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すでに金融緩和に動いている欧米よりも、いまだ追加策を講じていない日本の方が緩和の度合いが突出して強い――。量的緩和など非伝統的な緩和策の効果を政策金利の引き下げに置き換えて示す「影の金利」で比べると、そんな現状が浮かぶ。ある試算では日銀はマイナス7%台となり、欧米を大きく下回った。異次元緩和が長期化し、すでに追加緩和の余地が狭まっている日銀の実情が鮮明となっている。


「過去6年半をみてほしい」。日銀幹部は2013年3月の黒田東彦総裁就任以降、上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の購入を含めて異次元緩和策を続けてきた「実績」を強調する。米連邦準備理事会(FRB)は15年末から9回利上げし、欧州中央銀行(ECB)も18年末に量的緩和策を終え、いったんは正常化を探った。緩和一辺倒の日銀とは追加緩和への発射台が異なるというわけだ。

「量的緩和やマイナス金利政策に至るまで可能なことはすべて実施した」。国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストであるオリビエ・ブランシャール氏らは5月に発表した論文で、日本の金融政策は限界に達していると指摘した。根拠の一つが「影の金利(シャドーレート)」だ。

「影の金利」は緩和効果をすべて利下げに置き換えたらどうなるのかを示す指標の一種だ。量的緩和など非伝統的政策の効果も「利下げ」に換算する。いわば緩和の度合いを比べる物差しだ。

例えばニュージーランド準備銀行(中央銀行)のレオ・クリップナー氏は非伝統的な緩和策が3カ月~30年物の国債利回りに与える影響を分析し、日米欧の「影の金利」をはじいている。日本は9月末時点でマイナス7.7%と実際の政策金利のマイナス0.1%を大きく下回る。米国の1.6%(実際の政策金利は1.75~2%)や欧州のマイナス6.6%(同0%)と比べ、日本の緩和度合いは強い。

長期的にみても日本はリーマン・ショック後の09年以降、一貫してマイナス圏にある。米国は08年にマイナスに沈んだが、FRBの利上げ再開や保有資産の縮小で上昇。18年末に2.4%と政策金利(当時2.25~2.5%)の水準に戻った。欧州はECBが緩和の出口を探った17~18年に「影の金利」も上昇した。

クリップナー氏によると、非伝統的な緩和策の総合的な影響を反映するため、個別の施策が「影の金利」に与える影響を分解して示せないという。日本の場合、最大で新規発行額の約2倍に当たる年80兆円の国債の買い入れが欧米より「影の金利」を大きく押し下げる要因となっているとみられる。将来の政策金利を予想する取引から、超低金利政策を続ける期間の約束である先行き指針(フォワードガイダンス)の効果も加味している。

日銀はETFやREITなど幅広い資産を購入しており、クリップナー氏は「日本は『影の金利』の水準より緩和的な状態にある」と指摘する。







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最終更新日  2019年10月09日 12時37分34秒 コメントを書く


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