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2026.06.22
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カテゴリ: 小説
サーベル警視庁 (ハルキ文庫) [ 今野敏 ]



*あらすじ*


警視庁第一部第一課に「不忍池で死体が浮かんだ」との一報が入る。

巡査の岡崎孝夫は現場へと駆けつけるが、そこにあったのは鋭い刃物で心臓を一突きにされた大学講師の死体だった。



その数時間後、同様の手口で陸軍大佐が殺害される。


繰り返される事件を追い続ける岡崎だが、その真相は激動の明治という時代が生み出した歪みそのものだった。





*感 想(ネタバレがある ので文字を小さくしています)

警察小説といえばの今野敏先生が描く、明治時代の警察小説ということで興味を持ちました。

いきなり事件の真相から言うと、当時の情勢による派閥争いが発展し、それぞれの派閥の上にいる人物から直接指示がないにも関わらず、側近などが忖度した末に発生した殺人事件でした。

自分の与り知らぬところで勝手にご機嫌伺いをされて、結果 取り返しのつかない面倒事になるのは現代にも通ずるところでもありますし、権力者も大変だなぁと庶民は思いました。

明治の文化は好きですが、やはり派閥や世界情勢が混ざってくると私の脳みそは途端に固くなるので、
脳みそも私に忖度してすんなり理解させてほしいものです。



主人公の岡崎孝夫は米沢の出身。
几帳面で真面目な性格ではありますが、周囲の登場人物たちの特徴が強めだったので、彼自身はいたって「 普通 」という印象でした。

ですが、固くなっているの私の頭にはこれくらいの普通さがちょうど良かったです。
(私の中では『大逆転裁判』の『成歩堂龍ノ介』のイメージで読んでいました)

本当に普通だったので岡崎に対して他に言うことは無いのですが、岡崎の知り合いの「 西小路臨三郎 」という 伯爵家の孫 探偵 物書き である個性ガッチリかつ 有能 なキャラクターがいたので、彼がメインの話があれば今後読んでみたいです。

他に「 藤田五郎 」という個性ガッチリキャラどころではない歴史上の人物も登場しますが、違和感なく物語に溶け込んでいました(主人公を差し置いて一番輝いていました)



終盤の、藤田五郎による 日本剣術 (サーベル使用) VS西洋剣術 (レイピア使用)のシーンは文章だけでも格好良かったので、そこは映像で観てみたいと思いました。

文章で追っているうちは自分の頭の中でゆっくりと情景を浮かべながら読めますが、作中ではすごいスピードで戦っていると思うとやはり映像で観てみたいです。


...と思ってYouTubeで検索してみたらなんと「 レイピアVS日本刀 」の動画があって観たんですが、
模擬刀かつスピードゆっくりとはいえ迫力があったので、作中の命懸けバトルは何てったって映像で見てみたいです。



明治の弁護士(代言人)事情はだいたい知っていましたが、明治の警察事情はほぼ知らなかったので新鮮でした。

当時の警察幹部は薩長出身者が多くを占めており、組織は薩長を中心にしてまわっていたそうです。
「生まれがあそこだから」「偉い人の知り合いだから」というだけで、何か成し遂げたわけでもないのに優遇されたり出世していく理不尽さは現代でもありますが、当時はもっと露骨で、そこから外れた人たちの苦労はとんでもなかっただろうなと思います。

いつの時代もきちんと実力を見てほしいですね。


不条理な世でも自分の仕事を全うする警察官たちの物語でした。



続編として『 帝都争乱 サーベル警視庁(2) 』が発売されています(※西小路メインでは無いようです)







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最終更新日  2026.06.22 15:39:46
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