時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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March 30, 2007
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「ふるさともとめて はないちもんめ  もんめもんめ はないちもんめ 」

 有名な童歌の一節であるが、ここでいう花とは桜や菊などではなく、紅花のことであると言う。紅花とは、菊科の植物で、アザミに似た花を咲かせる。昔から、染料や口紅の原料として利用されてきた。藍に似ているからか、紅花染めの染料を「紅藍(くれない)」とも呼ぶらしい。山形県の県花にもなっている。

 この紅花をモチーフに織り込んだ浅見光彦シリーズの旅情ミステリーが 「『紅藍(くれない)の女(ひと)』殺人事件」 (内田康夫)である。

 新進ピアニストである三郷夕鶴(ゆずる)は、父・伴太郎の誕生会の日に、知らない男から、父親への伝言を渡される。そこには「はないちもんめ」という文字があるのみであった。夕鶴は、浅見光彦に会って「はないちもんめ」の意味を尋ねるが、伴太郎の友人で古美術商の甲戸天洞が死んだという知らせが入る。

 実は、伴太郎や天洞たちには、35年前に無実の罪で黒崎賀久男という男を刑務所に送ったという過去があった。過去の罪におびえる伴太郎たち。そして、次々に殺人が・・・最後に意外な結末があきらかになる。この作品、シリーズのなかでも、かなり面白い部類に入ると思う。

 しかし、この作品、題名は「『紅藍(くれない)の女(ひと)』殺人事件」であるが、別に「紅藍の女」と呼ばれる女性は殺されていない。夕鶴の母輝子が「紅藍の君」と呼ばれていたらしいが、作品の中ではほとんど存在感がなく、単にイメージだけでタイトルをつけたような気がする。

 今日は、この作品をテレビドラマにしたものがフジテレビ系列の金曜プレステージで放映される。この本も、最近買っって、「積読」状態にしていたのだが、放映されることをこの間知って、あわてて呼んでみたにである。それにしても、月曜日に、TBS系のテレビ局の月曜ゴールデンSPで「藍色回廊殺人事件」があったばかりである。「藍」対「紅藍」で対抗しているのかな。



「紅藍(くれない)の女(ひと)」殺人事件(内田康夫:徳間書店、講談社)




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Last updated  May 8, 2007 06:46:46 PM コメント(4) | コメントを書く
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