森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.02.09
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カテゴリ: 物の性を尽くす
樹木希林さんのお話です。

私ね、自分の身体は自分のものだと考えていたんですよ。
とんでもない。これ、借りものなんだっていうふうに思えるようになってきました。
親から産んでもらったこの体をお借りしているんだ、と。
そこにね、私というなんだかよくわからない性格のものが入っているんだ、と。

ところが、その借りものをさあ、若い頃からずっとわがもの顔で使ってきたわけじゃない。
ちよっとぞんざいに扱いすぎたかなぁ。
今頃になって気づいてさ、「ごめんなさいねぇ」って謝っても、もう遅いわねぇっていう感じかな。

家や土地っていうのもさ、なんか自分で買ったんだから、自分のものだと思っちゃうじゃない。

・・・
突き詰めて考えてみれば、地球からお借りしているものなんだっていうふうに思ったの。
その時にスコーンとね、「これが欲しい」「あれが欲しい」っていうのがなくなっちった。
病気してからね、病気をして死に至ったと時にね、持っていかれないわけだから。
それでなんか腑に落ちた。物欲がね、スッとなくなっちゃいましたね。

これだけたくさんのガンを持ってると、「いつかは死ぬ」じゃなくて、「いつでも死ぬ」、という感覚なんですよ。それに関しては「あっ、ごくろうさま。お借りしていたものをお返しいたします」という感覚でいるからね、すごく楽なんですよね。
(この世を生き切る醍醐味 樹木希林 朝日新書 195ページより引用)

私もこの考え方を支持しています。
自分の身体の中に、私という魂というか、心というか、意識というかそういうものが入りこんでいるのではないか。もちろん証拠を見せろと言われたらお手上げです。
でもそういう仮説を持って生活をすることのメリットは大きいものがあります。
肉体が死を迎えたときに、魂が肉体から離脱して、元にいたところに帰っていくのではないか。


そう信じて生活するということは、自分の身体との向き合い方が変わってきます。
自分の身体は、レンターカー、賃貸住宅、市民菜園を借りているようなことになります。
あるいはリース契約をして、自動車、コピー機、パソコン、建設機械を借りているようなものです。
所有者は自分ではありません。自分は使用者という存在です。
乱暴に扱うと、傷がついたり、故障します。

反対に人様のものを一時的に預かり、利用させてもらっているのだと考えれば、傷をつけないように丁寧に扱うようになります。

自分の魂が身体を借りてこの世でやりたいことをやらせてもらっているのだと考えれば、自分の身体をいとおしむことにつながります。自然に感謝の気持ちが湧いてきます。
家庭菜園でいえば、お借りしたときよりも、より豊かな土壌に作り換えてお返しをしたとすると、貸した人は感謝すると思います。出来ればまたこの人に貸してあげたい。

人間の身体も同じです。病気をしないように、食事に気を配る。
酒を飲みすぎないようにする。ストレッチや運動を心がける。
笑いを心がける。規則正しい生活を心がけ、睡眠を十分にとる。
絶えずメンテナンスをして、身体も精神面も健康体を心がける。
そういう人には、条件の良いところでもっとその能力を開花させてあげたいと思うのではないでしょうか。そういう考え方をしていると、身の周りのものに感謝してあるものをできるだけ有効に活かしていきたいと思うようになります。





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Last updated  2024.06.04 10:29:46
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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