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December 29, 2020
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みなさん、こんばんは。ラトビアで韓国のキム・ギドク監督が亡くなったというニュースが。新型コロナだそうですよ。
びっくりです。

さて、今日はかわいい表紙にだまされてはいけないシビアな話を紹介します。

ぼくだけのぶちまけ日記
The reluctant journal of Henry K.Larsen
スーザン・ニールセン著
長友恵子訳
岩波書店
STAMPBOOKS



 邦題からはどんな内容をイメージするだろうか。この年頃の少年少女は、家でも学校でも不満があって、ストレートに友達や家族に言えないことを日記だけにぶちまけている。だからこのタイトルになった、と。

 “ぶちまけ”ているのは合っている。しかしその内容が、ありきたりではない。表紙の少年ヘンリーの兄ジェシーは、長らく学校でいじめられていた。そしてある日、父が持っていた銃でいじめた相手を撃ち、自分も銃で自殺する。奇しくも、いじめていた相手はヘンリーの友達の女の子の兄だった。ヘンリーは心の傷を抱え、引っ越した町でひっそりと暮らしはじめた。なのに、プロレス好きの学校の友だちや、世話好きなアパートの隣人が放っておいてくれなくて…。

 子供の傷は、普通、人生経験豊かな大人―両親―が癒してゆくものだ。しかしヘンリーの母は病気になり家を去り、父もまた自身の悲しみを持て余している状態で、ヘンリーを構う余裕がない。何も知らない他人だけがヘンリーを構えるが、それはそれで苦痛だ。一番相談したい事を言ってしまえば、自分が違う目で見られてしまうかもしれない。そういう時のためにカウンセラーがいるが、それでも100%素直になれない。やはり日記に“ぶちまけ”るしかない。

 著者はコロンバイン高校銃撃事件にインスパイアされて書いた。てっきりアメリカの話かと思いきや、物語の舞台はカナダだ。調べてみたらカナダでは狩猟が盛んだった歴史があり、銃の所持は許可制だ。海外では銃を家に置けるから凶器が手元にあり事件が起こった。だから日本とは異なると思いたい。しかし、銃を所持できない日本でも、いたたまれなくなった被害者が手近な何かでいじめ相手に反撃する事件は起こっている。反撃は解決にはならない。いじめは明るみに出さなければならないが、何らかの事件になった場合、否応なく多くの人々を巻き込む。

 いじめの被害者が加害者に転じたら、家族も含めて共感・非難、結局どちらの眼で見られるのだろう?今回被害者であり加害者でもあった兄は、亡くなったから不起訴処分になるが、生きていたら家族にはまた別の苦しみが続く。かといって家族は兄に生きていて欲しくないわけではない。精神鑑定の末にずっと病院にいて欲しいとも思わないだろう。「被害者になっても加害者になるなかれ」は鉄則だが、それでは被害者はいつまで経っても報われない。

 YA小説というにはかなり重いテーマを扱っているが、ヘンリーの隣人や友人の設定がちょっとありえないくらいの善人設定になっており救われる。


カナダ総督文学賞(児童書部門)、カナダ図書館協会児童図書賞、ルース・シュワッツ児童図書賞、イギリス文学協会賞受賞。


ぼくだけのぶちまけ日記 (STAMP BOOKS) [ スーザン・ニールセン ] ​​ 楽天ブックス






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最終更新日  December 29, 2020 12:00:19 AM
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