森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.12.27
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森田理論学習の中でよく出てくる特殊用語について辞書のようなものがあると役立ちます。思いつくままに、早速取り上げて調べてみました。
これを「よく出てくる森田の特殊用語」として、分からなくなった時に、振り返ってみてください。今日から4日間にわたりご紹介いたします。

精神交互作用 ・・・不安や恐怖は、注意を向けると感覚が強くなり、感覚が強くなると、ますます注意を向ける。このようにして益々不安や恐怖は強くなっていく。神経症は精神交互作用によって泥沼化してくるといわれている。
たとえば、寝ている時に壁時計の音が気になりだすと、益々不快感が強くなり、最終的には時計を止めてしまうことになる。

精神拮抗作用 ・・・欲望が発生すると、その欲望を制御するような感情も同時に湧き上がってくる。これは人間に元々備わっている心の働きとなっている。コインの裏腹の関係のようなものである。たとえば、人の称賛を得たいと思っている人は、同時にミスや失敗をして恥をかきたくないという気持ちも同時に湧き上がってくる。

手段の自己目的化 ・・・最初は目の前の課題や目標や生の欲望を目指していたが、途中で不安や恐怖などの障害物が出てきたので、それをなくすることが目的にすり替わり、本来の目的を見失ってしまうこと。

恐怖突入 ・・・恐ろしいと思っていることに対して、破れかぶれになって突進して行くことではありません。そんなことをすれば心身の破滅を招きかねません。
人間には誰しも、不安になる、気が進まない、おっくうで面倒だなどと気分本位になって、本来しなければいけないことを放り投げてしまうことがあります。
いくら気が進まなくても、本来なすべきことは、イヤイヤ、シブシブでも手を付けていきましょうということです。我慢して、行動する。凡事徹底のことです。

生の欲望
それに向かって努力していくのが人間本来の生き方ということになります。
神経症を克服した人は、最終的には生の欲望に向かって邁進していくことになります。

気分本位 ・・・人間は誰しも楽をしたい。しんどいことは避けたい。面倒なことはパスしたい。などという気持ちになって本来やらなければいけない事であっても、手を付けないで放置してしまうことがあります。不快な気分に振り回されて、なすべきことを回避してしまうと、後で後悔することが多くなります。

理知本位 ・・・人間には大脳が高度に発達しています。それを活用して、文化や文明が発展してきました。そのうち、頭の中で考えたことが、実際の事実よりも優先されるという本末転倒した考え方をするようになってきました。つまり「かくあるべし」を持って、自分や他人や自然をコントロールしたいと考えるようになったのです。森田理論では、事実よりも観念を優先する考え方が、神経症に陥る原因の一つとみています。

事実本位・事実唯真(じじつただしん)・事実に服従する ・・・気分本位でもない。理知本位でもない。森田理論は事実にしっかりと足場を築いた考え方や行動が一番大切であるといいます。
事実に立脚した生き方は、「かくあるべし」を押し付けないので、課題や目標に向かって前進していく出発点となります。葛藤や苦悩でのたうち回ることがなくなります。

思想の矛盾 ・・・頭で考えたことと(観念や思想)、実際に目の前に展開される出来事は一致しないことが多い。その時、事実、現状、現実を否定して、観念や思想でコントロールしようとすると、葛藤や苦悩でのた打ち回ることになります。神経症は思想の矛盾を抱えている人が陥りやすい。思想の矛盾に陥らないためには、事実本位の生き方を身につけることが大切になります。

かくあるべし ・・・事実に基づかない観念優先の考え方や行動を、自分や相手や自然に押し付ける態度のことです。「・・・しなければならない」「・・・してはならない」といったものです。対立を深めて喧嘩の原因になります。観念ですべてをコントロールしようとすると、葛藤や苦悩が強くなってきます。森田理論では「かくあるべし」を減少させて、事実に立脚した考え方や行動を目指していくことになります。

まだまだたくさんありますので、明日の投稿とさせていただきます。





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Last updated  2021.12.27 06:48:14
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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