しあわせのかたち

しあわせのかたち

2006/05/16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 仕事が忙しくてレンタルビデオ屋に行けていない。


      ※

 ふとしたキッカケで古いメールの受信箱を読む。
 昔、ちょっと好きだった人からのメールを読んで、ほわんとした気分になった。

 メールをもらった当時は思い付かなかった、「こんな言葉を返せばよかった」というようなことが次々頭に浮かぶ。そこに書かれている文言が変わったわけではないのに、いま読むとまるで別の人からもらったように感じる文章もある。

 もらった当時は返事を返さず、なぜ俺は返事を書かなかったんだろう、と心底不思議に思うものもある。


 ロランバルトはこれを、『テクストの快楽』で解析した。
 難しげな哲学系サイトに出てくる「テクスト」という単語は、「テキスト」が訛ったものではない。テクスチャア(Texture)の略だ。「織り成されたもの」という意味である。


 テクストは「書き手が書く時、どう思って書いたか」よりも、むしろ「読み手が読む時、どう思いながら読んだか」というほうが重要だ、とバルトは言っている。
「読者の誕生は、作者の死をもって贖われなければならない」と、文学者風に書いた。


 私が久しぶりに読んだ、懐かしく古いメールを書いたあの人もきっと、いまこれを読み返せば「なんでこんなことを書いたんだろう」と思うはずだ。そういう意味で、このメールの送り主はもうどこにもいない。作者は死んだのである。


 どうしてバルトはこんなことを考えついたんだろう、と、ふと悩んだ。

 たぶんラブレターだな。
 読み返して赤面して思い付いたに違いない。

 探しものは見つかっていない。





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Last updated  2006/05/16 07:53:06 PM


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