森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.03.12
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悪役俳優だった蟹江敬三氏のお話です。

悪役というのは、見るからに恐ろしいというような演技はしない方がよい。
「俺は怖いんだぞ」というような人は、周りの人が最初から警戒する。
あらかじめ近づかないようにするとか逃げるから危害を加えられることが少ない。
はっきり言えばそんな人はたいして恐ろしくはないのです。

一番恐い人というのは、ちょっと見ただけでは危害を加える人かどうかが分からない人です。
そういう人でも、どこか目がイッているという特徴があるのですが、そこに気づかないこともあります。
普通の人に見える人に対しては、みんなある程度警戒心が薄らぎますでしょう。
油断をしている時に、突然暴れまくるとみんなびっくりしてパニックに陥る。


事実がわからないで疑心暗鬼になったときが一番怖いということだと思います。
たとえば、ひとりでさびしい山道を行くときに、不意に草むらの中に怪しい音が起こって驚き恐れたとする。
もし精神を緊張して、立ち止まり、その方に注目するときは、まもなく心が静まり、「幽霊だと思ったら、正体は枯れ尾花だったのか」ということにもなるが、もし驚きのままに、突然かけ出せば、無我夢中で、自分の足音に追っかけられて、平素の自分を失って、心も転倒してしまう。
(神経質の本態と療法 森田正馬 白揚社 32ページ)

森田では事実を正しく認識することが大切であるといわれます。
私は事実に注目することで、仕事が面白くなるという体験を持っている。
仕事はマンションの管理人である。基本ひとりでやる仕事である。

棟内の清掃や巡回の仕事をするときに、問題点や課題、改善点や改良点、楽しみや喜びを見つけ出そうと意識して取り組んでいるのです。
すると、いくらでも気になる点が見つけられるようになりました。

鳥の糞が落ちている。クモの巣が張っている。落ち葉が散乱している。
不法駐車している車がある。来客用駐車場に駐車している車に使用届がない。

面格子が汚れている。トイレが汚れている。
電球が切れている。玄関のガラスが汚れている。
掃除道具置き場が散らかっている。
子どもが泥だらけの靴で歩いたあとがある。
不要になった掲示物ある。ゴミ置き場が散乱している。


ルーティン作業が終わった後にこれらに取り組むようにしている。
自分で見つけた仕事は意欲的になれます。小さな達成感が味わえます。





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Last updated  2024.03.12 06:20:08
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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