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• 大手米銀に注目
バークシャー・ハサウェイ(BRK.A)のウォーレン・バフェット最高経営責任者(CEO)はバリュー株に目が利くことで知られている。バフェット氏が最近注目するのは米国の大手銀行だ。同社は2018年第3四半期だけで銀行銘柄に130億ドル以上を投じている。JPモルガン・チェース(JPM)に新規で40億ドルを投資し、バンク・オブ・アメリカ(BAC)には60億ドル近くを追加投資した。これで同社は上記2行に加え、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、U.S.バンコープ(USB)、ゴールドマン・サックス(GS)、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ(PNC)、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)と、10大米銀のうち7行の株を保有することになった。ちなみに残りの3行はシティグループ(C)、モルガン・スタンレー(MS)、そしてキャピタル・ワン・ファイナンシャル(COF)だ。
ウェルズ・ファーゴの銀行アナリスト、マイク・メイヨー氏は「当社は銀行銘柄をバリュー株とみているが、バフェット氏の投資はその裏付けとなるものだ。財務規律とリスク・コントロールの改善により、銀行銘柄は以前ほど景気に敏感に反応することはなくなり、底堅く利益を出せるようになっている」と述べる。同氏は、JPモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカの利益は今後4年間で50%あるいはそれ以上増加すると予想する。
だが、投資家はメイヨー氏やバフェット氏に賛同していない。世界経済への懸念や貸し出しの伸びが鈍化していることから、銀行銘柄は低調だ。銀行24銘柄からなるKBW銀行株指数(BKX)のパフォーマンスは年初来でマイナス8%となっている。ウェルズ・ファーゴとシティグループの株価は約15%安、ゴールドマン・サックスはダウ工業株30種平均(NYダウ)構成銘柄中で最低の25%安だ。
• 高い利益成長率と寛大な株主還元
一方、大手銀行の今年の利益成長率は約40%と予想される。株価が低調なことでバリュエーションは低下している。バークレイズのアナリスト、ジェーソン・ゴールドバーク氏がカバーする22行の予想株価収益率(PER)は、年初は12.6倍だったが現在では10.2倍だ。「バリュエーションは市場全体を下回り、投資家は堅調な利益の伸びと資本還元を享受できる。景気サイクルの終盤にあるとはいえ、終わりを意味しているわけではない」とゴールドバーグ氏は述べる。同氏は、銀行銘柄の2019年の1株当たり利益(EPS)の伸びを9%と予想する。
さらに、鈍化しているとはいえ貸し出しは1桁前半で成長を続けている。イールドカーブはフラット化、つまり長短金利差は縮小しているものの、銀行の利ざやはなお拡大している。また、サンフォード・C・バーンスタインのジョン・マクドナルド氏は、2019年6月までの12カ月間で、中堅・大手行が利益の100%を配当または自社株買いという形で株主に還元するとみる(2015年は60%)。
バークシャー・ハサウェイの金融銘柄へのエクスポージャーは、大手7行やそれよりも下位の銀行、さらに長年にわたる投資先のアメリカン・エキスプレス(AXP)を合わせると約850億ドルだ。これはバークシャー・ハサウェイの株式投資額2000億ドルの40%超にあたる(S&P500指数に占める金融銘柄の割合は14%)。年初から第3四半期までにバフェット氏と投資分野の腹心であるトッド・コームズ氏、テッド・ウェシュラー氏が株式に投じた額はネットで240億ドルに上っている(2017年の同時期は40億ドル)。
バークシャー・ハサウェイの今回の株式取得で最も注目すべき銘柄はJPモルガン・チェースだ。バフェット氏は同社のジェイミー・ダイモンCEOを長年支持しており、さらにコームズ氏は同行の取締役を務めている。バフェット氏は、個人としても同行の株を保有している。同行の株価は11月23日終値で106.65ドルと年初来ほぼ変わらずで、主要な銀行銘柄と比較するとパフォーマンスは良好だ。2018年の予想PERは11.5倍と同業他社の大半より高いが、市場全体の16倍よりは低い。配当利回りは3%。ゴールドバーグ氏はJPモルガン・チェースをオーバーウエートとし、目標株価を135ドルとする。
さらに同氏は大手銀行で唯一、有形純資産額を割り込む株価(61.75ドル)で取引されているシティグループもオーバーウエートとし、目標株価を93ドルとする。ゴールドマン・サックスの株価は189.1ドルと、1株当たり有形純資産額の186ドルをわずかに上回る。
本誌は最近の記事で、ブライアン・モイニハンCEOが率いるバンク・オブ・アメリカに好意的な見解を示した。バンク・オブ・アメリカは強固な預金基盤と国内にフォーカスした個人金融事業を有し、予想利益成長率は同業他社よりも高い。メイヨー氏は2022年のEPSを、今年の予想の2.55ドルから50%超増の4ドルと強気に見込む。株価は23日終値で26.97ドル、配当利回りは2%となっている。