森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.03.25
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
青山学院大学陸上部監督の原晋さんのお話です。

天才は、10のうち4ぐらいまでは何も考えずにできてしまいます。
しかし、凡人は、その4まで到達するのが難しい。

天才が現役を引退して監督やコーチになる場合があります。
どうしても上から下目線で選手を見てしまう。
それは、自分が難なくできていたところで足踏みしている選手を見たとき、「どうしてできないのか」と思ってしまうのです。手を抜いているからできないのだと判断してしまう。
なげやりな態度で真剣に取り組んでいないから、記録が伸びないのだと判断してしまう。
つまり、選手の目線に立つことができない。「かくあるべし」が強く出てしまう。

これは何を意味するかというと、天才だった人は、苦労して能力を伸ばしたという経験がないので、1から4までを導くことができないのです。

現役時代名選手だった人は、元々能力が高く、そこを出発点として、さらに努力を積み重ねて栄光をつかみました。

そういう人が監督やコーチになる場合は、過去の栄光は一旦白紙に戻すことが必要です。
「自分についてこい。自分の指示に従っていると名選手になれる」という指導をしては、指導者としては失格です。その選手のレベルを見極めて、そのレベルを一段階押し上げるのだという姿勢が求められます。相手に寄り添った指導を心掛けることです。
元々高い技術や能力を持っているわけですから、後は相手の状態を見極めて、寄り添っていく指導を肝に銘じていけば、「名選手で、しかも名監督にもなれる」ということです。

選手として凡人だった人が、監督やコーチを引き受ける場合はどうすればよいのか。
原監督は次のように言われています。
私のような凡人監督は、虚勢を張らずに、1から教えられるかどうかを常に頭に入れておく必要があります。私も監督就任当時、虚勢を張っていました。
現役時代に、箱根駅伝やオリンピック出場という華やかな実績がなかったことでネガティブな気持ちがあり、焦りがあったのがその理由です。
自分を強く見せなければ、選手がついてこないのではないかと必要以上に目線を上げていました。大した実績もない自分を選手たちは信頼してくれないのではないか。
そもそも実績のない自分が監督をする資格があるのだろうかと不安になっていたのです。

監督やコーチになった人は、周りから、この人は監督やコーチの器であると認められたからこそその立場にいるのです。リーダーシップを発揮する人、経営者、指導者としての適性は、選手としての適性とは全く違います。その適正が感じられない人が監督になれるはずはありません。


まず目標設定能力がいります。目標達成に至る青写真を描ける人のことです。
またそれに向かって努力を惜しまない人。多くの選手たちをまとめ上げ統率できる能力。
自分のことは横において、相手の立場に立つことができる人。
選手の目線に立ち、もう一段階能力を引き上げるための指導力のある人。
他の部署との折衝能力のある人。協力者を集める能力のある人。などなど。


そこに胡坐をかくようだと、むしろ邪魔になる。
それよりは、計画立案能力、目標達成に向かっての燃えるような情熱、チームをまとめ上げる能力、人間関係、交渉力などが必要です。
原監督は選手としては無名であったが、中国電力で営業マンとしては抜群の成績をたたき出しておられました。
自分の得意な面を青学の陸上競技部の組織運営に活かされて成功されたされたものと思います。
選手時代は華やかな成績がなかったことが、むしろプラスになって作用したのではないでしょうか。人間はある面では、他人と比較して劣っていても、別の面では優れているところがあるのかもしれません。優れた点や自分の強みを早く見つけ出して、そこに焦点を当てて、磨き上げていくことが何よりも大事になります。
私たちの場合は、かけがいのない神経質性格の優れた面を再認識して、そこで勝負するという決意を固めて、実際に実行に移すことです。





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Last updated  2021.03.25 06:20:06
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