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January 20, 2015
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みなさん、こんばんは。斉藤仁さんがまだ50代なのに亡くなられましたね。
残念です。一方錦織選手は初戦に勝ちました。白鵬関は新記録を達成するのでしょうか。そして今サッカ―の試合を見ています。一方イスラム国にとうとう日本人が捕虜にされる事件が起こり心配しています。

ところで今回紹介するのは歴史小説です。

横溝正史時代小説コレクション 伝奇篇2 菊水兵談
横溝正史


嘉永七年、正月の終わり。
羽織に菊水の紋をつけた浪人・菊水兵馬が、
黒船を見に浦賀に向かった。彼は知らなかったが、
これが討幕運動の渦の中に、


こうして幕を開けた『菊水兵談』では、主人公・兵馬を
取り巻く登場人物として、以下の3名が登場する。
背丈は子供ほどしかないが、四十の坂に手が届きそうな年令の
盗賊・かまいたちの小平。しがない行商人から、小栗上野介の知己を得て、
御用商人にまで成り上がった山城屋糸平。糸平の情婦で、何年も前から変わらぬ
美貌をしているため、人魚の肉を食ったと言われるお万。彼女は、小平とも
時の大老井伊直弼とも訳ありだ。
兵馬を含めた4人が、十万両の隠し財産の行方をめぐり、
江戸から京へ旅をする物語が、ちょうどシリーズ中盤に位置している。
逃げる糸平が、追うお万と兵馬&小平コンビを、
いつも一歩先んじる。

兵馬は、再三若い娘の窮地を救い、その度に思いを寄せられる。
けれど、ミイラ取りがミイラになりそうな『謎の金扇』を除けば、女性との関わりは
描かれない。それよりも、大義が大事。まさに、熱血青年ここにあり。
兵馬に限らず、登場人物達は、悪役でさえ、意外と健全だ。
山田風太郎の伝奇小説と読み比べると、その健全さがよくわかる。


「(前略)日本はいま、古沼のようにくさっています。(中略)この古沼をさらえるには、
まとまった力がいる。人心を昂奮させ、新しい血をわき立たせる目標が必要
なのです。それが攘夷だ。日本人にとってこれほど恰好の目標はない。この力が
天下をくつがえし、新しい日本を打ちたてるだろう。」『浦賀街道』(p31)

「いいか、物価がこんなに昂騰するのは、(略)われわれの大事な物資が、どんどん
外国へながれていくからだ。(中略)外国人は日本から物を買うかわりに、どんどん
きゃつらの持っているものを売りつける。きゃつらの持っているもの-それはわれわれ
の生活には、まったく無用な贅沢品ばかりだ。つまり、きゃつらはわれわれに必要な
ものを買いしめてゆき、不必要なものばかり売りつける。生活が苦しくなるのは
あたりまえじゃないか。」
「そうだ、そうだ、そのとおりだ。外人はこうして日本を疲弊させようとしている。そして
その揚句、この国を征服しようというのだ。」『金座大疑獄』(p68-69)

彼等は、尊王攘夷に燃えている幕末の男達だ。しかし、彼等の台詞の向こうに、
この物語が連載された当時の、日本に渦巻いていた思いが見えてくる。
『菊水兵談』は『講談雑誌』昭和16年(1941年)1月号から12月号まで連載された。
この年、国防保安法が公布され、治安維持法が改正される。前年には
日独伊三国同盟が結成され、世界から孤立していった日本に、
ひたひたと近づいていた戦争の予兆を、横溝氏ははからずも、感じ取って
いたのだろうか。


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最終更新日  January 20, 2015 07:26:33 PM
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