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題名:「動物保護運動の虚像-その源流と真の狙い-」著者:梅崎義人発行:成山堂書店頁数:280読みやすさ:3/5おすすめ度:4/5 アングロサクソン人を頂点とした白人社会こそ最高のもととし、クジラをはじめとしたシンボリックな動物たちの「動物権」なるものを、有色人種の「人権」よりも上位に置いた「環境帝国主義」について書かれた貴重なレポートでした。 これら欧米を中心とする「環境帝国主義」は、科学的根拠よりも、巧みな演出と効果的なプレゼンテーションや裏技外交で、条約違反をものともせず、強大な力と財力で思い通りの成果を上げてきました。 その結果、日本の食文化や伝統技術、また野生動物たちと絶妙なバランスで共生をしてきた民族たちが、ことごとくそのアイデンティティーを失い、人心や社会そのものが荒れ果ててしまいました。 アリュ-シャン列島に住むアリュ-ト人の生活と密接に関係していたオットセイは保護(ハーレムを形成するオスの間引きができなくなった)したために逆に個体数が減少したといいます。 これら保護団体は調査されて明らかになった資源量や、捕獲量の科学的根拠とは無関係に、巧みなプレゼンテーションで世論を煽動して莫大な寄付を集め、目的達成のためにあらゆる行動に出ます。その根底には「環境」という切り口から有色人種社会の台頭を抑制しようとする大きな目的があるんですね。 オリンピックでのルール改正や判定の時や、一連の戦争報道の中でも、有色人種への差別行動について、常々感じることが多いので、本書の内容についても頷けるところが多かったように思います。 今度は保護団体のサイドから書かれた本も読んでみて、その主張の隔たりを考えてみようかと思います。
2006年01月28日
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題名:「ウランバーナの森」著者:奥田英朗発行:講談社文庫頁数:315読みやすさ:3/5おすすめ度:4/5 登場人物は、例えば「ジョンとケイコ」となっていますが、明らかに「ジョンとヨーコ」なのです。 ジョン・レノンが創作活動を休止し、子育てに専念する、いわゆる「主夫」生活をしていた頃の出来事を、できるだけありそうな事柄に近づけようとする想像と逆にありえないような神秘性を持たせながら、今は亡きスターの”失われた伝記”といえる内容でした。 主人公ジョンは、攻撃的な性格をむき出しに、どんなことにもとんがって様々な人を傷つけた過去を、トラウマのように引きずりながら生きていました。ある夏、なんと「便秘」に悩まされることになったジョンが、病院通いの道すがら、自分のトラウマに関係し、すでに死んだはずの人たちと次々に再会を果たし、心の平和を取り戻す、という奇妙なストーリーではありました。 ストーリーの展開は、前に読んだ”天国の本屋シリーズ”「天国の本屋」・「うつしいろのゆめ」・「恋火」のような、この世とあの世を行き来する幻想的な情景がキラキラと繰り広げられて、なんか不思議な世界にいるような感覚にもおちいりました。 巻末に「フィクション」を強調してあるのが印象的です。 作者のあとがきの中でも、ジョンの生涯を伝える著述(伝記)の中では最も情報が少なかった部分にスポットライトを当てた、というような内容もあり、ビートルズファンの間でも興味深い内容だと思います。 これでまたビートルズへの視点が増えたような気がしておもしろかったです。
2006年01月21日
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題名:「「正しい戦争」は本当にあるのか」著者:藤原帰一発行:rockin’on頁数:311読みやすさ:3/5おすすめ度:5/5 国際政治学者の藤原帰一氏に音楽雑誌ロッキンオンの渋谷陽一さんと鈴木あかねさんがインタビューをする形式で、現在の国際情勢について解説してある本です。特に「戦争」ということに対する見解、どうするべきかというヒントを、しゃべり言葉で比較的わかりやすく表現してあると感じました。 「戦争」って悪いことだ、という概念が、9.11以来、いや湾岸戦争以来どこか怪しくなっていることは確かだ、となんとなく感じています。ついに中東まで自衛隊が行ってしまえるような法律までできて・・・でも全体としてそれを表立ってみんな反対してる感じも無い。我々の中にどこか「正しい戦争」ってのはあるんじゃないか、っていう感覚があるのではないか、という疑問から本書はスタートしています。 かつては「絶対反戦」という立場と「現実としての戦争」という立場が両極で向き合っていましたが、今の状況はそう単純ではなくなってきています。 本文の中の言葉で、カバーの裏にも抜き書きしてあった「現実に向かうと戦争を肯定する、理想を唱えるとハト派になるってそんなバカなことじゃない。現実の分析っていうのは、目の前の現象をていねいに見て、どんな手が打てるのかを考えることです」という一節が、とても印象的でした。 武力ありきで平和を語ることも、ラブ&ピースだけを唱え続けることも、なんの解決にもならないんですね。 いろんな角度から、この手の本としてはとても整理された内容だと思いますが、やはり一度では消化しきれない気がしました。とても大事な内容を含んでいるので、もう一度読み返して、できるだけ消化したいです。 ところで、ロッキンオン社からは、音楽の話題に加えて、このような国際政治の話も盛り込んだ「SIGHT」という雑誌も発行されていて、時々読むのですが、とても興味深いです。また渋谷陽一さんは、私が高校生ぐらいにNHK-FMの番組を熱心に聞いていた頃のスターだったのでよく覚えています。
2006年01月19日
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題名:「おじさまの法則」著者:泉麻人発行:光文社文庫頁数:253読みやすさ:3/5おすすめ度:4/5 あ~~もうイヤになりますねえ~~! 泉麻人さんが雑誌「BRIO」で連載していたエッセイを文庫化したものですが、ご指摘の現象や、ふと頭をよぎる考えがいちいちグサグサ心に刺さります。 酒席で展開される健康診断ネタや、同じ”イベント”でも若い時と受け止め方がビミョーに変化している現実を突きつけられて、何度も「ドキッ!」とさせられました。 若い頃と同じような感覚でいるのだ、と自分に暗示をかけながら過ごしているのに、その暗示を少しずつポロポロと崩されていくような感じでした。 しかし、泉麻人さんぐらいになると、おじさまになってもけっこうかっこよさを残してますね。若い頃からそこそこハイソな生活をされていた形跡が伺われます。 とりあえず、40代の男子は必読です。
2006年01月14日
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題名:「世間のウソ」著者:日垣隆発行:新潮新書頁数:206読みやすさ:3/5おすすめ度:3/5 ジャーナリストの日垣隆さんが、日頃報じられるニュースの中にある”真実”を、変なフィルターをかけずに事実を事実として理解し、きちんと消化しましょう、という呼びかけをしている内容の本でした。 とかく視野が狭く、一つの方向に走る傾向にある日本人には耳が痛い内容かもしれません。 私はもともと疑り深く、世間をやや斜めに見る性格なので、とても共感する部分が多かったです。宝くじや鳥インフルエンザの話などは日頃私も感じていることなので、ちょっとうれしくなりました。(宝くじで一等当てるより、宝くじを買った帰りに交通事故に遭う確率の方が高いんですよ!) ホントに日垣さんがおっしゃるように、世間(メディア)が大騒ぎするニュースの中には、事件の重大性を無視した、取るに足らない内容のものも多いです。逆に「おいっ!もう終わりかいっ!」と突っ込みたくなるような重大ニュースもあるように思います。 戦前のような、報道の統制などはあってはならないことですが、報道に自由が保証された現代社会にも、権力者の都合や経済活動の都合により、様々な統制が行われているような気がします。 「自由」の裏には責任が伴います。報道する側はもちろんですが、それを見聞きする側にも、ちゃんとした真実を探る”眼”を身につけることが必要なんですね。
2006年01月09日
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題名:「なぜ起こる鉄道事故」著者:山之内秀一郎発行:朝日文庫頁数:330読みやすさ:2/5おすすめ度:4/5 昨年来、大きな鉄道事故が続けて発生しました。私も通勤をはじめ、日常的に鉄道を利用していることもあり、他人事とは思えません。犠牲者の方には心からお悔やみ申し上げます。 国鉄の安全管理の第一線におられた著者、山之内秀一郎さんの体験を交えた鉄道安全史のような感じの本でした。 鉄道というインフラが誕生して以来、国内外で起こった鉄道事故を紹介しながら、「安全の本質」というものを終始問いかけるような内容でした。 イギリスのスチーブンソンが開発した「ロケット号」がハスキッソン卿を轢いてしまう、という事故に始まって、鉄道の安全対策は事故とともに発達してきました。鉄道をはじめ、現在の交通インフラの安全性は、数多くの尊い犠牲の上に成り立っている、ということを痛感させられました。 そしてつい最近に、安全対策には比較的積極的であるといわれるJR東日本においても、山形県で痛ましい事故が起こってしまいました。 100%安全な乗り物なんてありません。不幸にも起こってしまった事故については、その原因を徹底的に追求し、次なる対策にとことん活かしてほしいと願うばかりです。 人間はどんなに気をつけていようとも必ずどこかで失敗するものです。それをリカバーするシステムやマシーンの絶え間ない発達がよりレベルの高い安全性を生むのだと思います。失敗者や組織の体質を責めることも重要かもしれませんが、大小問わず起こり続ける事故の分析と、その結果に基づく次なる対策こそが利用者の安全を担保するものだと思います。
2006年01月06日
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あけましておめでとうございます本年もよろしくお願いいたします今年は久しぶりに寒いお正月ですが、お正月らしくて良いと思います。花は福寿草です
2006年01月01日
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