時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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April 11, 2008
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 先般紹介したコミック版が案外面白かったので、原作の小説版を買ってみた。 「精霊の守り人」

「バルサは今年三十。さして大柄ではないが、筋肉の引き締まった柔軟な身体つきをしている。長い油っけのない黒髪をうなじでたばね、化粧一つしていない顔は日に焼けて、すでに小じわが見える。」

 かなり異色のヒロインである。普通ヒロインは、見目麗しい美女と相場が決まっている。小じわのあるヒロインなんて始めてだ。(笑)しかし、読んでみると、そんなことは、まったく気にならないほど面白い。

 この作品は、壮大なサーガを織り成す「守り人」シリーズの第1巻に当たり、元々は児童文学として書かれたものらしい。それをまず、年長者向けの軽装版にし、更に大人向けの漢字が多い文庫版にしたということであるが、読んでいて、児童向けの物語と言う感覚はほとんどしない。

 少し内容について触れよう。舞台は、新ヨゴ皇国。用心棒を生業とする女短槍使いのバルサは、たまたま皇子チャグムを助けたことから、彼の母親であるヨゴ皇国の二の妃から、チャグムを守るように頼まれる。新ヨゴ皇国の建国者が倒したはずの水妖がチャグムに取り付いたために、父帝から命を狙われているというのだ。バルサはチャグムをつれて逃げるが、皇国の聖導師によって差し向けられた「狩人」たちが彼女らを追う。しかし、その建国物語には大きな誤りがあった。本当の脅威は別のところにあったのである。歴史とは、常に強者に都合が良いように伝えられるということであろうか。

 また、この物語は成長の物語でもある。ひ弱な皇子様だったチャグムは、バルサとの暮らしの中で大きく成長する。また、バルサ自身も、チャグムを鍛えることによって、かっての師の気持ちが理解できるようなる。

 ところで、バルサは、小じわはあるが(こだわるな!)、魅力的な女性ではあるようだ。その証拠に、彼女が小さい頃からの友人であるタンダはバルサのことを好きなようで、チャグムにからかわれているのが面白い。

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Last updated  June 5, 2010 06:58:55 PM コメント(10) | コメントを書く


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