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今日(日曜)も、子供の部活です 早朝から試合場所まで送って行かなくてはいけません・・・6時前に家を出るんだけど、日曜の早朝なんて起きられるかどうか心配で眠れません・・・さっきまで、「朝まで必殺・仕事人」を観てました。しかし、子供の部活がこんな事になるなんて思いもしませんでしたぁ~ 私も頑張るので、長女にも頑張って欲しいモノです というわけで、6月の書籍代です。10冊 4,355円今月の大当たり 今月の当たり
2007.06.30
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『痴人の愛』『春琴抄』『卍』『鍵』。谷崎の描く男はいつも、女に徹底的に翻弄されます。その女が皆「魔性の女」。美しい姿態と自由奔放な性格に魅了され、破滅さえもいとわぬ男たち。それは美しきものに執着し続けた谷崎の分身でもあるのでしょう。濃厚で妖艶な愛の世界。あなたもきっとその虜に。わかりやすい評伝・名作の要約・音読したい名場面・人気作家のエッセイなど、文豪の新しい魅力が発見できる画期的なシリーズ!全7冊。 <感想> ★★★★☆人に歴史ありといいますが、その人の読書にも歴史のようなものがあります。高踏派(漱石、鴎外)から近代文学を経て、海外の古典。 それらの基礎を踏まえた上で現代文学。 さらに隠された名作へ至るという読書家コース。 一方で、ジュニア小説(講談社コバルト文庫あたり)やストーリー性の高い少女コミック経て現代文学へ至る方。 私のように翻訳ミステリーや国産ミステリーを経て現代文学へ至る場合もあります。前者と後者の最大の違いは近代文学を経由しているか否かで、人並みに本は読んでいるけど、実は『坊ちゃん』も『我輩は猫である』も読んでいない後者の私は活字中毒者コースではないかと思います。 「きたあかりさんは読書家ですなぁ~」などと言われることがありますが、近代文学をスルーしている身としてはタイヘン心苦しいというのがホンネです。さて、すげぇ~前置きが長くなりましたが、本書を含めた文豪ナビシリーズは、そんな活字中毒者のための近代文学ムック本です。 作家の評伝、作品別の早分かりナビ、代表作品の要約。 恐らく谷崎潤一郎ファンにとって知識の上塗り程度だと思いますが、谷崎作品未読という読者にとっては読むきっかけになります。 しかし、短い要約で作家の魅力をみつけるのは、ある程度の運動神経のようなものが求められるような気がします。 あとはなんと言っても現代作家によるエッセイです。 本書では桐野夏生さんと本上まなみさんが担当しています。 このお二人に薦められたら読まないわけにはいきません。読書経験のスキマを埋めたいとお考えの方にオススメいたします♪
2007.06.30
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一九五〇年七月一日、「国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み ――ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中するにいたった悲劇…。31歳の鬼才三島が全青春の決算として告白体の名文に綴った不朽の金字塔。<感想> ★★★★☆大半の方はご存知だと思いますが、本書は昭和25年に発生した金閣寺放火事件について書かれたものです。 なんで坊さんが寺を燃やすんだぁ~?という素朴な疑問を長年抱き続けた私は本書の存在を知ってはいましたが、美しい日本語を操る世界のミシマは、事件については観念的にしか語っていないだろうと思い込んで手に取ることをしませんでした。 しかし、贅肉をそぎ落とした告白体の文章に冒頭からイッキに引き込まれてしまいました。 自意識の強い「私」が無意識のうちに木の上に登らされて、そこに建てかけられていたであろう梯子を一つ一つ外されていく過程はスリリングで、日本語の美しい純文学というよりは、やたら心理描写の巧いサスペンスという言い方の方が相応しいような気がします。 ヤリたい盛り(しかも童貞・汗)なのに女性とコトに及ぼうとすると金閣寺が・・というあたりは観念的すぎるきらいがありますが、やっぱ寺を燃やすしかねぇぜ!と読むものを納得させるチカラは、さすが世界のミシマだなぁ~とカンシンしてしまいました。 ちなみにこの事件に関しては水上勉も『金閣炎上』という作品書いています。未読なので、さっそくチェックを入れてみます♪
2007.06.28
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今月の給与明細を見て、地方税の負担増(税源移譲で所得税は少なくなっているらしい・・・・・)に恐れオノノキましたが、夏のボーナスが手つかずなので、久しぶりにフツーの本屋さんに行きました。もちろん、リッチな時に向かうのは文芸書コーナーの平積み台。新刊本が溢れるそこは、読書バカの桃源郷と言っても過言ではありません。 しかし・・・平積み台を占拠しているのは、いわゆるケータイ小説ばかり・・・・読んでないので一概に否定するつもりはありませんが、カタカナやローマ字3文字の作家の書く作品にはイマイチ手が伸びません。まぁ~売れるんだろうケド、ちょいと淋しいキモチになりました。というわけで今日のお買い物♪ 『八日目の蝉』を探していますが、楽天もア○ゾンも売り切れ・・もちろん本屋さんにもないので、仕方なく最新刊を買いました。『ロック母』は真っ黒な装丁で目立ちます。リンク先の方が紹介されていた「文豪ナビシリーズ」です。他に、谷崎潤一郎、太宰治、夏目漱石、川端康成、三島由紀夫、山本周五郎が出ています。 桐野夏生さんの新作です♪山本文緒さんのエッセイ集。 かなり笑えます♪ ゼンゼン関係ありませんが、サントリー金麦のCM檀れいさんの演じる清楚な奥様に悩殺状態です スクリーンセーバーをDLしちまいました。
2007.06.26
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久しぶりの土日連休です 忙しかった仕事も一段落ついたので、これからは土日も休めそうです 深夜更新で、なかなかみなさんのところにうかがえませんでしたが、これからはマメにうかがいますぅ~ ここしばらく気になっているのが、ソフトバンク・モバイルのCM。上戸彩さんが出ているやつです。お兄さんがアフロアメリカンで、お父さんが犬という設定です。どう考えても無理な設定なんだけど、それを現実として受け入れている娘とお母さんに川上弘美ワールドを感じるのは私だけでしょうか?声が掛布バージョンもサイコーに笑えます 今読んでいる本は↓今さらながら、三島由紀夫に初チャレンジですが、やっぱスゲェ~作家なのかも・・・
2007.06.24
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ブンガクなんかコワくない。この二人にかかれば、小説はここまで面白くなる。恋愛、コンプレックス、勝敗、ロマンなどなど、文学の真髄?にかかわるテーマを聞いちゃいけないところまで聞き出した全9章。純文学のNo.1ホープから重鎖SM作家まで、時代の先端を走る作家たちが続々登場。書評の達人、児玉清さんとの対談コラムもついて読書の押さえもキッチリ。平成の新文学入門。<感想> ★★★★☆STV(札幌テレビ放送)で製作されて、関東ローカルでは平日の深夜に放送していた「爆笑問題のススメ」の書籍版です。 司会は爆笑問題の二人と眞鍋かをりさん。 旬な作家さんがゲスト出演する対談番組でした。 太田光さんに関しては以前、J・アーヴィングとの対談を読んでいてかなりの書評家というイメージがあったので、もうちょっと作家に突っ込めよぉ~という不満はあったものの毎週楽しみに観ていました。 本書で取り上げているゲストは花村萬月、平野啓一郎、岩井志麻子、松尾スズキ、倉田真由美、藤田宜永、江川達也、中村うさぎ、団鬼六、加藤鷹の各氏。中村うさぎさんは「週刊文春」 のコラムや「新潮45」の特集記事で、ただのお騒がせ女・・というイメージがありましたが、その裏側が垣間見えました。 番外編として児玉清さんとの対談が載っていますが、これがサイコーに面白いです。 ブームになって売れている本は許さないと言っている太田さんの言うことには激しく同意しますが、ボネガットや宮沢賢治を評価する一方で、初期作品ならシドニー・シェルダンも面白いと言い切れる児玉清さんの謙虚な読書スタイルにはホントの本好きの姿を見たような気がします。余談ですが、加藤鷹さんは作家ではありません。ご存知ない方は、そのままにしといてくださいませ(汗)
2007.06.21
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ここしばらく気になっているのは、なんといっても・・年金毎月の給与明細を見る限りでは、私の可処分所得(おこずかい)の倍以上の金額を納付しているわけですが、通帳があるわけでもない(手帳はあるけど)ので、ちょいと気になってしまったというわけです。 加えて、私の場合結婚して姓が変わっているのと転職歴が一回あります。 更に前職の年金が厚生年金ではなく共済年金だったのも気になる点です。 手元にある年金手帳には共済年金に関する記録は一切書かれていません。 ご存知のように厚生年金の受給資格は加入期間25年というのが絶対条件です。 共済年金の加入期間(8年あります)は、それに加算されるのだろうと漠然と考えていましたが、イマイチ不安になってきました。というわけで、年金ダイヤルに・・・・・24時間、年中無休ということなので、今日(日曜)の22時ごろ電話してみました。 ぜんぜん繋がらないという報道がありましたが、5分ぐらいでオペレーターのお姉さんに繋がりました。基本的には、基礎年金番号を告げて記録を自宅に郵送するという対応だったので、とりあえず記録を自宅に郵送してもらうことにしました。共済年金に関しては、何回も保留にされて待たされましたが、結局社会保険庁に記録がないので、加入していた共済組合に問い合わせてくださいとの回答でした。 加入期間は、共済年金も合算されるとのことだったのでひと安心。あと6年働けば受給資格が得られるようです♪電話を切る時、お礼を言って「夜遅くまでタイヘンですね!イヤな人もいるでしょう?」と話しかけたら「そうなんですよぉ~」と涙声でした。 というのはウソですが、とりあえず私の不安は解消しました。転職歴のない厚生年金加入者の方なら、特に心配はいらないと思いますが、女性の場合・・・学生時(国民年金)→就職時(自分の厚生年金)→専業主婦時代(ダンナの厚生年金)→再就職(自分の厚生年金)という方が多いと思うので、気になる方は問い合わせてみてください。 基礎年金番号は年金手帳に書かれています。ただし自分が65歳になる前に、年金制度が崩壊していなのが大前提であることは言うまでもありませんが・・・(汗)
2007.06.17
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昨夜、ぼぉ~とTVを観ていて知りましたが、桐野夏生さんの『玉蘭』がドラマ化されたようです。現在の上海と、80年前の上海をカットバック形式で描いた恋愛小説ですが、個人的にはかなり好きな作品でした。あんまり期待していませんが、常盤貴子さんが主役なので観ようかなぁ~とも思ってます♪ 放映は今日、16日(土)21:00~ テレビ朝日テレビ朝日「玉蘭」公式サイト原作は躊躇なくオススメです。
2007.06.16
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離婚して一人暮らしを続けるフリーカメラマン宇津木葉子のもとに、大学受験を迎えた甥の彰彦とその妹理菜がころがりこんできた。そんな時、不倫相手である杉浦の妻が殺されて…。日常に倦んだ心のカタルシスになる静かな物語。<感想> ★★★★★あらすじに、妻が云々という箇所がありますが本書にミステリーの要素は皆無です。 死の床にある兄とその家族、周囲で起こる殺人・・その中心にいる女性主人公の内省を二段組360頁で語りつくしています。 かなり重いし、ストーリー展開はジミですが、主人公を含む女性達の心理描写は秀逸の一言に尽きます。乃南アサさんといえば女性刑事を主人公にした音道響子シリーズが女性に圧倒的な支持を受けています。 事件そのものより、事件に関わる主人公の内面をリアルに描いているのが魅力の一つだと思いますが、本書ではそれを応用するカタチで読み応えのある長編に仕上げています。 ある程度、読者を選ぶ作品ですが、デビュー作の『幸福な朝食』でガツンとやられた方なら躊躇なくオススメします。
2007.06.15
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謹慎中の二人の不良刑事が、罪のもみ消しと引き換えに、監察から公安刑事の内偵を命じられた。その刑事は、ある企業から脅迫事件の犯人割り出しを依頼されていたのだ。脅迫は、幹部社員に珍奇な格好で繁華街を歩かせろという、前代未聞の内容だった。いったい犯人の真意とは?意表を衝く人物設定とスピード感あふれるストーリー展開が評価された快作。宍戸錠氏の特別エッセイを収録。<感想> ★★★☆☆ハッキリ言ってサイテーな作品でした。設定も陳腐だし、登場人物がやたらと吐いたり、殺したり殺されたり・・・劇画チックという言い方も出来ますが、これを劇画にしたらそれこそ見るに耐えない画の連発になると思います。いくつかのグループが、一つの事柄で徐々に結びついて収斂していくというのは奥田英朗さんの『最悪』を彷彿とさせますが、それと比較するならマサに最悪の作品です。 ただ、そんな作品にも関わらず最後まで読んでしまったのは、小気味いい場面転換と文章力のなせるワザかもしれません。 というわけで★3つ。ちなみに本書は「ケイゾク」や「トリック」で知られる堤幸彦監督によって映画化されています。 個人的にはかなり好きな監督ですが、観たいような観たくないような・・・
2007.06.12
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仕事が 外回りなので、イロイロなところでランチしています 予算の都合上 が多くなってしまいますが、のんびりできるところといえばなんといってもファミレスです 午後二時を過ぎると 団体の女性客が大挙して押し寄せて来るのが、難点といえば難点ですが、ランチタイムのみ営業のお店のように店員さんに煽られることもありません ファミレスといえばドリンク・バーですが、一番のお気に入りはココスのドリンク・バーです。 コールドドリンクとコーヒーは他のファミレスと変わりませんが、紅茶や緑茶の種類が豊富で、ティーポットと蒸らす時間を計る砂時計が用意されています。 ホントはゆっくり本でも読みたいところですが、気弱な私はイマイチ集中できません・・・
2007.06.08
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警察官人生二十五年。不祥事をめぐる玉突き人事のあおりで、強行犯係の捜査員から一転、単身赴任の駐在勤務となった巡査部長の川久保。「犯罪発生率、管内最低」の健全な町で、川久保が目撃した荒廃の兆し、些細な出来事。嗅ぎつけた“過去の腐臭”とは…。捜査の第一線に加われない駐在警官の刑事魂が、よそ者を嫌う町の犯罪を暴いていく、本物の警察小説。 <感想> ★★★★☆この本を平積みになっているのを見た時に、横山秀夫さんの新作が出たんだぁ~と思っていましたが、作者は佐々木譲さんでした。 さて、連作短編の本書は現場の第一線で刑事として活躍していた主人公が田舎町の駐在警察官(俗に言う駐在さん)として赴任するところから始まります。 横山秀夫さんならこの経緯だけで50頁は割いてしまうところですが、佐々木譲さんはあっさり書いてしまいます。 自分のせいではなく、部内の不祥事のあおりを受けて田舎の駐在さんに左遷される主人公は、ベテランの警察官をたらいまわしにする悪政に関しては批判的ですが、与えられた職務を精一杯こなすという点では前向きです。 自分の感情より職務を優先する警察官(大半の方はそうだと思いますが)を主人公に据えているところが横山作品との最大の相違点です。 直接、犯罪の捜査に加わることのない田舎の駐在さんという地味なキャラクターをリアルに描きながらも、第一線の捜査官が活躍する警察小説と変わりのない読み応えがあります。 個人的に、このキャラクターはかなり好みなので、シリーズ化してくれるといいなぁ~と思います。
2007.06.08
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姉の仕事を手伝うためにフランスへ渡った一馬。三つ星レストラン「ル・コント・ブルー」で働くことに。ある日オーナーからマルコを買いつけてきてほしいと頼まれ、わずかな手がかりをもとに日本に戻り動きだす。幻のマルコ、はたして一馬はたどりつけるのか…。マルコとは?奇妙な冒険譚<感想> ★★★★☆栗田有起さんの本を読むのは4冊目ですが、相変わらずタイトルが意味不明です。 タイトルもそうですが、栗田作品で共通するのは主人公の複雑な家庭環境とテーマに対するこだわりです。 『お縫い子テルミー』では洋裁、『オテルモル』では眠り、本書では食材を独特の文体で語っています。 主人公が究極の食材マルコにたどり着くまでの過程が何ともいえなくユーモラスです。 ちょっとクセのある厨房の仲間、菌食推進委員会、行方不明の父親。 栗田ワールド炸裂の一冊です。 内容の割には一時間強で読めてしまう短さに若干の不満が残りますが、この潔さも含めて栗田ワールドだと思います。 マルコの正体ですが・・・・・・まぁ~お読みになってみてくださいませ(笑)
2007.06.06
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引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。 <感想> ★★★★★伊坂幸太郎さんの出世作といえば『ラッシュライフ』ですが、個人的にはイマイチでした。 構成の巧さは秀逸で才能のある人だと感じましたが、そちらを重視するあまりに登場人物のキャラがあまりにも薄っぺらだったような気がしました。 パズルとしてはピカイチだけど、小説として純粋に楽しめる作品ではないというのが正直な感想でした。 さて、本書は現在と二年前が交互に語られます。 もちろんそこに仕掛けが隠されているわけですが『ラッシュライフ』ほどの大仕掛けではありません。 しかし、物語の中心になる三人をとても丁寧に描いています。 もちろんベースはミステリーですが、青春小説として読んでも差し支えありません。 特にコインロッカーに神様を閉じ込めるシーンはじ~んと来てしまいました。『ラッシュライフ』をお読みになって私と同じ感想を持たれた方に強くオススメします。 また初めて読む伊坂作品としてもオススメできます。 ストーリーと直接関係はありませんが、本書のあらすじを読んで村上春樹さんの『パン屋再襲撃』を思い浮かべたのは私だけでしょうか(笑)
2007.06.04
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うつろいゆく季節の匂いがよびさます懐かしい情景、日々の暮らしで感じたよしなしごとあれこれ―。うつつと幻のあわいの世界をゆるやかに紡ぎ出す、不思議の作家の不思議の日常。じんわりとおかしみ漂う第一エッセイ集。<感想> ★★★★☆川上弘美さんの作品は一通り読んだつもりでしたが、この作品は未読でした。芥川賞授賞前後(95年~99年)に書かれたエッセイをまとめたものです。『センセイの鞄』(01年)がブレイクする前だったこともあって、最近のエッセイと比較するといかにも純文学作家のエッセイという感じです。 しかし、一方で、川上さんのプライベートに関する記述が多いのも本書の特徴です。中学校で理科の先生だったのは広く知られていますが、寿退職をして専業主婦しながら、パソコン通信で作品を発表していたそうです。 インターネット全盛の現在、パソコン通信は過去の遺物となりましたが、当時のエピソードも書かれているので、パソコン通信をご存知の方なら懐かしい気分にひたれると思います。 文庫版の折り返し部分に川上さんの写真が載っていますが、ホントに美しい方です。 そんな川上さんにムツムツと噛まれるなら蛸に生まれ変わっても後悔はしません(笑)
2007.06.03
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教室に紙飛行機が飛びはじめる。始まりの合図だ。もうすぐ崩れだす。でも、教師はまだ気づかない。日本の平和ボケは、学校の場でも存分に発揮されている。生温い方法では、もう追いつかなくなってしまうのだ。「今なら、なんとかなるはずだよ」。私は祈るような気持ちで崩れていく学校を見ていた…。この温室のどこかに、出口はあるのだろうか―。ふたりの少女が起こした、小さな優しい奇跡。ひりひりと痛くて、じんじんと心に沁みる。『幸福な食卓』の気鋭が贈る、とびきりの青春小説。<感想> ★★★★☆「瀬尾作品に悪人なし」「癒しの権化」と言われる瀬尾まいこさんですが、本書のテーマはいじめです。 クラスの崩壊に立ち向かうみちると、背を向けてしまう優子。 二人の少女を軸に話が進んでいきます。 この手のストーリーだと、敢然と立ち向かうヒロインは傷つきながらも最後は大団円というのが定番ですが、本書には金八先生のような教師も登場しないし、いじめに加担している生徒を懲らしめるという筋立ても用意されてはいません。 語り口こそ柔らかなものの「学校ってそんなに甘いトコじゃないよ」という著者のホンネが垣間見えるような気がします。ご存知の通り瀬尾まいこさんは現役の中学教師です。 33歳の作家、瀬尾まいこはある程度の地位を築いているように思いますが、33歳の中学教師である瀬尾まい子は、教育現場で教壇に立つ無名の存在です。 いじめ問題に関しては、いわゆる教育評論家と呼ばれる人たちや、やたらとTVに出ているタレント教師が声高に発言していますが、そんな瀬尾まいこさんが書いたというのは大きな意味があるのではないかと考えます。 ちなみに本書は課題図書に指定されたようです。 まぁ~それもわかるんだけど現役の中学生に読ませて、模範的な感想を求めるという姿勢はいただけません。
2007.06.01
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