時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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January 19, 2010
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○「天草の神兵」(高田崇史:講談社)



 しかし、「QEDシリーズ」や「毒草師シリーズ」の主人公と違うのは、甲斐が桑原崇や御名形史紋のような強烈な個性を持っていないというところだろう。

 何しろ、忍者の子孫ながら、ほとんど技が身に付いていない甲斐(ただし、誰かが危ない時に一時的に忍者の技が出ることがある)を筆頭に、彼と行動を共にしているのは、死んだふりの得意な中村貴湖という現役女子東大生の巫女さんと、大事なことはすぐ忘れるくせにつまらないことはよく覚えているという特技を持つ甲斐の高校の同級生の柏木竜之介、そして犬のほうろくといった面々だ。ちなみに、貴湖も竜之介も忍者の子孫だが、今書いたこと以外には特技は無いようである。時折貴湖あたりが蘊蓄を語るが、まだまだ、崇や史紋には及ばない。そして、どう見ても、一番活躍しているのはミニチュアブルテリアながら忍者犬のほうろくなのだ。

 今回甲斐たち一行は、失踪した早乙女諒司の手掛かりを求めて、熊本そして天草に飛ぶ。今回彼らが挑む謎は、天草で起こった児童養護施設ロザリオ園の延長殺害事件と天草四郎の謎。天草四郎の謎とは、なぜ四郎は長男なのに四郎と名付けられたかということとなぜ島原の乱では、原城に籠城していた人々を幕府軍が殲滅したのかということだ。

 作品中で明かされる、四郎の名前に隠されていた秘密には驚いた。

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Last updated  January 19, 2010 07:08:40 AM
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