時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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March 26, 2010
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「サルと人と森」 (石川啄木/山本玲子/鷲見春佳:森びとプロジェクト委員会)である。

 内容は、林の中に入り込んだ人間が、サルと議論をするというもの。人間の自慢を、サルがことごとくは言い負かしている。この童話と原文の「林中の譚」を併せて読むと色々な驚きがある。

 まず、原文の発表されたのは今から約100年前のことであるが、もう現代語訳でないと読みにくくなっているということ。原文は、確かに格調高い文体で書いてあり、読もうとして読めないこともないのだが、余り昔の文体に慣れてない人には、読むのはなかなか大変だろうと思う。

 この短い話の中には、自然を破壊してきた文明への過信、人間の奢りといったものに対する鋭い批判がある。これも原文が発表されたのが、まだ文明開化の熱もさめやらぬ明治40年であることを考えてみると、その先進性に驚く。

 「人間はすでに祖先を忘れ、自然にそむいている。ああ、人間ほど、この世にのろわれるものはないだろう。」

 サルの嘆きは、そのまま啄木の嘆きでもあったのだろう。 

○石川啄木関係の書籍(「サルと人と森」とは直接の関係はありません)



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Last updated  March 26, 2010 07:13:51 AM
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