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題名:「プラナリア」著者:山本文緒発行:文春文庫頁数:283読みやすさ:3/5おすすめ度:3/5 山本文緒さんの短編5本が収録されています。 まあ、短編だからって事もないのでしょうが、どれもみな”起承転結”の”転”で終わっているんです。読んでいると「ふ~~ん、へーそうか!っって終わりかい!!」と突っ込んでしまいたくなりました。 確かに余韻がビ~~ンと残る感じで、そういった効果を意図して書かれたものだと思いますのでしかたなく納得しました。 タイトルのプラナリアは、主人公の女性が若くして乳ガンになり、手術成功後のやや屈折した心のありようを描く内容でした。”屈折した”とはいえ、この辺が著者が訴えたい本音の部分であり、特に女性の心の奥底にある独立心と依存心の葛藤のようなものを感じました。 男の私にはわかり得ない複雑な心模様ですが、女性が読んだらまた感じ方が違うのだと思います。ストレートに伝わるような気がしますが、わかりません。 他の4編も設定の違いこそあれ、女性の複雑な心模様を描きながら、突然ストーリーが終わって「はっ!」としてしまう流れが印象に残りました。
2005年10月31日
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題名:「青空のルーレット」著者:辻内智貴発行:光文社文庫頁数:262読みやすさ:4/5おすすめ度:4/5 辻内智貴さんの中編2本立てです。 タイトルトラック「青空のルーレット」は、ストーリーとしては勧善懲悪的なストレートな内容で、読んでいて素直に熱くなれる”さわやか感動編”でした。 それぞれの夢を叶えるために日々の仕事としてこなしている”高所窓硝子特殊清掃作業員”という、いわゆるビルの窓ふきさん達のお話です。それぞれが違う夢を持っていながら、同じ仕事場にいる人たちの人間模様や心意気に心を打たれます。 展開がストレートなのでややもすると先が読めてしまったりもするのですが、わかってても納得できる爽快感がとてもいい感じです。2時間スペシャルのドラマなんかにすると受けるんではないでしょうか。 もう一編の「多輝子ちゃん」は”純粋”な少女の成長過程のある部分をピックアップして描写したものです。他の登場人物も”純粋”がキーワードで、事がわかった大人的な社会と”純粋”な子供的な生き方との摩擦を浮き彫りにしてあり、考えさせられる内容でした。(第16回太宰治賞受賞作)
2005年10月25日
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題名:「美女と野球」著者:リリー・フランキー発行:河出文庫頁数:260読みやすさ:4/5おすすめ度:3/5 リリー・フランキーさんって実は男性で福岡県出身の日本人なんですね。本業はイラストレーターだそうですが、コラムニスト・エッセイストの他、音楽やったりプロデューサーやったり、とても多才な方のようです。(ってそんなことも知らんかったんか!と叱られそうですが...) 私と年代もほぼ同じということもありまして、ムフムフと感じ入るところが多かったです。 特に世間に対するまなざしがとっても斜めで、しかも正確に見ている、という点で波長がピッタリ合いました。(なんか変ですか?) 内容は雑誌等に連載したエッセイを一気にまとめたもので、全部で45編ありました。 一つ一つが短く簡潔なのでとても読みやすく、すぐに読めてしまいました。なんせ45編もあるので、ありとあらゆる話が飛び出してきますので、自分と重ね合わせたり、感心したり、なんじゃそれ、と思ったり、忙しい本ではありました。 それにしてもリリー・フランキーさんは私と同年代というのに人生経験が豊富ですね。ちょっとついて行けないようなところもありましたが、うらやましいほど刺激のある日常を送られている様子が感じられました。
2005年10月23日
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題名:「捨て犬を救う街」著者:渡辺眞子発行:角川文庫頁数:227読みやすさ:2/5おすすめ度:3/5 日本では人間の都合・わがままによって殺処分される犬や猫が、年間に53万頭(2000年現在)もいるらしいです。 捨てられたペットたちの保護や斡旋の先進地である欧米諸国、特にアメリカのサンフランシスコにあるSPCAといわれる豪華な施設の例などを挙げ、その重要性を力説してありました。 もちろん原因は「かわいい!」というだけで衝動買いしたペットを、飼いきれずに捨てたり、平気で保健所に引き取らせたりする人間にあるわけで、それに対する怒りも満ちあふれていました。さらに行政に対しても、もっと積極的な取り組みを促す内容の記述も多かったです。 私も犬を飼う一人として共感できる部分が多く、去勢・避妊手術の啓蒙や成犬の里親捜しなどの取り組みは、日本でももっともっと取り組む必要があると思います。殺処分されるペットが1頭でも少なくなって欲しいと思います。 具体的な提案や対策もいくつか挙げて、力強く説明されている部分もありましたが、日本の現状への嘆きと身勝手な人間達への怒りの部分が多く、ややくどい感じがしました。 これも取材を通して痛感されたことなのでしょうから、ある程度仕方ないのかもしれませんが...
2005年10月21日
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題名:「リレキショ」著者:中村航発行:河出文庫頁数:205読みやすさ:4/5おすすめ度:3/5 自分というものの所在がよくわからない。でもそんな状況を楽しんでさえいる。という都会のおとぎ話のような内容でした。 突然誰かの弟になる。なぜそうなったか、なんてことはさして重要ではなく、突然新しい自分が出来上がって、流されるように都会の生活を送っていきます。 しがらみだらけの生活を送っている身としては、こういった生活に羨ましさも覚えますが、ふと寂しさをのぞかせるような場面もあり、ちょっと複雑な気分にもなりました。 全体的には、なんとなく青っぽい後味が残る、微妙にさわやかな感じの内容でした。 中で登場する宅浪中の女の子が異彩を放って印象に残りました。
2005年10月11日
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題名:「麦ふみクーツェ」著者:いしいしんじ発行:新潮文庫頁数:493読みやすさ:2/5おすすめ度:4/5 海から恐竜が現れたり、空から無数のねずみが降ってきたり、強烈なキャラの登場人物によるでたらめな物語が次から次へと展開します。主人公もとびきり身体のでかい少年で、素数にこだわる数学研究者の父と厳格なティンパニー奏者である祖父と暮らしている、という奇妙な設定です。 そして主人公の心の中にいて、迷ったり落ち込んだりした時に必ずと言っていいほど登場する、足を踏みならしながら麦ふみをする”クーツェ”という人物(?)が物語にアクセントを与えています。 登場する人物達のキャラは憎めない人ばかりで、みんな一様に優しさがただよっています。おとぎ話のようで、頭の中に場面のイメージがいっぱい広がるような感じです。感動的な場面やハラハラするような展開に加え、全体を通して「愛」を感じる内容で、とてもほんわかとした気持ちになることができます。 ページ数が多いのと、通勤とかでこま切れに読むとストーリーのつながりがわからなくなることもあったりして、ちょっと時間がかかり、読むのに少し苦労をしました。
2005年10月08日
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朝晩はだいぶ涼しくなりました。お祭りシーズンも近づいてきました。さあ、新米を食べましょう!花はコスモスです。
2005年10月01日
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