相手も不幸にしていく。

メンタルヘルス岡本記念財団の岡本常男さんは、 「人間には10の欠点があれば、10の長所がある」と言われていた。そして出来る限り長所で勝負しなさいと言われていました。
私たちは注意や意識が短所に向けられて、長所と短所のバランスが崩れています。
バランスを取るためには、自分の長所を活かすことばかり考えていくことが大切です。


スーパーニチイの副社長だった岡本さんは、くそ真面目で融通がきかない。
だが、責任感は人一倍強く、あいつに任せておけば間違いないと言われていたそうです。
その性格は、外交的で行動力のある人、リーダーシップがあり包容力のある人、ユーモアのある人達とうまく絡み合い、会社の中で存在感を示していたと言われています。

自分の長所を評価しないで欠点を修正することにばかり注意を向けている人は、自分の長所にヤスリをかけて削っている様なものだと思われます。
その結果、思うように欠点が修正できないばかりか、自分の長所は目立たなくなってくる。


また、岡本さんは、管理者は部下の長所をみつけ、適材適所に人員を配置して、長所を伸ばし、部下を育てあげることが最大の義務であると言われています。
部下の欠点ばかりを責め立て罵倒するのは最も下品で品性に欠ける行為であると言われています。
これは夫婦や友人たちとの人間関係にも言えることです。





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Last updated  2017.02.18 06:30:08
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