森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.04.23
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
森田全集第5巻の173ページに、「会社で人を採用する時など、神経質な人をとってはいけないといっている」とあります。

私が社員の採用の仕事をしていた時、「YG性格テスト」をするように言われた。
目的は消極的で意欲のない人、人間関係作りの苦手な人をふるい分けることだった。
そして明るく、積極的な人を選別することだった。
甲乙つけがたいとき、最後の決め手としてこの性格テストを参考にした。
つまり、神経質性格の人をふるい分けて、落とすためのテストだったともいえる。
そして、森田先生の言う発揚性気質の人を選び出す手段として利用していたのである。
当時も疑問に思っていたが、今では両方の性格者を均等に採用することが、長い目で見ると会社の存続性が高まると思っている。

ちなみに発揚性気質の人は、陽気で、愉快な人で、あっさりしていて、交際上手で、朗らかの人である。交際にも、気持ちよく、気のおけない人で、よく人の世話をやく人である。


一方、神経質性格は、自己内省的で何かにつけて、自分のことを観察批判して用心深く、石橋を叩いて渡るという風である。すべて理知的で感情を抑制することが強い。
したがって軽はずみではないがヒネクレである。
自己中心的で、他人に対して、情愛がうるわしくはないが、信頼をおくことができるという風である。(森田全集第5巻 365ページ)

私たちは森田理論学習によって、神経質性格には二面性があると学んだ。
その発揮の仕方で、短所が前面に出る時もある。
緻密でどんな小さいことでもよく気が付くという特徴を仕事に活かしていけば、どれほど会社に貢献するかわからない。さらに、分析力を活かして、将来のリスク回避を提案すれば、会社の発展にも寄与できる。

問題は、先入観と決めつけで、神経質性格は社会にとってはマイナス面が多く、そういう人とは付き合わないほうが無難であるという暗黙の了解があることだ。
それに影響を受けて神経質性格の人が、自分の性格は修正しなければいけない性格なのだと思っているとすれば、こちらのほうが問題である。

私たちは森田理論学習で、神経質性格の特徴について学んだ。
この学習のおかげで、神経質性格の見方は全く変わった。
マイナスにみえる性格の裏には、プラスの面が隠れており、そのプラス面を生活や仕事に活かしていけば、これほどはぐくみあいのある性格はない。

好奇心が強い。生の欲望が旺盛である。
自己内省性がある。責任感が強く粘り強い。

森田理論学習に取り組んでいなければ、自分の性格を忌み嫌っていたことだろう。
ないものねだりで、発揚性気質の性格に改造するのではなく、もともと持っている神経質性格のプラス面により一層磨きをかけて生きていくほうが有意義な生き方ができる。





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Last updated  2020.04.23 06:20:05
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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