2026.10.02
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カテゴリ: AI小説


今日もまだ風邪っぽいなぁと思いつつ会社で仕事してきました。
今日は会社につくと事務所の前に最近この辺に住み着いた子猫があらわれて、ミャーミャー言ってた。
写真を撮ってやろうと、俺もミャーミャー言ってると、もう一匹、恥ずかしそうに半分だけ顔を出すやつもいた。
2匹いたのか。
一匹はわりと大胆で一匹は恥ずかしがり屋。そんな兄弟みたい。

今日は何の日

国際非暴力デー
スヌーピーの日
関越自動車道全通記念日

杜仲の日
東武の日
雷山地豆腐の日
奈川・投汁そばの日
スンドゥブの日
「跳び」の日
とんこつラーメンの日
グラノーラの日
ALDの日
美術を楽しむ日
直売所(ファーマーズマーケット)の日

大阪東部ヤクルトの日
芋煮会の日
意志あるバックオフィスの日
豆腐の日
Life2.0の日


タイトル『勇者様、召喚先をお確かめください』

「魔王城まで歩いて三か月」
私は地図を閉じた。
「無理だね」
『早い。諦めるまでが早い』
足元の魔導書が喋った。
名前はグラム。呪いで本にされた大魔術師だ。本人は「知恵を求めて開かれる存在」と言っているが、私は主に鍋敷きとして使っている。
「往復で半年だよ。雨の日もある」
『世界の危機を通勤条件で考えるな』
「だから考えた。魔王をここに呼ぼう」
グラムは黙った。
私は胸を張った。
『……珍しく筋が通っているのが腹立たしい』

*

召喚魔法の仕組みは、意外と単純だった。
相手の姿を捉える。
声を届ける。
相手が承諾する。
この三つが揃えば、距離に関係なく相手を呼べる。
問題は、魔王が承諾するはずがないことだ。
『「倒すので来てください」と言われて来ると思うか』
「言い方を工夫する」
『例えば』
「大切なお知らせがあります」
『怪しい』
「今なら無料」
『もっと怪しい』
「一度お話だけでも」
『魔王の側に立って断りたくなってきた』
まずは、練習することにした。
天文台の古い望遠鏡に召喚術式を刻む。見たい場所を念じれば、遠く離れた土地が覗けるようになった。
私は東方の国に焦点を合わせた。
小さな店。
湯気。
丼を並べる店主。
「もしもし。そちらの麺料理を一つ」
『何を頼んでいる』
「相手の承諾が必要なんでしょ」
『必要だが』
「お金払うって言ったら、承諾してくれるかなって」
店主は少し驚いたが、空間に浮かぶ私の顔と金貨を見比べて、「毎度」と言った。
天井が裂けた。
星空のような穴から、熱々の丼が降りてきた。
私は両手で受け取った。
「成功!」
『成功ではあるが、なぜ配達用に調整した』

*

次は具だくさんの鍋。
次は辛い漬物。
次は、糸を引く豆。
机がいっぱいになった。
『研究の方向が完全に食卓へ向かっている』
「一つできただけじゃ偶然かもしれない」
『四つ目の豆で何を検証した』
「好みが分かれる味も届くか」
『そこは魔法に関係ない』
私は豆をひと口食べた。
少し考えた。
グラムを閉じた。
『今、鍋敷きにしようとしたな』

*

午後になって、ようやく魔王城を覗いた。
想像とは違い、魔王は玉座にいなかった。
机に向かっていた。
大きな角。黒い鎧。山積みの書類。
部下らしい骸骨が、次々に紙を置いていく。
魔王が何か言う。
骸骨が頷く。
さらに紙を置く。
「忙しそう」
『侵略の準備だろう』
魔王は引き出しから固いパンを出した。
かじった。
書類を読んだ。
もうひとかじりしようとして、パンではなく蝋の印章を口へ運びかけた。
私は眉をひそめた。
「休ませたほうがよくない?」
『倒す相手の労働環境を心配するな』
私は召喚術式を開いた。
「もしもし」
魔王が顔を上げた。
『何者だ』
「勇者のリナです」
『名乗るな!』
足元でグラムが叫んだ。
魔王は立ち上がった。
『ついに来たか』
「まだ行ってません。遠いので」
魔王が黙った。
「お昼、食べました?」
『……食べている』
「それ、印章ですよ」
魔王は手元を見た。
静かに机へ戻した。

*

『用件を言え』
私は机の上を指した。
「たくさん頼みすぎたので、一緒にどうかなと」
『罠か』
「私はそのつもりでした」
『過去形にするな! 今も討伐依頼は生きている!』
グラムが頁をばたつかせた。
私は続けた。
「でも、お腹空いてる人と戦って勝っても、なんか違うし。先に食べて、そのあと考えません?」
魔王の鼻が動いた。
空間の裂け目を通して、鍋の匂いが届いている。
しばらく、返事がなかった。
やがて魔王が尋ねた。
『食事中は、攻撃しないのだな』
「しません」
『余もだ』
「約束?」
『約束しよう』
召喚陣が光った。
魔王が現れた。
天井に角が刺さった。
「かがんでください」
『先に言え』
『そこは余も同意する』
グラムが言った。

*

魔王はよく食べた。
無言で鍋を食べ、辛い漬物に咳き込み、糸を引く豆を持ち上げて顔をしかめた。
『これは腐敗している』
「発酵だそうです」
『どう違う』
「売るときの自信」
『違う。お前は説明するな』
グラムの訂正を聞きながら、魔王は豆をひと口食べた。
少し考えた。
もうひと口食べた。
私は望遠鏡を覗き、麺のおかわりを頼んだ。
『勇者』
魔王が丼を置いた。
『そろそろ、本題に入ろう』
部屋の空気が変わった。
蝋燭の炎が細くなった。
私は背筋を伸ばした。
魔王は言った。
『この麺、城へ直接届けられるか』

*

話し合いは、夜まで続いた。
魔王軍が南下していた理由は、飢饉だった。
人間の王国は魔族への穀物輸出を禁じ、魔王は力ずくで港を奪うつもりだったらしい。
『食べ物が届くなら、港など要らぬ』
「最初からそう言えばよかったのに」
『使者を送った。角があるというだけで追い払われた』
私は魔王の角を見た。
さっき開けた天井の穴も見た。
「面会室、狭かったのかな」
『差別の話を建築の問題にするな』
グラムが疲れた声で言った。
結局、東方の商人たちと魔王軍が取引することになった。
輸送は私の召喚魔法。
支払いは魔王城の宝物庫から。
兵士たちには食料が届き、東方の商人には新しい客ができた。
侵攻は止まった。
討伐より先に、商談が成立した。

*

翌朝、グラムが言った。
『まあ、よくやった。これで魔王も城へ帰れる』
「え?」
『え?』
私は召喚魔法の頁を開いた。
読み返した。
もう一度、読み返した。
「これ、呼ぶ魔法だよね」
『そうだ』
「帰すの、どこ?」
グラムは黙った。
食卓の魔王も、箸を止めた。
頁がひとりでにめくられていく。
最後の一枚で止まった。
『……送還術は、下巻だ』
「下巻は?」
『魔王城の禁書庫』
部屋が静かになった。
私は荷物を背負った。
魔王は天井から角を抜いた。
『城まで、どのくらいかかる』
「歩いて三か月」
魔王は目を閉じた。
私も目を閉じた。
グラムだけが、嬉しそうだった。
『よかったな。帰りの道案内はついたぞ』
こうして私は、魔王を倒しに行く旅をやめた。
魔王を送り届ける旅に出た。
報酬は同じでいいと王様に手紙を書いたら、返事が来た。
〈討伐は金貨千枚。護衛は一日銀貨三枚〉
私は手紙を魔王に見せた。
魔王はしばらく読んでから、真顔で言った。
『先に、お前の王様のところへ寄ろう』

おわり





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最終更新日  2026.10.02 18:16:33
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