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姉と妹 @ Re:ともたさんへ こんばんは。コメントいただきありがとう…
2025.04.21
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​​​アニメ『アン・シャーリー』第2話・第3話&OP/ED感想​​​

妹と2人で、キャーキャー騒ぎながら鑑賞してます!

​※以下、原作シリーズを読んだ上で ネタバレ全開 で好き勝手語ってます。​
 原作シリーズ未読の方はご注意ください!※


少女漫画ベクトルを至高のものとして、どこまでも詰めて描いてくれる
「赤毛のアン」シリーズ・こだわりのハイクオリティアニメーション とか…
なんかもう、私たちのためにありがとうございます!!! と叫んでいます。

3話まで鑑賞しての簡単感想です。



妹とも鑑賞後真っ先に言い合うのが、コレ↓
​​ ひとつひとつの演技筋とニュアンスが完っっっっ璧!!!

​非常に尺の短い中で話を展開させていく必要があり、またナレーションに頼らない、絵と演技で魅せ切ることに徹しているからこそ、
一つ一つの表情変化と演技動作が、脚本段階→画としての指定/音としての指定として、 間違いなく丹念に詰められているのをひしひしと感じます。

また、魅せ方としての重さ…ニュアンスというか、 重くするところ、軽くするところの取捨選択が、 細かなことろまで熟考してあることがよく分かります。


印象的だったのは、 2話で日曜学校(教会)へ行ったアンちゃんが帽子に花をつけていき、 それをマリラが怒るシーン。
マリラが頭痛でイライラしていたこともあり、「私が困るんだよ!」と言ってしまい、それに対するアンちゃんのリアクションが非常に大きく、マリラが逆に慌ててしまいます。

「赤毛のアン」冒頭では「癇癪持ち」と言われるほど感情の起伏の大きいアンちゃんですが、礼儀作法を教わっていないという点ももちろんあると思いますが…
それよりもこの娘の立場として、まだまだ土壌が不安定な中で、不安な気持ちが大きくなると、感情コントロールが出来なくなってしまうからだろうな、と受け取っています。

だって…やっぱり血の繋がりも何もないところで、しかも望んでいた男の子ではなかったのに、ご厚意で家に置いてもらい始めたところで、
世間一般の常識がないのも(アンちゃん的には)見ばえが良くないのも、気にしてる所だと思いますし、「捨てたい」と思われてしまったら、全然捨てることが出来る存在だ…という不安が常にありますので。

アンちゃんは賢い娘なので、ちゃんとアンちゃんのためを思って言ってくれてる言葉だったら、叱られてもむしろ嬉しいくらいだと思います。
相手の勘違いだったり…という場面も、「そういうこともあるよね」と通常のやり取りとして軽く流せる。

ただこのシーンのように、マリラが本気で迷惑がっていて、
マリラ自身が「自分のいらだち解消」の為に発した言葉をぶつけてしまうと、アンちゃんがそれを全部掴んじゃって、不安感が増大してパニック状態になっちゃう。

レイチェル夫人やギルバートの「にんじん」も、もちろん発言者2人の言動が軽率なものだったことは確かなのですが、それにしてもアンちゃんの反応が、常識を遥かに逸脱して&周囲がびっくりするほど「大きい」。

この部分も、時が経ちマシュウ/マリラの揺るぎない愛情を実感できてからは落ち着いていく部分なのですが、ただの「癇癪」「感情の起伏が激しい」とは質の違う深い描写だな、と受け取っています。


妹が言うには、
​今作では、アンちゃんの演技筋として、とにかく“笑う娘”というコンセプトがあるのでは。​
高畑勲監督版との違いとしても意識していると思うけど、 今回は嬉しくても悲しくても不安になっても、演技筋は“笑う”方向性に寄せている印象。
特にマシュウ&マリラ、女友達など、好かれたい相手に対しては。
たった数話の中で、全然違う文脈でバリエーション豊かな“笑顔”が登場して来て、 表情が本当に見ごたえがある。
そしてこの「つらい時でも笑顔」描写が何を伝えてくるかって、彼女の健気さなんだよね。


マリラの方もアンちゃんのリアクション見て、「自分が当たって、こんなにアンちゃんを不安にさせてしまった、やばい!」と思ったのもすごく伝わって来ましたし、映像作品としてものすごい見ごたえがありました。



3話では、いよいよ ​​​ もう1人の主人公・ ギルバート・ブライスの登場 です!​ ​​

115年以上前の小説に登場した、 元祖・溺愛系スパダリ​ (ただし学生時代までは本当に金がない) にして、読者の声援を一身に受ける、 ​めげない努力型片想いラブファイター​ (ラブコメ主人公)でもある…

​片田舎の農家(?)生まれのくせに、 何故か ​生まれながらの帝王気質 (思想)​
、​ 自分のビジョンに作品全体を引き寄せようとしてくる、 脅威のアグレッシブキャラクター 。​

いやぁ…このキャラクターはすごいですよ。
今回「赤毛のアンシリーズ(村岡花子さん訳)」をまじまじと鑑賞してみて思いましたけど、②青春…特に③愛情以降は、完全に作品を乗っ取ってましたもん。

赤毛のアンシリーズ全体を通して、何が描かれていたのかと言われたら…
私的には 「ギルバートと、彼の築くブライス家が描かれていた」 という認識です。


今回のアニメ作品、何がやりたいかってそんなもん…
アンちゃん軸と両輪で、ギルバートの成長軸をしっっっかり描いて、
お互いがお互いをすごく見てる描写をいっぱい入れ込んで、
元祖・爆萌えカップルのザ・少女漫画的ラブストーリー(成就まで)を 演出及び演技(絵・表情動作・声)で、説得力を持って描き切ること ですよね…!

旧作アニメは、「①赤毛のアン」までの映像化でしたので。
ギルバートも当然出て来てたんですけど、 アンちゃんとまともに話すことができるようになったところが最終回 だったので。

もちろん高畑勲監督版のリアリティのある、じっくりした描写の『①赤毛のアン』は、「アルプスの少女ハイジ」からの流れを汲んだ『世界名作劇場』のアニメーション企画として、まるでプリンスエドワード島に暮らしているかのような体験ができる、完成形の素晴らしい傑作だと思っています。

ただ、少女漫画好きな私たちとしては、やはり…  えっ…だって…
​「シリーズの一番美味しい&一番ヤベェところは、ここからじゃん!」​ というか…、
「真の主役(ギルバート)が、まだ主役張り出す前じゃん!」 というか…

…ギルバートはここからですから!本当に!!


今回の新作アニメでは、ギルバートのビジュアルを 旧作アニメイメージからガラッと大きく変えて来ています。 出だしの印象はかなり幼いイメージにしてあり、また髪色がかなり明るめになってます。

髪色に関しては、基本的には村岡花子さん訳で度々記される 「鳶色(とびいろ) ​​= 赤暗い茶褐色 ​​ なのだと思いますが、ここまで旧作と乖離した明るめのイメージでわざわざ出しているのは、
「ギルバート像は明確に、旧作とは違うことをやるよ」 というメッセージだと受け取っています。

ギルバートの成長軸は本作の核心とも言える部分だと思いますので、 絶っっっ対に描写は渾身のはずです。 ​​
妹の予想では…
おそらく年齢が上がるとともに、 アニメーション自体の質感も重めに、 画面の色調を抑えめに変化させていって、 ギルバートの髪色も落ち着かせていくのではないか、
幼い/チャラい印象→しっかり立派な/重めの印象 として描いていくんじゃないか、とあれこれ妄想しています。



声優様も明らかに青年編以降を念頭に、しっかり芯のある声質の方が当てこまれていて…
アンちゃんの幼め/高めな声質とのバランスもすごく良いし…
も~~~、本当にこの先、楽しみしかないっっっ!!!


■OP♪予感/ED♪heart

​山田尚子さんが手がけられたOP/ED…​
Youtubeに掲載されたものを何度も何度も×100 繰り返し鑑賞して感嘆してます。
2楽曲とも、速攻で音源をDLしてエンドレスリピってます。
楽曲も映像も渾身ですね!最高です!!


​OP♪予感


一番最初のカット、お花の縁取りのような画面は、​おそらく「モンゴメリさんのスクラップ集」イメージかなぁ(妹談)。

ぴょんぴょんと飛び跳ねるアンちゃんが可愛らしくて!

白抜き画面でお花を抱くスーパー乙女ちっくアンちゃん…
あれは間違いなく ギルバートの目に映っているアンちゃんです(断言)
…完璧です。
彼の目には、本当にあれくらい清楚可憐な「女神/花の妖精/樹木の精霊」に映ってるし、この女神フィルターは死ぬまで一生外れません。

本編もそうなんですけど、今回のアニメのアンちゃんは…​ ギルバート(&マリラ)のテンションが爆上がりするアンちゃん像 なので。

あらゆるシーンに 「ギルバートホイホイ」 が仕掛けられていて…
1・2話を鑑賞していても、アンちゃんがマリラの手をきゅっと握ったり、ダイアナちゃんに「親友になってほしい」と懇願するシーン等、 (私の脳内で)ギルバートが「ハイッ!ハイッ!僕もッ!」って 挙手しながら駆け寄ってくる想像がワッと浮かんで来ました。
…まだ登場してもいないのに。


時計の針を「③」まで進めて、大学生アンちゃんのビジュアルが ガツッと印象的に登場するカット は、 ​来た~~っ!​ って感じでした。
妹とも「OP映像は、観れば本作が何をやろうとしてるか分かるように作ってくるはず。
旧作では登場していなかった大学生アンちゃん像は、絶対出してくると思う」と話しており、「やっぱり♪」と2人で喜んで鑑賞しました。

それにしても、 まだまだギルバートの成長軸ビジュアルや、 アンちゃんの人生が最終的にどこに向かうかはひた隠しにした映像 になってまして、も~~~、本当にこの先、楽しみしかないっっ!!



​​ ED♪heart
も、これまた本当に素晴らしいです!



鉛筆デッサン&印象的な色をほんの少し水彩で乗せたイメージ像。
線画や色数は違うけど、昭和~平成にかけて長きに渡り発売されていた(のだと思う)、 村岡花子さん訳・赤毛のアンシリーズ(新潮文庫)旧ジャケットのイメージ と似てるなぁ…もしかしたらオマージュなのかも。(妹談)



​印象派に近いような…
​「心象で画面構築する」「画面バランスで心象構成する」​ という​​​​​​​​​​​今回のアニメーション作品の、確固たる方向性を打ち付ける映像だと思います。
楽曲自体も、間違いなくそのことを歌っていますので…!


今回、 村岡花子さん訳の赤毛のアンシリーズ を改めてじっくり読んで、何が凄いと思ったかって、やっぱり…ここ。
話筋・キャラクター筋をしっかり捉え、それを読者に伝えきるように演出する文章力。

子供向けラジオ番組でも活躍されていたという村岡花子さんは、 対象とする相手に話を聞かせること・ 文脈を伝えること に非常に優れていたんだろうな、と。

日本語訳の際の語感のセンスというか…読み進める中で、 ところどころに ​輝いて焼き付く単語や一文があるんです。
それらは、作品の中の主人公たちの心象においてインパクトの大きな出来事…絵面だったり、言葉だったり…だと思うのですが、 その強弱でもって、 各キャラクターの行動言動軸、作品全体としてのバランスを構成して、 読者に魅せるべき感動を伝えきってくる…。

赤毛のアンシリーズが、執筆されたのは110年以上前…
村岡花子さんの日本語訳が約70年前…
それにも関わらず、時代を超えた世代が感動を受け取れるというのは本当に凄いことだな!
と思います。

ED映像をまじまじと拝見して、今回のアニメーション作品は、
村岡花子さんが和訳…文章でやっていた上記↑ 「キャラクターの心象構成/作品としてバランス構成」を、 今回は映像… 演出及び演技(絵・表情動作・声)でやる!
という作品なんだな、と受け取っています。

映像で構築した様々な要素の強弱で アンちゃんの心象を形づくり、 最後に彼女が人生の軸を何に据えて生きていくのか、その選択を 説得力を持って描き切る…
これは本当に難しいチャレンジだと思います。
​​ ​​
​本当にアーティスティックで、意欲的なアニメーション作品だと思っています!​
今後も楽しみに、心して鑑賞させていただきます!

by姉(イラストby妹) ​​​​​




アニメ『アン・シャーリー』2025年 感想リンク

TVアニメ「アン・シャーリー」待機中!
第1話感想・ふたりのアン・シャーリー
第2話・第3話&OP/ED感想
第4話・第5話・第6話感想まとめ
第7話・第8話・第9話感想+アン&ギルバートイラスト
第10話 感想+イラスト
第11話・第12話・第13話 感想+カスバート家子供たちイラスト
第14話・第15話・第16話・第17話 感想
第18話・第19話・第20話 感想+ルビー・ギリス イラスト
第21話・第22話 感想+原作との相違点について(予想)
第23話 感想+ロイヤル・ガードナー描写について
最終回・第24話 感想+アン&ギルバート before&afterイラスト​
総括:アニメ『アン・シャーリー』と原作『アンの愛情』との相違点について





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最終更新日  2025.10.14 06:11:38
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