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2008年05月18日
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カテゴリ: 読書
 前言撤回である。この週末でニューロマンサーを結局全部読んでしまった。
 文体に慣れてくると結局読めてしまうもんなんだな、と思う。こうしたサイバーパンク(?)ものは、今や珍しくもないだろうから、そのハシリだとかいう解説が必要になるのかもしれないが、人間の脳とコンピュータとの接続によって起こる仮想現実の世界を描くという点では画期的な作品であったのかもしれない。
 しかし、今や、日本のアニメをはじめとして、主人公は大体後頭部にジャックがついているのがSF世界のお約束ごとになっているので今更読んでもその斬新さはわからない。
 これを読破したタイミングは調度、田舎の叔父、叔母、祖母の引越しの手伝いに行っていた時で、読み終わって困ったな・・・・。と思ったのだが、我が家は死んだ親父が、本当に読んでいたのかどうかも分からない書籍群に埋もれるような状態であり、また、東京で暮らす自己中心的な私の兄が、手前の家が手狭になると、実家に荷物を全部宅配するという実家を倉庫ぐらいにしか思っていない馬鹿野郎なので、おかげで、田舎の家はちょっとした図書館、あるいは古本屋と化している。
 そういうわけで、田舎に帰ると、書棚や納戸をあさると意外に面白い本に出会うことがある。読み終わった「ニューロマンサー」をおふくろに気づかれないよううに、本棚に入れて置き去りにし、代わりに八切止夫「信長殺し、光秀ではない」とかいう古本を引っ張り出して読み始めたがこれが面白い。
 って、すでに「ニューロマンサー」の話でなくなってしまっているが、「ニューロマンサー」は150ページくらいからやっと文体に慣れ面白くなってくる。
 この辺まで読むと、ジャックインしたりフリップしたりすることでの場面展開について行けるようになる。
 結局午前2時くらいまでかかって全部読んでしまった。SFを読んでいて思うのは、SFって、発表されたとたんに古典になってしまうものなのかな?ということである。

 どれだけ斬新な(楽観的にせよ、悲観的にせよ)未来像を描いたとして、発表したとたんに、それをベースにしてさらに高度に複雑化した未来像が創出されてしまう(要するにパクリ)。



 現実世界を離れて、創作された未来像の内、一般庶民に支持された未来世界像をベースにあらたなSF小説なり、アニメなりが製作されていくのかもしれない。ロボット好きの日本人においてもアイザック・アシモフなんてのはもはや見向きもされない世界かもしれない。

 アシモフの作品ではないけれど、原題がどうだったかもわからないが、少年時代少年SF文学全集みたいなものが家にはあって(多分優秀だった兄貴向けに親が買い求めたものだろうが)、その中に「逃げたロボット」レスター・デルレイ作、という本があった。すでにストーリーもよく覚えていないが、とても悲しい話で、人間の行為が残虐であるということぐらいしか覚えていないのだが、確か挿絵が久里洋二かなんかで、それがSMチックな絵で子どもとしては非常に衝撃を受けた覚えがある。

 まあそういうことはともかくやっと時代劇に戻ってこれたことの方が大事。八切止夫て何もんだ?「信長殺し、光秀でない」は古本屋で450円で売っていたものらしいが、もともとの定価は390円である(多分当時の1ドルちょっとと安い)。ちなみに文庫本でなくハードカバーである。版は昭和42年8月が第1版第1刷で私のは第4刷である。
 これは、面白い。このネタは、ちょっと今後の私の老後の儲け話に使えそうなネタなので、ここでは公開しません。
 ご興味のある方は根性で捜してください。日本の歴史が覆ること間違いなし。

 「信長殺し」については諸説あるが、明智光秀が実行犯であることに変わりないのがほとんどで、八切説は、「信長公記」等の過去の資料の全面的な否定(というと語弊があるが)の上に構築されていて、ことの真偽はともかく十分に興味深い。

 過去の「本能寺の変」を扱ったドラマ、小説類はすべて、微妙なディティールの違いはあれ、光秀が犯人であることに変わりはなく、せいぜい忍者が出てきたり、本能寺からどこかに脱出口がうがたれていて、信長は脱出したとかいうものがほとんどで、明智光秀自体が犯人であることに疑義を唱えたものは私は他に見ない。

 まだ、半分もう読んでいないので、これからが楽しみ。

 作者の性格なのか、冒頭にネタばれしているので、「犯人はだれか?」といった楽しみは全くないが、その裏付け作業に全編が費やされる感じらしい。

 隆慶一郎の小説なんか読んでいても思うことであるが、どういう「史観」(隆慶一郎の場合「網野史観」に専ら影響されているわけだが)をとるかによって歴史は簡単に変わる。

 ここに、ドラマ性がいくらでも潜在しているという気がする。歴史小説なり、時代劇の脚本なり、書いちゃおうかな?とか思う今日この頃である。





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Last updated  2008年05月18日 22時42分16秒
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