音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2026年07月22日
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カテゴリ: クラシック音楽
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イブラギモヴァとティベルギアンによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集第1集を聴く。
イブラギモヴァは2009~2010年にティベルギアンとウィグモア・ホールでのライヴ録音による全集をリリースしている(未聴)。
その時はモダン・ピアノによる録音で、今回はそれから15年ほどを経た再録音である。

音楽的な方向性は旧録音と変わらず、さらに成熟した演奏になっているようだ。
一聴して感じるのは、ヴァイオリンがさらさらと流れ、ことさら力みを感じさせないことである。
従来のベートーヴェン演奏では、ときおり作品の中に剛直さが顔をのぞかせ、それがベートーヴェンらしさとして受け取られてきたように思う。
しかし、ここで聴かれる音楽からは、青年期の溌剌とした明るさやユーモアが随所に感じられ、作品が書かれた時代に即したアプローチに思えた。

参考までに聴いたクレーメル=アルゲリッチ盤やファウスト=メルニコフ盤でも、従来のイメージ通りの演奏だった。


今回のアルバムでは、フォルテピアノがいわゆる「フォルテピアノらしさ」を過度に主張せず、歯切れがよく反応も鋭敏で、モダン・ピアノに近い印象を受ける。
これは18世紀末から19世紀初頭の楽器をモデルとした復元楽器の改良や、録音技術の進歩によるところも大きいのだろう。
また、イブラギモヴァが前面に出てこない一方で、フォルテピアノの存在感はかなり強く感じられる。
そのため、両者の関係はヴァイオリン主導ではなく、対等な室内楽として成立しているように思う。

緩徐楽章でもフォルテピアノの活躍が目立ち、とりわけ第3番第2楽章の深い表現には感銘を受けた。
第2番第2楽章のしっとりとした表情も印象的である。
速い楽章では、両者の活気あふれる表現とアンサンブルの喜びが存分に伝わってくる。

《春》ソナタも、後年の英雄的ベートーヴェンの予兆としてではなく、青年の明るく屈託のない笑顔を思わせる演奏で、作品のみずみずしさがよく表れていた。

アルバム全体では、第3番が最も充実した演奏だった。

この路線が初期作品の性格によるものなのか、それとも全集全体を貫く解釈なのかは、今後の続編によって明らかになるだろう。

録音はバランスに優れた自然なサウンドで、終始快適に聴くことができる。

Alina Ibragimova,Cedric Tiberghien Ludwig van Beethoven: The Violin Sonatas I



1.ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 Op.12-1(1797–98)
2. ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 Op.12-3(1797–98)
3. ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.12-2(1797–98)
4. ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 Op.24《春》(1800–01)

Alina Ibragimova – violin(1570 Andrea Amati)


Recorded 21–25 July 2025,Wyastone Concert Hall, Monmouth, UK





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Last updated  2026年07月22日 13時50分21秒 コメントを書く
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