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2026.10.04
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カテゴリ: 日々のこと





きれいにパックに入って、どれも行儀よく並んでいる。

傷もなく、食べ頃です、という顔をしている。

いちじくを見ると、子どもの頃を思い出す。

近所に祖母の家があって、私は毎日のように遊びに行っていた。

庭には、いちじくの木があった。

祖母は、実がパンパンにふくらんで、皮がはち切れて、ぐあっと口を開けた怪物みたいになった頃に、もぎ取る。

そんな状態の果実には、うじゃうじゃと蟻がたかっている。

庭先の水道で、蟻をじゃぶじゃぶと洗い落として、何事もなかったかのように、そのまま食べる。

今思えばワイルドだった。

木で熟したいちじくは、とんでもなく甘かった。

ただ甘い、というより、もう甘さが濃かった。

ひと口かじると、果肉がとろ〜っとして、口の中いっぱいに甘さが広がる。

砂糖を足したような甘さではなくて、いちじくそのものが、もう甘さになっているような。

今のスーパーのいちじくを食べても、あの味にはなかなか出会わない。

朝方の庭の少し湿った空気。

蛇口から出る水の冷たさ。

台所から流れてくる匂い。

家の中には誰かがいて、庭では蟻がせっせと働いていた。

あの頃は、それが普通だった。

今はパックに入ったいちじくを、つぶさないように持って帰る。

ずいぶんお行儀がよくなったものだ。

この季節になると、祖母のいちじくを思い出す。

あれは本当に、びっくりするくらい甘かった。






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最終更新日  2026.10.04 07:00:07
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