しあわせのかたち

しあわせのかたち

2004/09/10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 一応出社しているのだが、まったく仕事する気が起きなくて困っている。



 曇天が続く東京の空を仰ぎ見ながら、ボンヤリといろいろ考えている。
 小学校のころイジメを避けてアメリカまで転校していったヤツのこと、今度企画されている新雑誌のこと、DVDドライブはやっぱりいらないんじゃないかな、そういや『シービスケット』のDVDが発売されたから見てみたい、腰の調子が悪いので今度整体にでも言ってみよう、初恋の人は元気だったろうか、そういや成城大学からTOTOに入ったと言っていたな、「頭がいい人が好き」と言っていた等々等々。

 最後のほうに考えたことは、現在にいたるまでの私のコンプレックスになっているのかもしれない。ああ、あの恋は切なかったなあ……。もうちょっと上手にできんかったもんだろうか(何をだ)。


 昨日の日記に出した小谷野敦の最新作に、 『すばらしき愚民社会』 がある。まだ最後まで読んでいないのだが、途中に「フロイトやユングは眉唾だ」なる記述があったりして、なかなかスリリングだ。

(しかしアレだね、この楽天広場では、アマゾンのページは文中リンクも禁止されているんだね。狭量というか根性が悪いというか……。レビューまで載っているのでアマゾンのほうをリンクしたいんだけどなあ)

 心理学という学術分野に対する不信感というのは根強くあって、そのトンデモ性は色々な人が指摘している。以前、精神科医に「心理学と精神医学というのはどう違うんですか?」と聞いたら「一緒にするな」とひどく怒られたこともある。確かに心理学は文系で、精神医学は理系だ。精神医学には薬学的知識が不可欠だが、「心理学の薬」というのは聞いたことがない。(週刊文春の『読むクスリ』とかを連想してしまう)

ジグムント・フロイト というオッサンの著作は学生のころ2冊ほど読んだ。もちろん「読んだって言えばカッコいいかな」と思って読んだわけだが(こんなんばっかで大変恐縮だが)、それなりに面白かった記憶がある。確か『夢判断』と『精神分析入門』だったと思う。中身はそうね、とにかくなんでも「その原因は性欲です」と答えちゃう感じだと思っておけば大過はない。

 もう北方謙三大先生の『試みの地平線』ばりに、なんでも回答は「抑圧された性欲です」。
「周りの人を殺しまくる夢を見ました」→「抑圧された性欲のせいです」
「夜、駅からの帰り道に誰かに狙われているような気がするのです」→「抑圧された性(ry」
「学友を信用できないんです」→「抑圧され(ry」

 少なくとも私にはそう読めて、さすがにこれは俺の頭が悪いせいだ、有名なフロイト先生がこんな単純でバカっぽいことしか言ってないわけがない、という確信のもと、同じ学部で心理学科の友人に「フロイトの著作を読んだが、“それ、性欲”としか書いてないような気がするんだけど……」と聞いたら、「それはお前の性欲が抑圧されているせいだ」と言われた。ははは。
 抑圧とはまったく無縁の、性欲全開の学生時代だったような気がするのだが。(恥の多い人生を送ってきマシタ)


 就職してしばらく経ってから、フロイトに関するいくつかの解説本を読む機会があり、さすがに毎日「性欲、性欲」と言っていたわけではないことを知る。フロイトの功績というのは、「人間は人間自身の精神世界の主人ではない」ということを発見したことにあるそうだ。

 どういうことかというと、「無意識の発見」なのである。
 精神科医だったフロイトは、毎日毎朝毎晩、ヒステリー患者と面と向かって対話していたらしい。すると、明らかに患者自身が体験したことなのに、ある特定の記憶だけ抜け落ちていたり、その患者自身に都合のいいように「体験談」の記憶が微妙に書き換えられていることに気付いたわけだ。


 そこで「ははあ……」とフロイト先生は気付くわけだ。

 人間の精神世界は「2つの無知」によって支えられているそうだ。
 ひとつは「(表層)意識の部屋」という小部屋以外に、「無意識(潜在意識)の部屋」というのが、人間の精神のなかにはある。その「もうひとつの別の部屋」の存在を、人間は気付いていない(むろん、その別の部屋にどんなものが入っているかも知らない)。

 もうひとつは、「意識の部屋」と「無意識の部屋」のあいだのドアには「番人」(確かフロイトは「ゲートキーパー」という単語を使っていたように記憶している)が立っていて、「この記憶は“意識の部屋”に入ってOK、こっちの記憶は入っちゃダメ」と、選択しているという。この番人の存在、そしてこの番人の選別基準について、人間は知らされていない。

 この「2つの無知の発見」により、フロイトは「構造主義の始祖のひとり」に数えられている。「構造主義」がどんなものかというのを説明するためには何万語費やしても足りないのでここでは置くが、とりあえず現代に流布している「学問」と名のつくもの、数学、物理学、工学、生物学といった自然科学から、政治学、社会学、文学、経済学といった社会科学まで、すべてにおいて影響を及ぼしている、と考えればいいだろう。




 なーんて言うことを、昼飯を食いながら考えていた。
『SAPIO』という右翼雑誌で小林よしのりが「沖縄について考える」というマンガを書いているそうだ。こちらも昼飯を食いながら読んでみたが、間違ったことは書いていないけれど、さして新しいことも書いていなかった。
 世界を知るにはその周縁を見るべし。誰が言ったんだっけなあ。

 探し物はまだ見つかっていないんだが、そんなことよか沖縄行きてえ……。

 全然関係ない話だが、知人に「お前の日記はネタにつまると説教臭くなる」と言われた。かなりショックなので、的を射た意見なのだろう。くそう。ソイツにだけは言われたくなかったのだが。





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Last updated  2004/09/10 08:08:26 PM


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