森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.11.04
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
森田先生は、森田全集第5巻の中で人の気質を7つに分類されている。
神経質気質は、自己内省的で、何かにつけて、自分のことを観察批判して用心深く、石橋を叩いて渡るという風である。
全て理知的で感情を抑制することが強い。したがって、軽はずみではないがひねくれである。
自己中心的で、他人に対して、情愛がうるわしくはないが、信用を置くことができる。

発揚性気質の人は、陽気で、愉快な人で、あっさりしていて、交際上手で、朗らかな人である。
交際にも、気持ちよく、気の置けない人で、よく人の世話をやく人である。
その代わり、ただうわべばかりで、人に対して、深い思いやりなどは全くなく、自己内省などもできない。
人が笑っていれば、単に喜んでいるくらいに考えて、泣き笑いとか、会釈笑いとかいうことの見分けのつかないものである。
人と喧嘩するときでも、神経質は、自分の欠点や、悪い意見を十分に考えて、しかるえうで争うことができるが、その他の気質の人は、ただ一途に相手の悪いところばかりを怒るという風である。


ここで問題なのは、神経質気質の人が、発揚性気質の人の性格を比較していることである。
自分の性格のマイナス面と、発揚性気質のプラス面を天秤にかけて比較しているのである。
発揚性気質の人は、小さな事は気にならず、あっけらかんと笑い飛ばしてしまうような人である。
明るく愉快で他人の注目を一身に集めている。社交上手で、行動力も交渉力もある。
人を統率してまとめ上げるリーダーシップも持ち合わせている。
神経質性格の人は、これらの性格特徴は持ち合わせていないので、発揚性気質の人と比較すると自己嫌悪、自己否定に陥る場合がある。

しかし、発揚性気質の人も欠点や弱みを持っている。
細かい事は気にならないので、対応することが困難である。
体の異変にも気づかず、診察を受けたときは、もうすでに手遅れという事態を招くことがある。
大きなプロジェクトなどは手がけることができるが、 ザルで水を救うようなもので、予期せぬ事態に陥り、足元救われるようなことが発生する。
内省性に欠けるので、第三者から見て、無鉄砲なことでもイケイケドンドンで突っ走ってしまうこともある。他人の気持ちを思いやる心がなく、自分の思い通りに支配しようとする。


注意や意識が自己内省一辺倒である、 「かくあるべし」が強いなどの欠点がある。
神経質者から見ると、発揚性気質の人は自分にない性格特徴持っており、とても眩しく見えるのである。
自分の性格特徴を否定して、発揚性気質の性格に変えてしまいたいと思う人が出てくる。
心身を鍛えたり、性格改造のためのセミナーに参加したりする。

こういう方向で努力するのはいかがなものであろうか。

神経症に陥っている人は、まさか自分の神経質性格にプラスの面があるとは思えない。
神経質性格のマイナス面ばかりをみて、自己嫌悪、自己否定しているのである。
こんな性格に産んだ親を憎んでいるのである。
これは性格の見方があまりにも一面的である。

性格特徴には、それぞれの性格に10の欠点があれば10の長所もあるのである。
10の長所もしっかり自覚できなければ、性格を正確に自覚したことにならない。
そして神経質者の生き方としては、その長所を大切にして育んでいくことにあるのではないでしょうか。





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Last updated  2018.11.04 06:30:07
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