時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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December 8, 2006
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 今日紹介するのは、「デフレとバランスシート不況の経済学」(リチャード・クー :徳間書店)である。数年前、放送大学の面接授業のテキストか参考書に指定されていたので買った本である。

 現在は、それほど確かな実感は無いものの、景気が上昇を続けており、いざなぎ景気をも超えたと言われている。しかし、この本は、まだ、いわゆるバブル不況の真っ只中にあるときに、不況の原因と、その対策について、クー氏の主張を展開した本である。

 クー氏は、現在野村総合研究所のチーフエコノミストである。彼の理論は、一言で言えば、「バランスシート不況」に注目し、財政の重要性を強調するというものである。簡単に紹介してみよう。

・当時の日本の不況は、バブル崩壊による、企業などのバランスシートの毀損が原因である。(バランスシート不況)
・バランスシート不況の下では、企業は債務の最小化を目指した行動をとる。これは、個々の企業の行動としては正しいが、総体で見れば、総需要が減少するため、景気の低迷と資産価値の一層の減少の悪循環に繋がる。(合成の誤謬)
・このような状況下で、金融をいくら緩和しても、資金需要が発生しない。(流動性の罠)
・家計の貯蓄は、資金需要がないため、銀行に滞留する。(デフレギャップ)
・このデフレギャップを埋めるためには、財政政策が必要。

 クー氏の論理は、ネットなどで調べても、結構賛否が極端であり、かなり辛らつなことも書かれている一方、熱烈なファンもいるようである。私には、彼の論理は、非常に明快であり、当時の不況を的確に捉えているように見える。経済政策が適切に行われていれば、あのような長い不況はなかったのかもしれない。


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Last updated  December 8, 2006 07:00:45 AM
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