森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.02.29
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
​​先日の集談会で生活の発見会の会員になると毎月送付されてくる「SEIKATSUNO Hakken」(通称生活の発見誌)の体験記を読み合わせして感想を述べ合った。
なお調査の結果、神経症の体験記は好評でよく読まれていることが分かっている。

私は、1年に2回か3回は、理論学習の時間に体験発表を組み込むことを提案している。
すると、発表する人もそれを機会に自分を振り返ってみることができる。
このまとめは森田理論学習をしている人にとっては必要不可欠なものである。
発表後にみなさんの感想やアドバイスを聞くこともできる。
これも励みになるのである。
これを初心者のうちは1年に1回ぐらいは取り組んでもらいたいものだ。
きっと成長している自分を発見できるだろう。


しかし現実は喜んで体験発表する人がほとんどいない。
そこで次善の策として、発見誌に掲載されている「体験記」を読み合わせて、感想を述べ合うことをお勧めする。

今回取り上げた方は、神経症が悪化して、ひきこもりになった人だった。
その人が森田療法に出合い、森田の協力医の治療やカウンセリングを受けながら、集談会に参加して、立ち直りの過程がとても分かりやすく書かれていた。
今は介護の仕事をされて、集談会では世話活動もされている人だった。
ひきこもりの時期から比べると、雲泥の違いが見てとれた。

その人の言葉で印象に残っていることを紹介してみたい。
「戦線恐々としながらアルバイトを始めます。常に森田の考え方を意識しながら働きました。
そうすると 今まで欠点だったものが長所になっていく不思議な感覚におそわれました

「私が森田で学んだことは次のようなことでした。
臆病な人間は大胆な人間になる必要はない。慎重な人間になればよい。
仕事や作業に時間のかかる人は早い仕事をする必要はない。
丁寧な仕事をすればいい

これに対しての私の感想です。
この方は元々、ご自分の細かいことにとらわれていく神経質性格を毛嫌いしていたようだ。
ところが森田理論学習の中で、神経質性格には二面性があるということに気づかれた。
かっこよく言えば自覚を深められた。一種の悟りを得られたのです。

つまり、小さなことが気になるというのは、気苦労が絶えないという面が確かにあるが、感性が鋭いということでもある。普通の人が気がつかないこともどんどん気がつく。

芸術作品もより深く鑑賞できる貴重な性格です。
忌み嫌っていた性格の中に、何物にも代えがたい長所があることに気がついた。
これは生き方を変えるような発見だと思います。
自分はこの神経質性格のプラスの面を活かして、勝負していけばいいのではないか。
そうだ。この際短所は横において、自分の置かれた境遇の中で、長所や強み、自分の存在、自分の持っている能力に磨きをかけて生きていこうと決意を固められた。
それが上記の言葉になったのではないか。
この言葉は何気ない言葉ですが至言です。

森田理論学習をしていると、あるときハット悟りを得るときがあります。
それは他人から教えてもらったことではなく、自らつかみとったものです。
これが積み重なっていくのですから、森田理論学習は生涯学習になっていくのです。
何気ない日常生活の中で、小さな発見や気づきに素直に喜べるような習慣が定着してくると、神経症の苦しみはどんどんと遠のいていきます。
そして神経質性格に感謝することができるようになります。
そんな自分を生んでくれた両親に親しみを覚えるようになります。


​​





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Last updated  2020.02.29 06:20:04
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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