森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.01.19
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アメリカでは子供が悪いことをすると家に閉じ込めてしまう。
外に出て自由に行動することを制限する。あるいは禁止する。
アメリカの子どもは、拘束されて、自由を失うことを苦痛に感じるという。

日本の場合は、逆に子供が悪いことをすると家から外に放り出してしまう。
勘当して孤立させてしまうのが最大のお仕置きになるのです。
面倒を見ない。無視する。世話をしない。援助しない。保護しない。
仲間として認めない。家族と認めない。
子供を見放してしまうのである。好き勝手にしなさい。
どうせ最後には泣きついてくることになるのだから。


この考え方は、子供の頃から骨身に焼き付いている。
子供の頃から極力自己主張を抑えて、人の顔色を気にしなから生きていくようになる。積極的、生産的、建設的、創造的な生き方よりも、良好な人間関係を築き上げることが唯一最大の目的になりやすい。

アメリカの社会は過酷です。基本的に相互扶助の考え方はない。
自分の生活は自分の責任で守るという自己責任の考え方です。
自由でなんでもありという社会は、落ちこぼれても誰も助けてくれません。
貧富の差が激しくなり、大勢の人は生きていくだけで精一杯になる。
先進国なのに日本のような手厚い健康保険制度はないのです。

日本では護送船団方式という相互扶助の考え方がありました。
社会から落ちこぼれそうな人がいたら、みんなで助け合って守っていくという考え方です。
自立することよりも、人間関係の輪を壊さないように配慮することが大切になる。
少々の不平不満はがまんする。反社会的な行動は絶対に許されない。


その結果日本人は対人恐怖症や社会不安障害を抱える人が多くなります。
仕事では良好な人間関係を築くことを最大の目標にするようになる。

自分の気持ち、意志、欲求を抑圧して、過度に他人を思いやる生き方はしんどいです。それは自分の本音や潜在意識を軽視・無視してしまうからだと思います。

対人関係で気を付けたいことはどんなことでしょうか。
森田では自己主張したいときは、まず相手の気持ちや意志を確認する必要があるといいます。そのうえで自分の気持や意思や欲求を相手に伝える。

その溝を埋めるために話し合い、妥協、譲り合いの気持が欠かせない。
相手に自分の「かくあるべし」を押し付けるのではなく、お互いがwin winの関係になれるように交渉していく。
これは面倒でしんどい作業となりますが、この作業を怠ると、人間関係はうまくいかなくなります。

次に森田の不即不離を応用することをお勧めしたい。
近づきすぎず、離れすぎない人間関係を築くことである。
イメージとしては、コップ一杯の人間関係を5つくらいというよりは、コップに少しだけの人間関係を30個くらい作るような気持ちを持つということです。

対人関係に問題を抱えている人はその距離の持ち方が逆になっている。
人間関係が悪くなると過度にかかわろうとしてしまう。
怒り、不平不満が発生するとすぐに態度に出す。
相手の気持ちを逆なでするようなことを平気で口にする。
不即不離ができるようになると、必要な時に、必要に応じて、必要なだけの付き合いができるようになります。

足摺岬灯台





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Last updated  2024.01.19 06:35:12
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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