明治6年、大警視・川路が下野する西郷隆盛を送る所から、この物語は始まる。共に見送った油戸巡査は、犬(そういえば、この職業は《政府のイヌ》とよく呼ばれる)も歩けばの例えの如く、よく事件に突き当たるが、肝腎な所でポカをやる。彼から相談を受けるのが上司の加治木警部で、油戸より多少頭が働く。加治木が川路に上申し、指示の下に捜査を行う。 対するは、ちょっとおっちょこちょいの元同心の千羽兵四郎、元岡っ引きのかん八、バックに控えるのは、影の御隠居、元南町奉行駒井相模守。警察機構のOB vs 現役が、丁丁発止の知恵比べを繰り広げる。