しあわせのかたち

しあわせのかたち

2006/06/18
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 本日は日本対クロアチア戦です。


● 大石英司のブログ (とコメント欄)で、「医師は聖職か?」というようなやり取りがヒートアップしていてかなり面白い。おそらく本物の小児科医(他の医療分野より仕事がキツい)がコメント欄に登場し、 「私が気に入らないんだったらよその病院に行ってくれ」 というような発言をしている。

●医者には「応召義務」という法律があって、初診患者を断わることができない。いっぽう患者は「自分がかかる医者」を選ぶことができる。医療行為を「医者と患者の契約」だと考えると、これはかなり不均衡な状態だ。

●自由主義経済市場において、「売り手」(この場合は医者ね)が「買い手」(この場合は患者)を選ぶことはどこまで許されるのか? またその経済原則は医業(特に小児科や救急救命)にも当てはまるのか?

●もちろん医者には「医者を辞める自由」がある。その待遇、境遇が気に入らなければ医者を辞めればいい。ただコトはそう単純じゃなくて、医療業務の多くが3Kであることは最近広く知られているところであり、医者数が不足したり優秀な人材が医業に集まらなくなったら困るのは結局ユーザー(患者、っつかほとんど日本国民全員)だというね。

        ※



<「マタイによる福音書」第10章34~39節より以下引用開始>



 わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない。わたしよりも息子や娘を愛する者も、わたしにふさわしくない。また、自分の十字架を担ってわたしに従わない者は、わたしにふさわしくない。自分の命を得ようとする者は、それを失い、わたしのために命を失う者は、かえってそれを得るのである。

<引用終了>

 キリスト教が新興宗教だった頃の、キリストの言葉ですな。
 大変深みのあるお言葉です。

        ※

●西欧における「近代の発生」と宗教改革は切っても切れない関係にある。それまで「信仰」とは神父や教会からの教えを信じることであった。しかし宗教改革以降、人は自分で聖書を読み、自身の内面の神と対話するようになった。ここに「個人」の発生起源がある。

●例えばドイツ語の起源は、それまでラテン語(聖なる文字であり一部の人間にしか理解できないところに意味があった)でしか記されていなかった聖書を、ルターが当時ザクセン地方の方言であった言葉に訳したところにある。

●上記が言語の統一による近代国家の萠芽である。

        ※

●当たり前の話だが、前近代には、近代小説というものは存在しなかった。あったのは「詩」か、もしくは「物語」(戯曲含む)、あるいは「随筆」である。では「物語」(戯曲)と「近代小説」とはどう違うのか? ものすごく乱暴に言えば、ひとつの文節における長さが違う。

●中世以前、ひとりの主人公が(例えば『龍馬がゆく』だとか『大菩薩峠』のように)数百万字以上に渡って活躍し、成長(堕落)していく物語は存在しなかった。



●しかもさらに、「近代小説」の誕生には自己同一性と階級社会に強く関わるようだ。どうかかわるかは未考察。

●「じゃあ源氏物語とかはどうなんだ?」というご意見もあろうかと思われる。源氏物語を始めとした前近代の物語は、すべて章(源氏物語は帖)が細かく区切られていて、単章だけでも閲覧可能。つまり「ひとつの長い物語」というよりも「一章ずつの個別の物語の集積」と考えるのが妥当。

●どういうことかというと、中世以前の物語はだいたい「名画を集めた美術館」のようなものだと考えると理解が早い。名画はその一枚だけでも観賞可能。

●ちなみに聖書もそういう個々の章で独立可能な構成だ。

●例えば源氏物語だと『蛍』の帖とかね。絵画的で幻想的。「源氏物語」という一連の作品では存在しなくてもいいエピソードなのに、メチャクチャ美しい逸話。当時の長い「物語」とは、こうした美しかったりおかしかったりする「章」の集積なのだ


 蛍の光で御簾の向こうにふっと浮かび上がる美しい玉鬘。
 その蛍を見て(自分が兵部卿から見られている、とは気づかずに)玉鬘が手すさびに一句。

声はせで 身をのみ焦がす蛍こそ 言うより勝る 思ひなるらめ
(声を出さないで身を焦がしてばかりいる蛍のほうが、貴方様(兵部卿)のように声に出しておっしゃるより、もっと切ない思いなのでしょう)

 こ れ に 惚 れ な い 男 が い る か

 この時22歳と(当時としては)けっこうな年増だった玉鬘に、この一撃でバッチリ惚れる兵部卿。この日以降恋文を送りまくるが、結局フられる。

●なお中世文学上「玉鬘」とは女性の毛髪の美称辞。また、髪は勝手に伸びていくことから、「どうにもならない運命」なども指していた。源氏物語の作中、柏木などの二枚目からも思いを寄せられるが、突然さえないバツイチのオッサンである髭黒大将と結婚してしまう。数奇な運命を辿ったこの美しい女性に「玉鬘」と名づけた紫式部のセンスったらもう!

         ※

●今日の日記はだいぶ脈絡がない。

●まあいいか。探しものは見つかっていない。





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Last updated  2006/06/18 05:26:13 PM


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