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森田先生の著作は多いが大きくまとめると次のようになる。1921年(大正10年) 神経質及神経衰弱の療法1922年(大正11年) 神経質の本態と療法1922年(大正11年) 神経療法講義1926年(大正15年) 精神衰弱及強迫観念の根治法1928年(昭和3年) 迷信と妄想1934年(昭和9年) 生の欲望1936年(昭和11年) 健康と変質と精神異常1935年(昭和10年) 精神療法への道 第1巻1937年(昭和12年) 精神療法への道 第2巻1938年(昭和13年) 精神療法への道 第3巻1975年(昭和50年) 森田正馬全集、森田正馬評伝、形外先生言行録この3冊は森田正馬生誕100周年記念事業として編纂されました。森田正馬評伝は伝記です。とても詳しいです。形外先生言行録は森田先生にゆかりのある人たちの追悼文集です。精神療法への道は、森田正馬全集第5巻にまとめられています。我々の先輩の三重野悌次郎さんは、森田正馬全集第5巻、神経質の本態と療法、精神衰弱及強迫観念の根治法を300回くらい繰り返して読んだと言われていました。私は森田全集第5巻は3分冊にして繰り返して読みました。そして気に入ったところを抜き書きして整理しました。これが私の貴重な財産となりました。今日は「神経衰弱と強迫観念の根治法」から強迫観念を森田先生がどのようにとらえておられたのかをご紹介します。強迫観念とは、自ら思うことを思うまいとする心の葛藤のことに名づけられたものである。詳しくいえば、自分が何かにつけて、ある感じまたは考えが起こる。それが自分に不快でありあるいは自分に考えようとし、しようとすることに対して邪魔になって困るから、なるべくこれを感じないように、思わないようにしようとする。そうするとなおさらにそのいやな感じなり考えなりが起こってきて、しつこく自分に付きまとうようになる。こう思うまいとする考えがしつこく強迫的に起こってきて自分を苦しめるのであるからこの強迫観念という名が起こったのである。いわゆる「煩悩の犬追えども去らず」であって、われとわが心の内の狂犬に絶えず脅かされているようなものである。ここに強迫観念ということについて必要な条件は、ある感じまたは考えに対して、感じまい、考えまいとする反抗心のあることであって、この反抗の心がなければ、それは強迫観念ではない。またもし強迫観念の場合に、この反抗の心さえ没却すればすでに強迫観念はなくなり、煩悶は消失するのである。(90ページ)
2023.06.29
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渡辺利夫先生は経済学、現代アジア政治経済論が専門である。経済以外にも人生観に関する書物をいくつも書かれている。森田理論を基にして様々な視点から取り上げられている。私は森田理論研究の第一人者としてとらえております。興味や関心のある方に是非お勧めしたい本がある。神経症の時代(わが内なる森田正馬)・・・この本は開高健賞に輝いている。煩悶する倉田百三、森田療法と森田正馬の生涯、岩井寛の生と死について、事実に基づいて精緻に書かれている。事実とはこう取り扱うのですよという意思が感じられる。死生観の時代・・・「超高齢社会をどう生きるか」について森田理論の考え方を紹介されている。その中でも、本日は特に次の本を紹介したい。種田山頭火の死生(ほろほろほろびゆく)・・・種田山頭火は神経症者であったという。定住できず、家庭に寄り付かず、法衣をまとい全国の句会仲間を訪ね歩く流浪の俳人と言われている。他人に依存し、自由気ままでみんながあこがれるような生涯のように見えるが実際はそうではない。父親の放蕩と蒸発、母の自殺、弟の自殺、兄弟姉妹の早世、家産の瓦解、離婚、アルコール依存症など自分を取り巻くすべてが滅びゆくという強迫観念にさいなまれ、なんとか出口を求めてさ迷い歩いてもどうにもならない神経症者の必死の叫びが彼の句から読み取れる。分けいっても 分けいっても 青い山振りほどこうともがけばもがくほど頑固にこびりついて離れない執着、それがこの山の緑だ。執着を振り払って少しでも安らかな心境を手になろうと必死に努めても、いや、努めようとすればするほど執着が強くなってゆく。ひとつの山を通り抜けても、また別のもっと深い山に分け入ってしまう。これは神経症の葛藤と苦悩そのものです。山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし種田山頭火は本名は正一という。早稲田大学文学部に入学したころの写真を見ると男前であった。29歳で結婚した奥さんは近所で評判の美人であった。種田正一氏は、アル中と極度の強迫神経症で定職を持たず、一ヵ所に定住することができなかった。愛する家族と一緒に暮らすことができなかった。そのために奥さんの兄から離婚を迫られている。彼は全国の句会仲間に物心両面で全面的に依存し、自由で勝手気ままな放浪生活を送っている。彼自身は自己嫌悪、自己否定の塊で、そのやりきれない気持ちを飲酒で紛らすという生活だった。神経症で苦しんだ種田正一氏の人生とは何だったのか。彼の俳句は自分の気持をストレートに表現する自由律句であった。生涯に渡り苦悩のどん底であえいでいた彼の真骨頂は、鬱と鬱のわずかの隙間に創作したこの自由律句にあった。過酷な運命と彼の繊細な神経質性格によって絞り出された作品群が、多くの句会仲間に感動を与えているのである。自分がダメになる過程を自由律句に託して、悩める神経質者に自分を反面教師として参考の具として提供しているような気がする。不器用な生き方だったが、天賦の才能を与えられた彼の業績は計り知れない。たとえ神経症で一生苦しんだとしても、何らかの形で社会貢献することができれば、それはそれで立派な人生だということを伝えているように感じる。
2023.06.22
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生活の発見誌は1957年(昭和32年)10月に産声をあげている。水谷啓二先生が始められたものである。最初は季刊誌だった。昭和35年10月号から隔月となった。昭和36年10月号から月刊誌となった。そのときに我々の先輩の山中和己氏が編集発行人として奮闘されている。その後一度も休刊することなく、昭和43年7月号を持って100号を迎えた。(ちなみにその後も60年以上にわたり継続されている)100号を記念して、昭和43年11月10日新宿の太平会館で記念式典が行われている。270名の参加者があった。そうそうたる顔ぶれです。最後に水谷啓二先生の音頭で「生活の発見誌、森田療法、森田生活道、森田神経質の人々、更に全世界人類の繁栄と幸福」を祈って、万歳三唱をした。これは大変意味のある言葉と思います。世界人類の繁栄と幸福は森田理論の学習と実践にあると言われている。それだけの内容を森田理論は持っているということでしょう。その時の横断幕に「大調和と大独創の世界」「事実唯真 智悲円満」とある。「大調和と大独創の世界」という言葉は、生活の発見誌1968年12月号、1969年1月号、1970年5月号の副題となっている。森田理論の考え方は、調和、事実唯真、独創、智悲円満にまとめられるということかも知れない。両面観の考え方見方でバランス・調和を心がる。観念を前面に押し出すやり方を、事実を優先するするやり方に改める。生の欲望の発揮に邁進する。他人、自分、自然、物、時間、お金に居場所と活躍の場を与えて、持てる力を存分に発揮してもらう。智悲円満は、森田の考え方と相手を思いやる心が車の両輪となって動き出すと、社会が丸く収まっていくということだと思います。水谷啓二先生は1970年2月号の生活の発見誌によると「中和生活研究会」(仮称)構想を発表されていた。森田療法の本質を貫く人間教育を、神経症治療の場からさらにひろい舞台に展開しようとするものであった。危機に瀕している現代の人間の回復を目指すものであった。(生活の発見誌 1970年5月号 2ページ)水谷先生は、神経症治療としての森田療法の活用のほかに、森田理論を活用して人間の再教育を目指しておられたようです。共同通信社での仕事をこなしながら、啓心会診療所、啓心寮の運営、寮生指導、地方支部の結成援助、講演旅行、生活の発見誌の編集発行、森田関連図書の執筆など活動は多岐にわたっていました。私たちもその後継者として、後世に先生の意志を伝えていきたいものです。
2023.05.13
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生活の発見会から、初心者のための森田療法理論学習参考書が出版された。基準型学習会インストラクター・講師による「学習会シリーズ」(定価800円)である。生活の発見会には、すでに「改訂版 森田理論学習の要点」という冊子があった。神経症の成り立ち、神経質の性格特徴、感情の法則、欲望と不安、行動の原則、「あるがまま」と「純な心」、森田療法の人間観、治るとはどういうことか、「まとめ」のしかたがポイントをついて解説してある。集談会ではこの中から一つのテーマを取り上げて、読み合わせて学習を深めるという方法をとってきた。しかしこの本は要点だけであり、これに基づいて学習をさらに深めていく。あるいは各自の体験を織り交ぜて学習しないと、通り一遍の学習で終わっていた。マンネリ化してくると、理論学習と聞いただけでしり込みしたくなる。私は副読本が必要だと思っていた。待望の副読本が出版されたのです。内容は要点の項目に沿って、手取り足取り解説をされています。そして項目の最後には、読者に向けての課題が設定されている。ただ読むだけではなく、自分の場合どうなのか、まとめをするように促している。今までの要点の学習だけでは物足りなかった人に、大変役に立つ内容となっています。私は早速集談会の学習ツールとして注文した。この本は集談会に参加できない方で、個人で学習する場合に役に立ちます。また集談会に参加している方には、理論学習のコーナーで取り上げてみるのもお勧めです。使い方としては、それぞれが家であらかじめ決められた一つのテーマを読んでくる。そして課題に対して自分なりにまとめをおこなう。集談会ではそのまとめを発表して議論する。これだけで森田理論の基礎編の学習は大変深まると思います。もちろん集談会で読み合わせをして学習する手もありですが、読む時間がもったいない気もします。ところで、私は森田理論学習の工程は基礎編、応用編、活用編を考えています。これらを3年かけて行うというものです。先ほど紹介した学習は基礎編に当たるものです。これをおおむね1年かけて行う。この基礎編の学習がないと次に進んでもよく理解できないように思います。さらにこの本にはないのですが、「認識の誤り」は1項目設けた方がよいと思います。2年目は応用編の学習に移ります。この内容は、森田理論を俯瞰することから始める。森田理論学習の全体像の把握のことです。森田理論全体像の学習は目からうろこの学習内容となります。ここには4つの大きな柱があります。この4つの深耕と関連性を学ぶのが主眼となります。すでにこのブログで何回も取り上げていますので、ここでは詳しいことは割愛します。この学習を行う事で、森田理論は神経症を治すだけではなく、人生哲学を学ぶことなのだと気づくようになります。これからの人生に対して、希望が持てるようになります。3年目は森田の生活面への応用・活用に重点を移した学習をする。森田理論のどこをどういうふうに生活、仕事、人間関係に応用していけばよいのかを、具体的、実践的に解説した内容です。活用ノウハウはいろいろとあります。それらを一通り学ぶのです。例えば、不即不離を人間関係にどう活用するかといったようなことを学習することになります。基礎編の副読本は立派なものが完成したわけですから、次は応用編、活用編の副読本が待ち望まれます。この3部作をもって、森田理論学習テキストと呼びたい。これらは、例えば加除式かファイル形式にして、学習した内容をその都度付け加えるようにしたほうがよいと思います。つまり、自分独自の学習テキストに作り変えてしまうということです。
2021.04.18
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森田関連の新刊書の紹介です。「あるがまま」で生きていく副題 人生が変わる森田療法著者 角本壽昭出版 幻冬舎ルネッサンス新書経歴 赤面恐怖症で京都の三聖病院に2回、東京の啓心会診療所に2回入院されている。職業は小学校教員 37歳で公認会計士試験に合格し50歳まで公認会計士業51歳から産代教員として教壇に復帰。4年8か月で定年退職。その後私塾「あすなろ」を開塾。73歳で閉塾。前半は森田理論について分かりやすく解説されています。後半は森田理論を教育現場で応用された話です。大変読みやすい本です。この本は80歳の時に書かれた原稿をもとに作成されています。現在90歳を超えておられ、十分な校正がなされていませんが、とても良い内容の本です。角本さんは、森田理論を応用して、子供たちが自らやる気を持てるような教育を目指しておられます。それは子供たちが志望校に進学した後に分かったそうです。「あすなろ」で学んだ子供たちは、有名中学に進学した後、どんどん成績が伸びるという評判が立っていたようです。分かりやすい授業、良い授業をするために教材研究には特に力を入れられたようです。産代教員の時は、短期で学校が変わりますが、どこの学校でも児童や保護者から惜しまれたそうです。退職後も交際が続いた話が紹介されていますが、ほんとに教師冥利に尽きる話ばかりで感動いたしました。森田理論は仕事に応用して活用していくことで素晴らしい成果を上げることができることを確信いたしました。
2020.12.05
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精神科医、青木薫久先生がお亡くなりになったそうです。先生には、はるばる広島においでいただき講話をしていただきました。それも2回もおいでいただきました。岡山での「心の健康セミナー」では親しくお話をさせていただきました。「心配症をなおす本」は何度も読みました。グリーン森田の話、仏教の神髄についてのお話が印象に残っております。それから森田全集第5巻は青木先生の担当だったというエピソードをいろいろとお伺いしました。森田理論普及のために多大な功績を残されたことに対して、深い敬意を表します。ご冥福をお祈りいたします。
2020.05.11
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2015年12月7日に森田家家系図を投稿したが補足をしておきたい。これを頭に入れておくと、森田正馬全集第5巻、森田正馬評伝、森田療法の誕生などを読むときに大変参考になる。森田正馬は4人兄弟であった。5歳上に異父の姉、道さんがいた。「はちきん」といわれるような人で、小さい頃正馬にいろいろと家事を指示していた。この方はその後、田原秀明氏と結婚した。子供はいなかった。そこで正馬の11歳下の妹の「磯路」が濱田眞鉏さんと結婚していたが、そっくり養子縁組をしている。濱田姓から、田原姓に変わったのである。子供が4人生まれた。森田正馬は一人息子の正一郎君がいたが、20歳で亡くしている。そこで「磯路」さんの子供あった田原家の次男、三男を養子に迎えた。森田俊喜さんと森田秀俊さんである。お二人ともお医者さんになられた。森田秀俊さんは三島森田病院の院長をされていた。そこに田原あやさんがおられた。森田先生が存命中は、森田先生の身のまわりの世話をされていた方である。この方は田原秀明さんの妹の子供さんである。田原秀明さんの長女が嫁がれた土居家からは、土居光知という大学教授が出ている。森田先生の伝記によく出てくる人である。森田先生の4歳下に弟の「徳弥」さんがおられた。兄弟とはいえ性格的には異質であったという。勉強ができて、兄の正馬と同じように旧制中学への進学を希望したが、父親の反対で農業を継いだ。正馬は向学心の強い弟を医者にしようと思い、大学を卒業した年に、東京に呼び寄せた。柔順な弟は兄のすすめに従い、1年間独学して、医学前期の試験に合格した。その後、慈恵医学校の入学試験にも合格して3年生に編入された。しかし、慈恵に入学してわずか2か月足らずのうちに日露戦争が勃発した。予備役だった徳弥氏にも詔勅が発せられ、その日のうちに高知の連隊に向かって出発した。その後日露戦争の最激戦地旅順の攻撃にあたる。そして戦死。享年27歳であった。前途有望で、森田正馬の後継者となるべき人が、理不尽な戦争で命を落としたのである。森田正馬は日記に次のように書いている。「徳弥入営の報あり。父は我に学問させるため、徳弥を学校にやらず終に一兵卒となりて入営す。彼の心情を思ひやりて涙を催したり。将来我が幸福の半分は彼に分たる事を潜かに誓う」運命に翻弄されたとはいえ、実に残念で無念の死であった。(森田療法の誕生 畑野文夫 三恵社 203ページより引用)
2019.11.22
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今日は、「森田療法の誕生」という本を紹介したい。かなり読むのに骨の折れる本であるが、人間森田正馬研究に関心のある人は必読書である。私は読了するのに1週間かかった。著者は畑野文夫、出版社は三恵社、現在第2版、460ページ、税別3000円の本である。畑野文夫氏は森田療法家、鈴木知準先生の門下生である。この本は、鈴木知準先生が持っておられた森田正馬先生の日記のコピーをもとに書かれている。その日記は35年分だそうだ。森田先生の生涯の半分以上に及んでいる。事実に基づいて、畑野氏が分析や解説をされている。森田先生の伝記である。どういう環境の中で森田正馬が成長していったのかがよく分かる。そしてどんな特徴があり、どんな生活をしていたのかよく分かる。この本は、森田先生の生活を自分の生活に応用するための参考書となる。またこの本には、森田先生と付き合いのあった人の人生や考え方も詳しく紹介されている。よくここまで根気よく調べ上げられたものだ。その内容が特に優れている。森田先生は「不即不離」の人間関係を持っておられたことがよくわかる。それと同時にいろんな精神療法を一つ一つ検証して、森田療法誕生に行き着くまでの過程がよくわかる。一朝一夕でできた療法ではないのである。改めて森田療法の凄みを感じた次第である。それだからこそ1919年に確立された森田療法が、100年経た現在まで続き、さらに世界に羽ばたいていった精神療法であることが納得できた。この本には「森田家家系図」と「森田正馬自筆年譜」が載っている。野村章恒先生の「森田正馬評伝」を読んだ人は、この本を読むことを強く推薦します。今後しばらくは、この本から感じたことを投稿してまいります。
2019.11.15
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「森田式ダイアリーのすすめ」(林吉夫 保健同人社)という本がある。神経症や心身症の苦しみを、自学自修の日記療法で克服するというものだ。具体的な日記の付け方が12例にわたって詳しく説明されている。よく読まれている本である。参考にしてほしい。まず大学ノートを用意する。これに片面1ページにダイアリーを書いていきます。一週間後にその下に自分でコメントを書いていきます。ダイアリーにはその日の印象を書いていきます。症状についての記述はなるべく少なくしていきます。実際に行動をしたことを書いていきます。注意点としては、1、どんなに苦しくても毎日書くこと。苦しいときに2行から3行でもよい。2、症状や気分よりも、どう行動したかを書く。最初のうちは症状や気分のことを書いても構いません。徐々に少なくしていきましょう。3、大切な人に相談して、粘り強く。継続が困難になったとき仲間や友達の励ましが役に立ちます。これは集談会の仲間のなかに、森田理論の基準型学習会で「日記指導」を受けた人がおられると思いますので参考にされるとよいと思います。4、肯定的で前向きなコメント。症状で苦しんでいるときは、初めから調子がよいはずはありません。そんな苦しみの中でもちょっとできた行動を肯定的にとらえてコメントすることが大切です。意識することで、自分に対する見方や、自分の症状のとらえ方が、徐々に健康的な方向に変化してきます。5、慣れてきたら、印象に残ったことを中心に書く。症状があっても案外日常行動はできるという体験が積み重さなってくるでしょう。そうしたら今度は、そうやって「できたこと」の内容と印象を中心に、日々のことを書いていきます。そうしていくことで、自分の症状ばかりに向いていた心が、不思議と変化していきます。外向的にいろいろな事象に目が向くようになり、毎日が充実していくはずです。6、不安な自分も素直に受け入れる、そんな自分に気づくこと。ダイヤリーを続けているうちに「不安な自分」も「憂鬱な自分」も「元気な自分」も「明るい自分」も、どんな自分のことも素直に表現できるようになっていきます。生活の発見会の基準型学習会では、大学ノートの日記を2冊用意します。1冊目に一週間の生活の中で、主にどんな行動をとったかを書いていきます。気づきや発見、アイデア、工夫したことなども書きます。注意点として、症状のことはだんだんと少なくしていく。また、次の日の日記を書くときは、インストラクターのコメント欄として少し余白をとります。一週間経つとインストラクタに渡します。インストラクターは、それに赤字でコメントをつけて1週間後に返します。これを繰り返します。期間は3か月間ぐらいです。これが日記指導といわれているものです。この方法はインストラクターとの共同作業なので継続性が生まれてきます。神経症の苦しみを持ちながらも、行動に注意を向けていきますので、不安の感情が少しづづ流れていくようになります。それが分かるようになると、神経症の克服のコツが何となく分かるようになるのです。あとは本格的な森田理論学習によって、「不安と欲望」と「生の欲望の発揮」の理解と実践に取り組んでいけば万全です。
2019.08.04
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この本を紹介します。著者は出口清一さん。医学通信社BOOKS。出口さんは現在名古屋大学の助手をされています。パワハラで2度うつで休職に追い込まれた方です。いずれも克服して復職されています。その時の取り組み方、ノウハウが詳しく書いてあります。大変参考になりました。森田療法では「大うつ病」は対象外とされています。「大うつ病」の知識として興味のある方は一読ください。なおこの本は市立図書館で借りました。一度に10冊まで2週間借ることができます。多読の私は大変重宝しております。
2018.08.18
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森田正馬全集の第5巻は、昭和4年12月から昭和12年4月までの形外会の記録である。形外会は森田先生を囲んでの座談会の記録のようなものである。この記録は、出席した会員が速記したものの中から、森田先生が取捨選択し、月刊誌「神経質」に掲載されていた。森田先生の代表的な著者は、 「神経質の本態と療法」 (大正11年)、「神経衰弱及び強迫観念の根治法」 (大正15年)です。昭和に入ってからの森田先生の円熟した思想を知るには、この形外会の記録が一番よいと思われる。森田先生自身も、形外会の記録は、ところどころ会心の作であり、ひとりで悦に行っていることがあると言われている。森田先生の自宅での入院療法は、大正8年4月から始まり、退院した人は370人ばかりいた。その人たちを中心として、森田先生に対する謝恩の意味と、森田先生からさらに指導を受けたいという気持ちから、森田先生をお招きして、会員が集まるという会員自身の会という性格を持って始められた。それだけ森田先生は、人を惹きつけて止まない強いオーラを持っておられた方なのだ。会の名称については、森田先生の雅号を採って形外会と称することに決めた。森田先生は、みんながなるべく面白い中に効能があるようにしていきたい。話の内容は臨機応変であり、日常生活、社会生活、人生問題、政治問題などにも及んでいる。会員の話や質問に答えて、的確に森田理論に基づいて自説を展開されている。その他、会がマンネリ化しないためにハイキング、旅行、講演会、演劇なども頻繁に行われていた。一人一芸に取り組むだけでも神経症は克服できるとも言われている。また会合は、だいたい昼の3時ごろから行い、夕食をはさんで、夜の9時頃まで行われていた。今の集談会でいう、レクリエーションや懇親会のようなものも重視されていたのである。東京及び近郊の人は100人足らずであり、地方からの参加者は泊まりがけで参加されていたのである。昭和7年1月から、森田先生の家が広くなったこともあり、会員の範囲を拡大して、雑誌「神経質」の読者も参加できるようになった。参加者は最大70名、80名にも及ぶようになった。さて、森田全集第5巻は、森田正馬生誕100周年事業の一環として、白揚社から出版された。5巻には形外会の66回分が収録されている。 774ページの本である。この本には分厚い表紙が付いている。そのためこの本は、普段鞄の中に入れて、随時読むということは困難である。私は、思い切って3分冊に切り分けた。 1冊目は232ページまで。 2冊目は406ページまで。 3冊目は774ページまでとした。分冊にすることで、いつでも読めるようにした。もうすでに20回以上は読んでいると思う。今回もまた読み返してみた。読むたびに発見がある。一日で読めるページ数は、大体30ページくらいである。だいたい1ヶ月かかってやっと読み終える。今回は森田理論をいかにして、日常生活に応用するかという視点で読んでみた。すでに何回も読んでいるので、あちこちにマーカーで印がたくさんついている。読むときには、心の琴線に触れたところに付箋をつけていく。読み終えると、その部分を抜き出していく。そして自分の考えを付け加えていくのである。これがブログの原稿となって投稿しているのである。森田全集第5巻は、私の大切なバイブルとして、死ぬまで読み続けていきたいと思っているのである。
2018.02.15
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私が毎日本を読むのはブログの投稿記事のネタを探しているのだ。森田理論の琴線に触れるものはないかと鵜の目鷹の目で探しているのである。1冊の本で一つも引っかからない本もある。そんな時はがっかりだ。反対に1冊の本の中で5つも6つもテーマが見つかる時はうれしくなる。ちなみに、本には著者の熱意や人間的な懐の深さのようなものがはっきりと現れる。最初分からなくても、50ページぐらいを読むとしだいに現れてくるようだ。読みたい本がたくさんあるので、「これはちょっと」と思う本はすぐに中断している。さて、こういう読み方をしていると、読みっぱなしということはあり得ない。以前は、「ああ、いい本だった」で終わっていた。でも具体的にどこがよかったのかといわれると、出てこない。読んだあと整理していないので、身につかないのだ。実にもったいない読み方をしていたのだった。今はどんな方法をとっているかというと、琴線に触れたところに、付箋を本の上部につけて読んでいく。すぐにブログのテーマとして取り上げたいと思うものは、横に付箋をつける。さらにその中でも重要なテーマは下に付箋をつけておく。さらに自分の本にはマーカーや鉛筆でマークしていく。読み終わると、付箋をつけた部分をA4用紙にページ数と要旨を書き出す。その順序は下に付箋のついたもの、ヨコに付箋の付いたもの、上に付箋の付いたものの順序である。面倒なようだが、この作業はとても重要である。次に私が掴んでいる森田理論との比較検討を行う。そして自分の感じたことをまとめていくのである。文章を書き移したり、自分の考えを整理していくことは理論をしっかりと定着させていく上でとても意味がある。特によい本は、2度、3度と読みかえしている。また速読気味に読んでいたものを丁寧に読みかえすこともある。期間を置いて読み返すと、以前は気がつかなかったことに関心が出てくることも多々ある。それは自分が以前とは変化してきているからだと思う。この作業を毎日3年間以上おこなってきた。すると大きな変化があった。森田理論学習の中身がどんどん深耕できたのである。大変大きな気づきがあった。3年前と現在とでは雲泥の差になってきたのである。塵も積もれば厚みを増すのである。この作業をあと2年間は続けていくつもりである。その間、どんな発見があり、どんな風に成長していけるのかとても楽しみである。「生活の発見」誌の読み方も、このようにノートにまとめて、集談会などで感想を述べたりすれば、森田理論がより深まっていくと思う。
2016.03.24
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慈恵医大の中山和彦先生の本に「言葉で理解する森田療法」という本がある。森田療法が生まれた時代背景、森田理論確立の歴史が詳しく紹介されている。関係する人は、慈恵医大の創立者高木兼寛、中村古峡、井上円了、宇佐玄雄、佐藤政治、藤村トヨ、中原中也、高橋新吉などの紹介がある。これらの人たちとの交流がなかったとしたら森田理論は確立していなかったかもしれない。森田家の家系図も詳しく紹介されている。また思い出の写真が多いので好感が持てた。今まで聞いたことのなかったエピソード満載なので、人間森田正馬の研究をしておられる方はぜひ一読をお勧めしたい。今日はその中で宇佐玄雄氏の言葉を紹介されているので投稿してみたい。1、まっすぐに前進せよ、ウロウロ考えていると遅くなる。2、不要なことは一切考えず前進すべきである。3、どうしても作業が手につかない人は、作業の恰好でもする。4、仕事をしない前から準備だとか、あれこれ思案する必要はない。5、常にぼんやりしないで、細かいことによく気を配ることが大切6、もっと「はらはら」しなさい。7、歩く場合でも、力を入れて緊張して歩けば、バタバタ音がしない。8、臨機応変、不即不離にやることが大事。9、頼まれた仕事は必ずやる。10、濁流はそのまま置けば透明となる。神経症に陥って生活が停滞している人には、行動指針として大切なことばかりである。この中で自分が共感するものを2つぐらい選び出して、徹底することが効果を発揮すると思う。
2016.02.25
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最近の投稿で参考にさせていただいている「怒りをコントロールできない子の理解と援助」という本の紹介をさせてもらいます。副題は「教師と親のかかわり」です。この本はカウンセリング学校教育部門でベストセラー1位の本です。重版を続けています。隠れた名著です。著者は大河原美以氏です。出版社は金子書房です。大河原氏は臨床心理士で、子供の心理療法、家族療法の専門家です。193ページの本ですが、私が注目しているのは61ページまでの部分です。それ以降は子どもへの対応方法が具体的に書いてあります。61ページまでには「感情はどのようにして育つのか」が書いてあります。第1章 感情のプロセス1、 感情と言葉2、 感情はどのようにして社会化されるのか3、 親子のコミュニケーションと感情の発達4、 思いやりという感情を育てるには第2章 いまどきの親子の関係1、 理想的な子供を求める子育て2、 他者から見て「よい子」であることを強く願う時――叱ることをやめられない3、 親に対して「よい子」であることを強く願う時――叱るのがこわくて叱れない4、 子ども自身が本当の意味で「よい子」に育つことを願うには第3章 怒りをコントロールできない子どもたちの感情の発達1、 ネガティブな感情が社会化されないとき2、 子どもの心の脆弱性と易トラウマ性3、 著しい情緒不安定による攻撃的な子ども――小学校低学年4、 突然きれてパニックになる子ども――小学校高学年5、 思春期の危機6、 大人になってからの危機7、 感情を育てるために必要なこと8、 「しつけ」の誤解9、 「(よい)心の教育」の落とし穴大河原氏は殺人事件を起こした少年少女は、一般的な子どもとほとんど変わらない。その根本には、ネガティブな感情を受け入れられず、いびつな形で成長してきた足跡がある。そのつけが重大な事件へと発展している。子どもたちはどんな状況におかれても、生きつづけようと格闘する。その生きようとする力は、時に激しすぎて、嵐を巻き起こす。親や教師が子どもに対する関わり方を変えていけば、子どもは素直に育っていくと言われています。これは森田理論学習でいう、感情は自然現象であり人間の意思の自由はない。親、教師、子どもたちすべての人が、不安や恐怖等のネガティブな感情を受け入れていく。感情の事実に服従していくということと同じことであると思う。それを親と子ども、教師と子どもの人間関係の在り方から説明されている意味のある本だと思います。関心のある方は森田理論を深めるために是非一読願います。
2015.07.25
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森田正馬生誕100周年の事業として「形外先生言行録」「森田正馬評伝」「森田正馬全集」刊行された。「森田正馬全集」は今でも買ってきて読める。特にその5巻は圧巻である。ところが、「形外先生言行録」「森田正馬評伝」は絶版である。「形外先生言行録」は元入院生、親しく交流のあった人たちの追悼集である。そうそうたる人たちが名を連ねておられる。森田先生の日常生活のなかでの指導内容がとてもよく分かる。全集第5巻の次に衝撃を受けた本であった。この本からの引用はとても多い。いつでも買える状態にしてほしいものである。「森田正馬評伝」は野村章恒先生の書かれた本である。これは森田先生の伝記である。これほどまで調査をして克明に描かれた本はない。ちなみに野村章恒先生は高知の出身である。野村先生のお父さんと森田先生は、高知中学の同級生であった。野村先生のお父さんは優秀で、確か京都帝国大学に行かれたように記憶している。森田先生は高知中学時代は最下位の成績だったこともあるようだ。成績の席次が公開されていた。ともあれ、森田先生の人となりがとてもよく分かる。私はこれを見て森田家の家系図を作り上げた。森田先生の墓参りに行ったとき、墓に刻んである名前はほとんど理解できた。わたしはかねてからこれらの本をぜひとも読みたいと思っていた。長い間かなわない夢であった。古くからの会員に相談したところ、その会員はすべて購入して持っておられるという。よかったら貸してあげてもよいという。夢がかなった瞬間であった。早速借りて、「形外先生言行録」はすべてコピーさせてもらった。とてもありがたかった。森田正馬評伝は、分厚い本であったが全部読ませてもらいました。それ以来森田先生がより身近に感じられるようになりました。多分古い会員の中には持っておられる方がおられると思う。関心のある方は一度あたって見られたらどうだろうか。
2014.06.22
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石原加受子さんの「へとへとに疲れる嫌な気持ちがなくなる本」を紹介します。中経出版 630円2013/4/30第1刷発行森田理論学習の「純な心」を深めるために大変参考になります。むしろこの本のほうが、実践的で、より深く学習になると思います。考えれば考えるほど「嫌な気持ち」は増えていく。しつこい怒りや、去らない不安、なぜかイライラしてしまうなど、どうやっても消えない「嫌な気持ち」。フタをして気づかないふりをしたり、我慢をするのは大きな傷になるだけです。本当は「嫌な気持ち」はあなたを守るためのシグナル。「嫌い」を認め、自分の「快」の感情を基準にすることで、「嫌な気持ち」は驚くほどなくなります。なお石原加受子さんの本は、累計60万部を売り上げているという。私はしばらくは石原加受子さんの「他人中心」から「自分中心」の考え方を、森田理論と絡めて整理してみたいと考えています。
2014.01.05
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最近の投稿記事は、次の3冊の本からヒントを得ています。「従病という生き方」 神山五郎 草思社「しょうびょう」と読みます。治らない病気だったら「闘病」は止めて病気を受け入れましょうという考え方を紹介されています。神山さんは、どもりの方です。この本は図書館で借りました。もうそろそろ返さないといけません。「子供を叱る前に読む本」 平井信義 PHPいたずら、おどけ、ふざけ、反抗する子、喧嘩する子は自発的な子に育つといわれています。またしつけは無用。子供を叱り付けることはしなくてもよいといわれています。ブックオフで105円で手に入れました。「心がやすらぐ本」 山崎房一 PHPそのままの自分に常に100点満点をつけましょうといわれています。この人の本は10冊以上読みました。もう亡くなられています。これも、ブックオフで105円で手に入れました。
2013.11.27
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自ら胃腸神経症で苦しまれた岡本常男氏が、私財約40億円を投じて神経症に苦しんでおられる方たちのために1988年(昭和63年)に設立されました。国内では神経症の研究を促進するため、優れた研究を行っている研究者、団体への助成金の交付。発見会も助成を受けています。一般事業としては、・「心の健康セミナー」(無料)の開催。一般市民を対象にした神経症など心の健康に関するセミナーです。北海道、東京、浜松、大阪、岡山、福岡などで開催されています。・「メンタル図書室」の開設。そこには精神・心理療法関係の図書、ビデオなどが約3300点あります。図書は無料で貸し出しをしています。・「電話・面接相談」で森田療法を中心にした情報の提供を行っています。・インターネット相談室による「心の体験フォーラム(会員制掲示板)」を開設しています。月一回東京慈恵医大の専門医のアドバイスが掲載されます。その他、海外に対して森田療法の普及活動も積極的にされています。中国での森田療法の拡大は、すでに日本を越えています。アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどにも広がり、世界森田療法学会も開かれています。詳細はホームページをご覧ください。メンタルヘルス岡本記念財団のメンタルニュースno.30より森田理論の基本となる考え方の一つが事実を重んじるということです。誰でも面接試験や発表会などで「緊張してあがって困った」という経験をしたことがあると思います。緊張してあがることに悩んでいる人は、あがることのない自分になろうと四苦八苦しいろいろと行動や心のやりくりをします。しかし、あがるまいと注意をそれに向けると、ますます感覚は鋭敏になり、さらに緊張がつのって一層あがってしまうのです。このあがらない自分でありたいというのが「理想」、あがることを自分の努力で治すことができるというのが「観念」、そしてあがるということは自分の意志では変えられない自然現象なのであって、いくら努力してもどうにもならないというのが「事実」です。つまり、あがることを異常と思い、「あがらない自分」でありたいとこだわっている人は、食い違いによって葛藤を起こし、不可能な努力に「はまっている、とらわれている」ということができます。ひどいときには様々な症状を形成してしまうことになるのです。
2013.05.16
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本を読むのが好きな人は本代が馬鹿になりません。私は基本的に町の図書館、市の図書館、県の図書館を利用します。それぞれ2週間、5冊まで貸してくれてます。市の図書館は区民図書館が5か所ぐらいありどこで借りて、どこに返却してもよいのです。これだと返却するので本がたまらないので助かります。でもマーカーや鉛筆で線を入れたりはできません。大事にところは付箋を付けて読みます。それからブックオフという中古の本を売っている店があります。105円の本がたくさんあります。よい本がたくさんあります。私はよく利用しています。この店はあちこちにあります。アマゾンドットコムは中古の本を売っています。ただ郵送料が250円はかかります。森田関係図書はほとんどこれを利用しました。参考までにご紹介しました。
2013.03.18
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会員になると送られてくる生活の発見誌を読み続けて27年、飽きることがない。今月号は64ページの「103日間地球一周の旅」がよかった。ピースボートの格安世界一周船の旅は知っていたが、実際生活の発見会の会員の人が参加されて、その詳細を書いておられた。19カ国を回られたらしい。乗船者900名のうち600名は60代以上だったらしい。4人部屋で最低150万円の費用。良かったのはエーゲ海に浮かぶミコノス島、全長204キロのフィヨルド、北極海の氷山であったという。船の中のいろんなイベントや習い事が多彩に用意されて楽しそうでした。私はハワイとシンガポールにいったことがある。異文化に接すると日本のよさを再認識したり、外国のよさを見つけたりできる。あと特に印象に残っているのは与論島のサンゴ礁、北海道の礼文島、知床半島の温泉である。私たちは好奇心旺盛なので、集談会でこうした情報を交換すると、それに刺激を受けて、自分の生活の中に取り入れたりすることがある。集談会に参加するとこうした刺激がある。
2013.01.30
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森田関連図書はかなりの数が出版されています。私は下記の図書が参考になりました。・森田正馬が語る森田療法 岩田真理 白揚社この本は森田先生のエピソードが満載です。森田先生の生活を真似るには最適です。巻末に詳しい年表がついています。・流れと動きの森田療法 岩田真理 白揚社 目立った症状はなくなったのに、もう一つ吹っ切れないという方に読んでいただきたい本です。思想の矛盾の打破について丁寧に書いてあります。・自分に克つ生き方 岡本常男 ごま書房 性格の活かし方、サラリーマンとしての生き方が参考になりました。 メンタルヘルス岡本記念財団元会長・森田理論という人間学 三重野悌次郎 春萠社 事実唯真の説明に説得力がある。・強迫神経症の世界に生きて 明念倫子 白揚社 強迫行為をともなう強迫神経症の人の必読書。精神拮抗作用の説明が明快。・森田療法で読む 社会不安障害と引きこもり 北西憲二・中村敬編 白揚社引きこもりの人の臨床例が豊富に紹介してあります。・森田療法で読む うつ 北西憲二・中村敬編 白揚社 「うつ」の治療戦略が参考になった。臨床例多数紹介。・森田療法で読む パニック障害 北西憲二・中村敬編 白揚社 不安神経症の人は必読書。豊富な症例の紹介あり。・我執の病理 北西憲二 白揚社 現代人に多い完全主義、過大な自己愛が参考になった。・実践森田療法 北西憲二 講談社 かくあるべしと神経症の発症の関係がよくわかる本・神経症を治す 中村敬 保険同人社 薬物療法、神経症周辺の精神病、神経症者の家族、職場の対応などに詳しい。・森田式精神健康法 長谷川洋三 三笠書房 この本に出会って森田療法に出会いましたという方が多い。森田の初歩的解説書です。 長谷川洋三氏は、全国に森田学習運動を定着された方です。
2013.01.14
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森田先生の代表的な本は、・神経衰弱と強迫観念の根治法 森田正馬 白揚社・神経質の本態と療法 森田正馬 白揚社・森田正馬全集第4巻 外来指導・日記指導・通信指導 高良武久他編集 白揚社・森田正馬全集第5巻 形外会記録 高良武久他編集 白揚社これが代表的な森田理論の原典となります。是非原典にあたってみてください。ちなみに三重野悌次郎氏は、「神経衰弱と強迫観念の根治法」「神経質の本態と療法」「森田正馬全集第5巻」を繰り返して読むように言われていました。私もその方法をとっています。このほか私が注目したいのは森田正馬全集第7巻です。この本には「生の欲望」(単行本にはない関東大震災の記録と流言飛語の詳しい説明が圧巻です。)亡き正一郎君の思い出、亡き妻久亥の思い出、森田先生の年表などかあります。私の森田正馬全集4巻、5巻の読み方を記載しておきます。4巻は619ページ、5巻は774ページあります。ちなみに4巻は入院療法の日記指導、外来診察、通信療法が載っています。5巻はおなじみの形外会の記録です。形外会は集談会によく似ています。ただ形外会は元入院生、入院生の話に対して、森田先生が詳しくお話されています。値段は税込み各8925円です。アマゾンドットコムではたまに半額近い値段で販売されていることがあります。私は4000円近くで手に入れました。私の読み方を紹介します。分厚い表紙が付いていますが、表紙は取り外して、2冊とも3分割しています。200ぺージから250ページになると普通の単行本と同じ厚さになります。たいへん持ち運びがよくなります。自然と読む機会が増えると思います。内容的には難しくありません。大変読みやすいです。読み方ですが、一回目はしんどいですがマーカーで線を引きながら一応はざっと通読をお勧めします。これをしておくと2回目以降とても楽になります。また5巻は入院生の話もたくさん載っていますが、肝心のところは森田先生の話されているところです。そこを注意して読まれるとよいと思います。極端にいえば入院生の話は飛ばして読んでも構わないぐらいです。裏技としては、「現代に生きる森田正馬の言葉」1と2の2冊があります。(生活の発見会 白揚社)主として4巻、5巻の中から大切なところを抜粋したものです。引用箇所はページ数が書いてあります。それを参考にして、全集の該当のところにマーカーでしるしをつけてゆくのです。項目も一緒に書いておけば、大事なところはすべてあらかじめ分かった上で読んでいくことになりますので、大変便利です。これらは持っている人から借りて、コピーをとったり、スキャンして活用するとよいと思います。次に読んだ後、項目別に自分なりに整理してゆけばより深く森田を勉強することができます。私は抜き書きをしました。大事なことはなぜ森田先生はこうゆう発言をしているのだろうと考えることです。先に説明した森田理論全体像を手元に置き、森田理論の全体の中から今の位置を確認しながら学習してゆくことが大切だと思います。本来ならみんなで感想を出し合いながら読んで行くのが一番だと思います。
2013.01.12
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月刊機関誌で会員に月末に郵送されてきます。ページ数は90ページくらいです。自分で言うのもおかしいですが、内容がとても好感が持てます。この機関誌は発見会発足からずっと続いています。現在通巻633号になります。主な内容は下記の通りです。・森田に詳しい医師、学者などの森田理論の解説・会員による神経症の体験談・「新版 森田理論学習の要点」にそった理論の体験的解説・各地の集談会活動・森田理論を応用した生活事例の紹介・発見誌を読んでの感想・各地の集談会、学習会、交流会の予定案内・その他、書籍、DVDなどの紹介・協力医、日本森田療法学会などの紹介この「生活の発見」誌は、集談会の学習で読み合せなどをおこなっています。重要な学習ツールですので是非購読をお願いします。会員登録すれば送られてきます。一年ごとの更新になっています。発見誌は送られてきたとき、できれば通読して集談会に参加されるとよいでしょう。発見誌を読んで感想を述べたり、疑問を質問したりすることが即学習につながります。私の発見誌の利用方法。私は切り抜きや抜き書きをしてバインダー付きノートにまとめています。まとめにあたってインデックスをつけています。主な項目は下記のようにしています。・森田理論全般・神経症の成り立ち・神経質の性格特徴・感情の法則・欲望と不安・かくあるべしと思想の矛盾・あるがまま・人間関係・行動の原則・森田理論の用語解説 森田先生は、人間のやることは、事業にしても、思想にしても、また歌にしても、まず世の中のことを見聞し、本を読むことによって心をひかれ、さそわれ導かれ、次に実際に活動し、表現し、書くことによって心身の機能はますます盛んとなり、三番目に思考し交錯することによって、いよいよ精錬されるものである。この三つのことが互いに作用しあって、その活動をますます発展させ、強大にするものである。森田理論学習態度はまさにこれを踏襲すればよいと思います。私は古い発見誌は読む機会が少なくなりますので、それならと思ってどんどん切り抜きをして自分なりにノートに貼りつけたり、抜き書きを簡単にまとめています。発見誌の利用価値が数段に上がりました。みなさんにもお勧めします。これをときどき取り出してみることがあります。とても自分を励ましてくれたり、納得させてくれたりしています。また原稿を書いたり、これに触発されて自分を振り返ったり、さらに自分の考えを膨らませているところです。古いバックナンバーは思い切って処分しています。結果としてはこの方法が一番自分にとって役に立っていると思います。
2013.01.12
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この本はアマゾンドットコムで買いました。100円で買えました。運賃別。250円この本はすぐに生活の中に取り入れたいことがたくさん載っておりもう数回読みました。大事なところはは抜書をしています。一部分221ページから紹介します。ある対人恐怖の患者は「人が私をのけ者にする。自分が人から変に思われはしないかといつも気になる。」という。私はそれに対してゆう。「そんな気持ちを持つ人はすこぶる多いが、私は便宜上それを三種に分ける。第一種の人は、人から変に思われると、その時は気にするけれども、すぐ忘れる人で、これは普通の人である。第二の種類の人は、人から変に思われると、何か自分に変なところがあるのではなかろうかと自分を反省して、それを直す工夫をする人で、これは立派な人である。第三の種類の人は、人から変に思われるのは苦しいから、気をまぎらせたり、無理に大胆になろうとしたり、達観しようとしたりする人で、これは下等な人である。」「第三の種類の人は、もともと不可能なことを可能にしようともがき苦しむ人で、そこに当然強迫観念が発生する。人の思惑を気にするという自分の素質をそのまま肯定して、よく反省し、境遇に服従して第二の種の心がけにならなければいけない。」
2013.01.07
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