森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.03.07
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
森田先生のお話です。

橋田東声君が「忙しい時に、かえって歌がよくできて、暇なときには、なかなかできない」といった事があるが、私共もその経験は明瞭に認めている。
かえってよくできるのではない。忙しいと時に当然にできるのである。
それは暇な時は心が緩み、忙しいときは精神が緊張するからである。
(森田全集第5巻 649ページ)

精神緊張状態にあるときに、優れた短歌や俳句が生まれるといわれている。
仕事、家事、育児の中で、気づきやアイデア、工夫や改善点をどんどん思いつく。
昆虫の触角が四方八方に向けられて、絶えず動き回っているような感じの時にすぐれた作品が生み出される。

生活の発見誌に毎年1月号で川柳を募集している。

日ごろから意識して川柳のネタを集めて作品作りに励んでおられるのだろう。
そういう人は普段から精神的余裕があり、しかも緊張感に満ちた生活をされておられるように感じている。なすべきことがきちんとなされていて、生活の中にちょっとした楽しみを見つけることが定着している。

川柳は常識とされていることと現実の乖離のなかに面白さがある。
それが面白いという感じる感性は、物そのものになりきる生活の中から生まれている。
それは普段の生活の中で、そういうものを見つけようというアンテナを張っているからこそ思いつくのである。日常生活や仕事の面が充実していることが想像できる。

よくダジャレをしゃべる人がいる。言葉遊びのようなものである。
たとえば、「その通りです」というところを、「醤油ことです」などという。
馬鹿にしたくなるような言葉を連発して、その場を盛り上げようとしている。
そういう方は、面白い事を思いついたら、それをネタにして、なんとか使えないものだろうかと考えている。他人にしょうもないことだと笑われながらも、収集と創作を続けている。
そういう人の意識は、絶えず外向きで、内向きにはなっていない。
一見馬鹿にされているように見えるが、そういう人の周りに人が集まってくる。


神経症の人で、日常会話の中でダジャレを連発し始めたら、神経症とは縁が切れたと思って間違いない。ダジャレ名人を目指すことでも、神経症は克服できるのです。
私の周りにはダジャレを連発する人がいますが、残念ながら神経質な人ではありません。

ぼんやりして、精神が弛緩状態にあるときは、いくら知恵を絞ろうとしても難しい。
そういう人に「もっと考えて行動しろ」「もっといい知恵を出せ」と言っても無理なのです。

問題解決に向けてのアイデアや発想も精神緊張状態の中で生まれる。

問題を抱えて解決策が思い浮かばないときに、仕方なく別のことをしていると、急に解決策が頭に受かんでくるということがあります。
これは精神緊張状態にあるときにはじめて可能となることです。

神経質性格は細かい小さなことが気になるということです。
普通の人が気づかないような事でも気づくというのが特徴です。
これをプラスとして認識し、さらに鍛えて精錬させることが大事になります。
そのためには、森田先生が言われるように、実践や行動力に留意して、精神を緊張状態にしておくことが最も効果があるということです。

誰でもマラソンをしているときは、腕を前後に振っています。
つまり足だけではなく、手も自然にテンポをとって前後に動いています。
精神活動も同じです。身体が動いている時に初めて活性化しているということです。
そういう状態の中で、私たちの小さなことが気になるという神経質性格は、自他ともに大いに活かすことができるということだと思います。





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Last updated  2021.03.07 06:33:56
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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