森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.01.31
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カテゴリ: 身近な社会問題
田舎の住職さんのお話です。
世界では毎日テロや発砲事件が相次いでいて、多くの生命が失われています。
その点、日本は安全で平和な国だと言われています。

私の知り合いでブラジルに行っている人がいます。
ブラジルでは窃盗や犯罪が横行、その人も銃を突きつけられたことがあるそうです。
私がその人に危険だから日本に帰ることを勧めました。すると、こう言われました。
「それでも日本よりここがよい。日本は年間3万人の自死者が出る。行方不明者を入れると、実質数万人の自死者ともいわれている。銃やテロでは、そんなには死なない。日本の方が世間の評価などで精神的に追い詰められていく怖い国だ」

この話を聞いて考えさせられたそうです。
日本は治安も比較的よい。働いていれば、飢え死にすることはない。

冷暖房完備で何不自由ない生活をしている。
テレビ、洗濯機、クーラー、自動車はどこの家にもそろっている。
パソコンやスマートフォンなども誰もが持っている。
衣類至っては収納場所に困るほど家の中にあふれかえっている。
様々な娯楽もふんだんに用意されている。
これ以上の贅沢を言えば罰が当たるほどの生活を享受しているのが今の日本人だ。
世界中を見渡しても日本ほど物質面で豊かな国はあまり見当たらない。
貧しい国から見れば、私も日本に生まれていれば毎日楽しい生活ができたのにとうらやましがられる国なのだ。しかし、日本では自死者が多い。豊かな生活を維持するのに、働き蜂のように働かざるを得ない。人間関係でのトラブルが多く、いつも不安や葛藤を抱えている。
目の輝きを失って、うつろな死んだ魚のような目をしている。
生活の豊かさと引き換えに、精神的な豊かさを失って、ただ生命を生きながらえさせているような感じだ。

その住職さんは9年前にブータンという国に行ったことがあるそうです。

建物も衣服も日本の江戸時代にタイムスリップしたかのような生活をしている。
もっと農業生産に力を入れて、もっと豊かな生活を目指してはどうですかというと、その年に食べるだけの食料が収穫できればよいのだという。
隣村に行くのに谷底まで降りていかなくてはいけないので、橋をかけてあげましょうと提案したが断られたという。
欲がないのだ。ブータンの人は助け合って生きている。人々の目はみんな輝いている。
ブータンでは殺生をしてはいけないという教えがあります。虫を殺してはいけないのだそうです。

日本でいう野良犬も多いが、人間たちに溶け込んで、幸せそうに暮らしている。
一緒に行った僧侶の1人が、 「ブータンに行って思った事は、ブータンならハエに生まれ変わってもいいと思った」と言いました。
物質的にはとても貧しい国ですが、「世界で一番幸せな国」という意味がブータンに行くとなんとなくわかるような気がしたとその住職さんは言われました。

物質的に豊かなだけでは人間は幸せにはなれない。
それを過度に追い求めると、幸せが膨らんでいくのではなく、むしろ自死のほうに近づいていく。
心の豊かさとのバランスをとることが必要なのだと思いました。
今の日本では、物質的な欲望の追及はできるだけ抑制していくことが、バランスをとるために、今やるべきことなのではないかと感じた次第です。





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