時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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October 24, 2010
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 藤原祐の 「レジンキャストミルク」 (メディアワークス)。「アカイロ/ロマンス」のひとつ前のシリーズの第1巻に当たる。




 この作品世界では、虚軸(キャスト)と呼ばれる存在が、実軸(ランナ)と呼ばれるこの世界に入り込み、脅威的な力をふるう。虚軸とは、人の思いによって生まれた仮想世界、パラレルワールドである。本質的に不安定なもので、やがては崩壊して、実軸に吸収されてしまう。ところが、強い思いによって出来た虚軸は、この実世界のだれかに寄生もしくは強制することにより実軸への存在固定を行うのである。虚軸が寄生もしくは強制する実世界の誰かを固定剤(リターダ)と呼び、寄生型とは、虚軸と固定剤が一体となっているもので、共生型とは、虚軸と固定剤が別々の個体となっているものだ。そして、彼らもしくは彼女らは、何かしら欠落を抱えている。

 主人公の城島晶は、見かけは平凡な高校2年生。超美少女の従妹である城島硝子と二人暮らしである。実は、硝子は形式名(モデリング)を「全一(オールインワン)」と言う虚軸であり、晶は硝子の固定剤なのだが。彼らの通う高校には、他にも柿原里緒(形式名「有識分体(分裂病)」)、舞鶴蜜(形式名「壊れた万華鏡(ディレイドカレイド)」といったような虚軸たちがおり、彼女たちとともに、敵である虚軸、「無限回廊(エターナル・アイドル)」一味と戦うというのが基本的なストーリーだ。

 主人公の男子とそのパートナーの美少女が仲間の美少女達と敵方と戦うと言うのは、この後の作品の「アカイロ/ロマンス」の原型とも言える。前作の「ルナティック・ムーン」では、まだ仲間の美少女軍団といったものはなかった。また、この作品では敵方は男女半々といったところだが、「アカイロ/ロマンス」では敵方も美少女だけといったように進化?しており、前作とこの次の作品を繋いでいる作品としての性格が強いだろう。

 こちらも、他の作品同様、椋本夏夜のイラストがすばらしい。表紙は、城島硝子。虚軸で、感情が欠落しているという設定のため、しゃべり方が機械的なのだが、結構ツッコミがうまく、晶と夫婦漫才のような掛け合いをしたりしているところが何とも面白い。

 もう一人、魅力的な人物が舞鶴蜜。虚軸のため、敵意でしか自分の感情を表せないため、ツンデレではなくツンツンキャラという設定だが、敵と戦う時に、黒づくめのゴシックドレスに身を包んで戦う姿は、きっと、その筋のマニアを萌えさせるに違いない。


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Last updated  October 24, 2010 09:19:57 AM コメントを書く


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