どん底生活からよみがえり

先代の出雲大社広島分祠長にお礼に伺った。
　精神病院でお世話になっている主治医について相談した。
　分祠長はこの主治医で大丈夫と回答があったので安心した。これからは自分の人生を歩みなさい。
　６０歳になった時には後進の指導に当たれるように人格を磨き修行を積みなさいとアドバイスがあった。これが私に対する遺言となった。

　小学生の時から東洋医学に興味があり、畑で薬草を育てるのが夢であった。
　ボタニカルアートの塗り絵を入院中にしていたが、ボタニカルは薬草なので私は果樹園と畑で薬草を育て、デッサンと色塗りをしたいと思っている。
　高知県の牧野植物園を設計士に紹介されて訪問したが感動した。
　入院中に牧野植物博士について NHK の朝の連続テレビで放映されたことで、ボタニカルアートが流行したようである。

姉がピアノ教室を経営しているが、私が退院１か月前にピアノ講師を雇っていた。
　美人で演奏もそこそこで元中学校の音楽の教員だということで採用したようだ。
　退院してピアノ発表会を手伝ってほしいと姉から依頼があり、発表会が終わって約４５年ぶりにこの講師にピアノを習うことになる。

　主治医はピアノは指先を使うので、頭の活性化と適度な疲労で睡眠障害に良いと言ってくれた。
　主治医の好きな曲はショパンの革命だそうである。
　革命という作曲をしたポーランドでの歴史的背景について教えてくれた。
　私はショパンと同じ４種、８種体癖であるため、この革命という曲を今後弾いてみたいと思っている。

　ピアノは機械的なバイエルが嫌いで小学校２年生で習うのを辞めたが、またスピードバイエル２から始まった。
　実家のリフォーム中は夏場の作業でぐったりしていたので、ピアノの練習はレッスン前の１時間しかしていなかったので、スピードバイエル２と副教材をゆっくりペースで進んでいた。
　講師は元教員なので、理路整然と分かりやすく教えてくれた。
　物語のように説明する語彙力は流石１種体癖の講師だった。
　教員は読書好きで研究熱心な１種体癖が多い。指導方法も研究されたようだ。

　令和６年の元旦に能登半島で大地震があったことから、ベートーヴェンの月光ソナタ第１楽章を練習することにした。
　被災地に癒しのエネルギーを注ぎたいと思ったためである。
　４種体癖の私はカウンセラーの気質があるので当然そうなる。
　姉は今のレベルでは無謀だと言っていたがユーチューブで勉強を始めた。
　講師は最適な選曲で、アプライトピアノなのにグランドピアノのような音色で感動したとお褒めの言葉を頂戴した。
　スピードバイエル２はもういらないからと告げられ、譜面にいろいろと書き込みされ、講師のアドバイスを飲み込むのが精いっぱいだった。

　実家の修繕で私といっしょに作業をしている大工職人も私の音色を聞き、釣り漁師のラ・カンパネラの演奏と同じだねと驚かれた。
　釣り漁師はフジコフェミングさんに憧れてラ・カンパネラという難曲に挑戦されたようである。私は小さな頃からショパンの曲に惹かれて、小学校２年生でピアノレッスンを辞めた後も、子犬のワルツや幻想即興曲等を勝手に弾いていたが、７種、８種体癖は耳が良いのでミュージシャンに多いが、私は８種体癖のためか譜面があまり読めなくても耳で音色を覚えて弾いてしまう悪い癖がついていたために、大人のピアノレッスンの再開には苦労した。

　譜面のフェルマーターとリピートを逆に覚えていたり、「ド」の位置は覚えていたためそこから数えてド・レ・ミ・・・と譜面を読むために時間が掛かった。やはり基礎から学びなおさないといけないと反省した。

　大人になり東洋医学の講師から体癖の勉強をしてから、私がショパンと同じ４種、８種体癖と知り、幼き頃からショパンの曲に惹かれる理由が分かった。

　ベートーヴェンは１種、５種体癖で母と同じ体癖だったため、ベートーヴェンまみれというイベントに参加し、生い立ちから作曲の意図を学んだ。
　５種体癖は旅行好きなのに、難聴で引きこもりだったベートーヴェンが気の毒だった。
　昔の音楽家は貴族から金銭的な援助を受けていたので、貴族に対して敬意を払って望んでいたが、ベートーヴェンだけは１種体癖なので貴族に苦言を呈し、意に反することは出来ないので気難しい性格で顔に現れていると感じた。
　講師に作曲の歴史的背景を質問したが、回答がなかった。弾き合い会で「月光の第１楽章」を発表できた。

　私はひろしま国体の時期の採用試験だったが、国体選手が優先的に採用されたような気がする。
　国体選手は選手として優秀なのだが、自分の技術力向上に費やす時間が多いため、指導者としての勉強を確保する時間が少ないし、また出来ない生徒の気持ちが分からないと思う。名監督は有名な選手でないことが多い。

　学校の先生は１種体癖が多いためか、一般企業に勤めるのが難しい人がいることが分かった。
　学校の先生は授業中は生徒との関りだけなので自己流を発揮できるかもしれないが、トップの指示に従うという感覚が疎い傾向にあるかもしれない。
　教員は１種、２種体癖の人が向いているのだが、１種体癖の特徴は理路整然と分かりやすく解説でき研究熱心であるが、自分の意に反することは出来ないタイプが多い。

　私は教員になる前にある中学校のキャンプ実習の手伝いに行ったことがあるが、校長と教員の間で確執があることを知った。
　これは学校現場なら通用するが、一般社会では社員はトップの意見に逆らうと退職せざるを得ないのが普通である。

　今は総合学習の授業のため、教員は講師を一般社会人に依頼することが増えてきている。
　一般社会人は教育の専門家でないので、視察や体験学習に来る生徒への指導が苦手なことがあると思う。
　教員が学校現場で生徒と関わるだけではなく、授業のない夏休みの時期や長期の研修として、私のように公的施設のサービス業に従事する期間があっても良いと思う。
　幼児から高齢者に至るまで幅広い年齢層と関り、様々な組織団体と連携を組んでイベントを企画運営していく中で、チームワークの大切さを学び、またその縁で人脈づくりもできると思う。

　教員は浅く広く優秀な講師の技術を学び、生徒への橋渡し役としてのコーディネーター的存在であって欲しい。
　双方にとって一石二鳥だと感じる。学校現場は閉鎖的になりがちだが、一般社会とのネットワーク網を広げ、助け合いの精神で連携を密に取ることで知恵を共有し、お互いにフォローし合える環境が整うと思われる。

また、私は先代の出雲大社広島分祠長から姉のピアノ教室の保護者の子育ての悩み相談にも応じた方が良いし、もっと表に出て活動しなさいと言われた。
　子どもの背筋が曲がっているからまっすぐになるように補正することも勧められた。
   私は子どもがいないので子育て相談はできないと回答したが、分祠長は私なら保護者へ子育て相談ができると断言した。