時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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October 14, 2010
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「夏期限定トロピカルパフェ事件」 (米澤穂信:東京創元社)。「春期限定いちごタルト事件」に続くシリーズ第二弾だ。




 二人は、一緒に行動していることが多いが、恋愛関係にある訳ではない。二人ともその性格と頭が切れすぎるために、中学時代共にいろいろとあったようだ。そのため、小市民こそ理想だとして、共に小市民を目指す互恵関係にあると言う設定である。だから、学校の外で、ましてや夏休みに会うような必然性は全く無いはずなのに、なぜか、小鳩くんは、小山内さんに誘われて、<小山内スイーツ・セレクション・夏>につきあうことに。つまりは、二人で夏休みの間に甘いもの屋巡りをする訳だ。

「今年の夏の計画を完遂するには・・・・・・、どうしても、小鳩君みたいな人がいて欲しいの」

 ところが、実はここに、小山内さんが、大きな仕掛けを仕込んでいたのである。

 小鳩君は、前作で、友人の堂島健吾にこう言っている。

「ぼくが狐だったとたとえるなら、あれは昔、狼だったんだ。」

 しかしこの二人、狐と狼というよりは、息のあった夫婦狐のように見える。狼なら、智恵を使うよりは、もっと力技が出てきそそうなものだ。実は、小山内さんが、見かけによらず、カンフーの達人だと言うことなんていうことは全然ない。動作は素早いようだが、体はちっちゃくて、どう考えても肉体派ではないのだ。その分智恵の方はよく回り、ずる賢いといっても言いすぎではないだろう。そんな小山内さんは、まさに女狐といった表現がぴったりだと思うのだが(笑)。

 今回のお話は、小山内さんの女狐ぶりがいかんなく発揮されている。しかし、これにより、最後に二人の関係に大きな変化が生じて、後は次回作のお楽しみといった終わり方だ。いったい、この二人、本当に小市民になれるだろうか。


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Last updated  October 14, 2010 06:25:35 AM
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