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今日はお弁当が一人分だけだったので、なんとなく気が楽。朝の冷蔵庫を開けると冷気が足元に流れてくる。お弁当箱を出して、さて何を入れようかと思ったけれど、今日はもう、あるものを入れる日にした。冷凍庫を探したら、お弁当用の冷凍食品が、1個とか2個とか、中途半端な数でいくつも残っている。これは使ってしまおう。小さな袋を取り出して、レンジへ。「自然解凍OK」と書いてあるものまで、なぜかレンチンする。ああ、寝ぼけている…。ピーマンも切って、レンジに入れた。料理というほどのことはしていないけど、台所にはそれらしい匂いがしてくる。そういえば、子育てが忙しかった頃は、毎日こんなお弁当だったなあ。朝は時間がなくて、冷凍食品もよく使った。冷蔵庫や冷凍庫を覗いて、入れられそうなものを入れて、なんとかふたを閉める。あの頃は、それで精いっぱいだった。今こうして一人分のお弁当を詰めていると、なんだか懐かしい。冷凍庫の奥から、忘れられていた一個を発掘する感じも、昔とあまり変わらない。外では、もう人の気配がしている。車の音や、どこかで玄関を開ける音。季節が少しずつ進んで、朝の空気も変わってきた。お弁当箱のふたを閉める。300円には収まっていないと思うが、今日はこれでよし。昔もたぶん、こんなふうに「これでよし」と思っていた気がする。
2026.10.06
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今日のお弁当は、ハンバーグ。ロコモコ風!スーパーで買ってきた、ハム売り場の隣あたりに並んでいる真空パックのデミグラスソースハンバーグを、パックごとお湯で温める。あとは目玉焼きを焼いて、ハンバーグの上にのせる。赤と緑のピーマンは切って、レンジでチンしただけ。冷凍ストックしてあるウインナーも、ついでに入れておく。凍ったままだけど、お昼にはちゃんと溶けているので大丈夫。かなり手抜きのお弁当。でも、ハンバーグに目玉焼き、ウインナーまで入ると、なかなかのボリュームである。ピーマンもいるから、野菜も一応いる。なぜ今日のお弁当がこんな感じなのかというと、家族からのリクエスト。ハンバーグがいい、と。はいはい、と作る。こういう、手間のかからないものでも案外満足してもらえるらしい。助かる。朝は少し涼しくて、台所に立っていると、窓から入ってくる空気が気持ちいい。お湯が沸く音がして、卵を焼く匂いがして、電子レンジが鳴る。朝の台所は、たいしたことをしていなくても、それなりに忙しい。昔は、お弁当というと、何種類もおかずを作らなければいけないものだと思っていた。今は、食べる人が喜んで、作るほうも無理をしない。それくらいでいいのかもしれない。デミグラスソースの匂いを残したまま、家族が出かけていく。さて、私もそろそろ動こう。今日は月曜日。まだ少し眠い。
2026.10.05
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この頃、スーパーにいちじくが並ぶようになった。きれいにパックに入って、どれも行儀よく並んでいる。傷もなく、食べ頃です、という顔をしている。いちじくを見ると、子どもの頃を思い出す。近所に祖母の家があって、私は毎日のように遊びに行っていた。庭には、いちじくの木があった。祖母は、実がパンパンにふくらんで、皮がはち切れて、ぐあっと口を開けた怪物みたいになった頃に、もぎ取る。そんな状態の果実には、うじゃうじゃと蟻がたかっている。庭先の水道で、蟻をじゃぶじゃぶと洗い落として、何事もなかったかのように、そのまま食べる。今思えばワイルドだった。木で熟したいちじくは、とんでもなく甘かった。ただ甘い、というより、もう甘さが濃かった。ひと口かじると、果肉がとろ〜っとして、口の中いっぱいに甘さが広がる。砂糖を足したような甘さではなくて、いちじくそのものが、もう甘さになっているような。今のスーパーのいちじくを食べても、あの味にはなかなか出会わない。朝方の庭の少し湿った空気。蛇口から出る水の冷たさ。台所から流れてくる匂い。家の中には誰かがいて、庭では蟻がせっせと働いていた。あの頃は、それが普通だった。今はパックに入ったいちじくを、つぶさないように持って帰る。ずいぶんお行儀がよくなったものだ。この季節になると、祖母のいちじくを思い出す。あれは本当に、びっくりするくらい甘かった。
2026.10.04
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そう言えば、先日の彼岸に墓参りに行った。彼岸になると、ちゃんと彼岸花が咲く。 あんなに暑かったのに、日も短くなり、朝方の空気は少しひんやりしていた。墓地に着くと、土の匂いがした。 誰かが先に来ていたらしく、線香の煙が細く残っている。 水を汲む音がして、少し離れたところでは、誰かが草を取っていた。お彼岸だから、いつもより人の気配がある。 いろいろな家のお墓に花が手向けてある。 菊やリンドウ、名前のわからない花もある。 いつもの墓地より、少しだけ明るい。そういえば、春の彼岸には鳥の死骸があった。 墓地で見る鳥の死骸は、なかなかのホラーだった。秋の彼岸はどうだったかというと、 蝉の腹かな?というような、小さな欠片があるだけだった。春から秋へ。 鳥から蝉へ。季節はちゃんと巡っているらしい。そう言えば、彼岸花には毒があるらしい。 確かに、あの赤は少し毒々しい。 でも、魅力的な花だと思う。 墓地に咲いているのがよく似合う。私の実家は核家族だったので、墓も仏壇もなかった。 お盆や連休といえば、レジャーへ出かけることが多かった。嫁いだ先は、ずいぶん違った。仏壇があって、お盆には人が来て、彼岸には墓参りをする。 最初の頃は、何をどうしたらいいのかよくわからなかった。仏壇の前に何を供えるのか。 いつ墓へ行くのか。 お線香は何本だったか。そのたびに、なんとなく周りを見ながら覚えていった。いつの間にか、自分もお墓の草を取っている。 水をかけて、線香をあげて、家族をよろしくお願いします、と手を合わせている。お墓参りなのだから、祈願とかするのは違うのかもしれない。 でも、手を合わせると、ついお願いしてしまう。「どうか、これからも家族をよろしくお願いします」と。帰り道には、少し線香の匂いが服に残っていた。子供の頃は連休になると、海へ山へと繰り出していた。今は、墓参りをして帰る。途中で何かの死骸を見つけても、まあ、それも彼岸ということで。こういう静かな連休も、悪くない。むしろ私に合っていると思う。
2026.10.03
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今朝は、冷凍食品の「スパイシーチキン」を弁当に入れた。昨日、買い物に行ったときに見つけて、名前がなんとなく気になって買ってみたもの。レンジで温めて、ひとつ味見。……いうほど辛くない。どのあたりがスパイシーなのか、よくわからない。まあ、不味くもないので、いいことにする。朝の台所は、冷凍食品を温めた匂いがふわっとする。それからご飯の湯気。スパイシーチキンを弁当箱に詰め、その横に、作り置きしてあったナスとピーマンの揚げびたしをたっぷり入れる。これは作っておいてよかった。今朝の私が、昨日だか一昨日だかの私に「ありがとう」と言いたい。あとは隙間にプチトマトを二個ずつ。ご飯にはごま塩を振って、梅干しをひとつ。それらしく弁当箱が埋まったので、ふたを閉める。考えてみれば、今朝は料理らしい料理をしていない。昔は朝から何かしら台所仕事をしていたような気がするけれど、今はこういう日も普通にある。冷凍食品に助けてもらい、過去の自分が作った揚げびたしにも助けてもらう。人間、一人では生きていない。いや、大げさか…。ともあれ、今日のお弁当はこれでよし。朝から少し疲れているので、こういうのはありがたい。まあ、そんな日があってもいい。
2026.10.02
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今日はそぼろ弁当。ひき肉料理の翌日は、そぼろ弁当にすることが多い。生姜をきかせて甘辛くした肉そぼろは、朝からいい匂いがする。卵そぼろは、あえて味付けなし。卵をフワッフワに炒って、桜でんぶをのせる。それから、キュウリの皮を細く切ったもの。茶色、黄色、桃色、緑。鮮やかな四色弁当になった。こういう弁当を見ると、高校生の頃を思い出す。高校生の頃から、自分でお弁当を作っていた。朝の台所で、まだ眠い顔をしながら卵を焼いたり、ご飯を詰めたり。桜でんぶなんか入れると、急にかわいい弁当になるので、当時はちょっと得意だった。友だちとお弁当を見せ合うのも楽しかった。「今日そぼろだ!」「それ、おいしそう〜」そんなことを言いながら、アルミカップに入ったおかずを覗き込んだりして。今思えば、たいしたことではない。でも、ああいう時間は楽しかったなと思う。キュウリの本体は浅漬けにして、プチトマトも添える。昔より少し手を抜いているところもあるけれど、そぼろ弁当の四色だけは、昔のまま。朝の空気はまだ涼しく、台所には醤油と生姜の匂い。お弁当のふたを閉めながら、ずいぶん長いこと作ってきたなあと思った。 高校生だった自分と、今の自分。同じようなことをしているのが、少しおかしい。さて、今日も持っていこう。
2026.10.01
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