2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
全6件 (6件中 1-6件目)
1

題名:「空中庭園」著者:角田光代発行:文春文庫頁数:281読みやすさ:3/5おすすめ度:3/5 「家族の中では何ごとも包み隠さず、秘密を作らない」というのがモットーの家族が、それぞれとてつもなく深い秘密を持っている、というほとんど崩壊した家族の、おかしくも悲しいストーリーでした。 東京の郊外にある「ダンチ」と呼ばれるニュータウン内での人間模様・家族模様がテーマです。ありがちな核家族の営みを描きながら、現代の淡々として薄っぺらい人間関係が、実は家族という社会の最小単位から始まっているのではないかという警鐘めいた意味合いも感じられました。 おもしろかったのは、登場人物一人一人が一人称になって、それぞれの立場でお互いをどう見ているのか、という描き方です。短編のようにタイトルが6編あり、主人公が6人いるって感じです。このような描き方をするには大変なエネルギーがいるんだろうなあ、と勝手に想像して感心してしまいました。 帯に”10月映画化”と書いてあったので、映画化されたらちょっと見に行ってみたいような気もしました。
2005年09月25日
コメント(8)

題名:「四月ばーか」著者:松久淳+田中渉発行:講談社文庫頁数:149読みやすさ:3/5おすすめ度:3/5 「天国の本屋」のコンビによる中編小説です。 個人的には、代表作「天国の本屋」シリーズとはひと味違う、肩の力が抜けてリラックスして書き下ろした感じがしました。 とはいえ、このコンビによる作品ですから、例によって主人公が別々にいて、関連性のないストーリーが絡み合っていく展開は、いわばお約束のようにバッチリ決まります。 内容的には、青春モノにありがちな、セックスを軸にした展開に頼っているような気がして、少しがっかりしたところもありましたが、全体として、現代を生きるおしゃれで個性的な若者達が織りなす生き様をいきいきと描いてあり、小説らしいドキドキするドラマもあり、と飽きのこない文章がちりばめてあるのが印象的でした。 本としては、150ページ程度と非常に短く、軽く読むのにいい感じでした。
2005年09月20日
コメント(3)

題名:「バッテリー」著者:あさのあつこ発行:角川文庫頁数:262読みやすさ:3/5おすすめ度:3/5 いまさらって感じもありますが、あさのあつこさんの渾身の一作目です。 児童書にもなっていて、子供たちの読者も多いのでしょうが、年齢を超えて読むことができる内容です。 野球をするために生まれてきたような少年(よく言えばひたむき、悪く言えばひとりよがりな自信家)が、引っ越し先で無二のキャッチャーに出会い、様々な体験をします。それに家族も絡んで、いろいろな心のキャッチボールが展開されます。 天才肌で、過剰なまでの自信家が抱える危なっかしさの部分をとてもうまく表現してあると思いました。スポーツものでありながら、努力とか協調といった精神論では終わらない非凡なストーリーが印象的です。 個人的には、特に主人公の弟青波くんの、かわいらしさの中にしっかりと潜んでいる芯の強さ・前向きさが心に残りました。 シリーズは続編がありますので、おいおい読んでみたいと思います。
2005年09月16日
コメント(2)

題名:「スティル・ライフ」著者:池澤夏樹発行:中公文庫頁数:212読みやすさ:3/5おすすめ度:3/5 池澤夏樹さんの中編二本立てです。 タイトルトラックの「スティル・ライフ」は、突然現れた友人(?)の存在を通して、自分の外にある世界と内なる世界とを交互に描く、どこか哲学的な内容でした。主な登場人物もシンプル(2人)ですが、劇的な過去や生活環境がありながら、どちらも淡々とした人生観を持っているところがおもしろいです。 2編目の「ヤー・チャイカ」は、不思議な父娘の生活に突然関与するロシア人と、自称ペットの恐竜の話などを織り交ぜながら展開する不思議なストーリーがキラキラしてきれいな物語でした。 読んだ後の余韻を感じる2編でした。
2005年09月13日
コメント(0)

題名:「月魚」著者:三浦しをん発行:角川文庫頁数:232読みやすさ:3/5おすすめ度:4/5 古本屋という、凡人の私にはちょっと馴染みのうすい業種が舞台でしたが、奥が深くていろいろと興味深い業界の様子がうかがい知れました。 老舗の古本屋の若き三代目と、「せどり屋」と呼ばれるいわばアウトロー的な古本業者の息子の微妙な友情をきめ細かく描いてあって、次々と展開を追うように読み進みました。子供の頃の決定的な事件に始まり、お互い古本屋として仕事をしている今に至るまで、立場の違いを超えて必要とし合う仲を絶妙に表現してありました。 途中、小説ならではの展開で、舞台演劇の題材にでもなるのではないか、というような劇的な場面もあり、なかなかおもしろかったです。 地味な感じと痛快さとが同居して、とてもきれいなストーリーに仕上げてありました。
2005年09月08日
コメント(2)

題名:「花火屋の大将」著者:丸谷才一発行:文春文庫頁数:257読みやすさ:2/5おすすめ度:3/5 丸谷才一さんの格調高いエッセイ集でした。 言葉づかひも古典風で、いささか読みにくいやうな気がいたしましたが、内容がインテリジェンスに富んでいるので、違和感を感じることは特にありませんでした。 17編のエッセイがパッケージされていますが、いずれの作品も凡人とは違って、変わった切り口からいろんな事柄を分析しています。その分析の背後にある膨大な知識とするどい観察力はすごいです。また、話がわき道に逸れていくのもしょっちゅうで、それがまたいい味を出しているんですね。 ユーモアもたっぷり含んではあるのですが、格調が高すぎて私のような低俗な輩が「プッ!」と笑うツボとはポイントが違うので、ちょっとしんどかった、ともいえます。
2005年09月06日
コメント(2)
全6件 (6件中 1-6件目)
1
![]()

