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2010.12.04
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カテゴリ: 本のある生活
6-2 本論

(1)「朝の読書」の導入


「朝の読書」導入のきっかけと提起

<私たちが提唱した「朝の読書」とは、学校で毎朝、授業が始まる前の10分間、生徒全員、そして教師もそろって、各自がそれぞれ自分で前もって選んでおいた好きな本を読むという、実に簡単な教育実践のことです。どんな奇跡が起こったのかというと、卒業生のほとんどが本好き、読書好きになってしまったのです。
 このところ毎年のように問題にされていることですが、最近子どもが本を読まなくなったといわれます。高校生ともなると、その60%から70%くらいまでが、一ヶ月に一冊の本も読まないというアンケート結果さえ出ています。
 そういう状況のなかで、生徒全員が本を読むようになり、読書好きにさえなったのですから、たしかに奇跡と呼んでよいかもしれません。>

(林公『心を育てる朝の読書』教育開発研究所 1999年)


 これまで、クラス担任として学級で朝の読書を期間限定で行ったことはあった。しかしあくまでその期間だけの運動にとどまり、したがって学生たちにも大きな変化は見られなかった。学生活動として読書運動を展開したこともあった。これは、学生たちが主体的に動くため、それなりに効果はあがったが、日にちが過ぎるとともに読書熱は次第に冷めていった。
 そんな折に出会ったのが「朝の読書」であった。「朝の読書」運動で菊池寛賞を受賞した、林公先生と、鈴木勲氏の対談『「朝の読書」が学校を変える』を読んで、まさに「これだ!」と感じた。何故なら、これを実践することで、先述した<1、「年間読書計画」の作成・実施、2、教員自身の読書実行>という課題を一括りに解消できるからだ。それで教頭に相談した上で、学校全体の取り組みとして「朝の読書」を展開する運びとなった。要項と計画は以下の通り。(※原文はハングル)


  <朝の読書について>

△ 目的

2、 学生全員が読書の楽しさを知り、本を読む力を育てる。
3、集中力と落ち着きを育て、学習の雰囲気を作り上げる。

△ 朝の読書の方法(4原則)と理由

1.「子どもが好きな本を選んで読む。」
~生徒一人ひとりは興味や関心も違えば、能力も理解力もみんな違う。自分が学びたいこと、必要だと思うものをやるのが一番である。それに、好きな本でいいことにすれば、生徒は必ず自分の力で楽々読めるものから始める。そして少しずつ自分自身の力が伸びていくに従って難しい物へと進んでいく。好きこそものの上手なれ。

2.「毎朝10分間、一斉に読む。」
~毎朝10分間という方法は、読めない子に本を読む力をつけさせる最良の方法だ。毎朝10分間を長期間続けることで、本を読めない子に読む力を与えることができる。「教養は蓄積である」という言葉のとおり、心と能力を伸ばす秘訣も、コツコツと根気よく続けることだ。継続は力なり。

3.「教師も読むことにより手本を示す。」
~一斉に読書を始め、教員も生徒たちと同じ視線で本を読む。これは、教師全員で責任を持つ、しかも生徒全員に対し公平に責任を持つ、という考え方に基づく。何といっても、学校全体で取り組んでいることが、一人ひとりの生徒に対しても大きな影響力を及ぼす。一人だったら絶対に本など読まない子まで、確実に読むようになる。

4.「感想文や記録を求めない。」
~読むことだけに集中させ、学生たちにそれ以外の余計な負担を与えない。そうすることで、生徒全員に自分自身を見つめる余裕を持たせることができる。読むことと書くことはまったく別のものである。



△ 計画
 2010/5/11~

 8:30~ 教員会議 ※作注(実施後まもなく8:20に変更)
 8:35~ 朝の読書(クラス担任も教室で読む)
 8:45~ ホームルーム


※ 学習委員の役割を高めるための構想を練ること。



「朝の読書」の実行

「まず実行」とはいえ、何事も初めが肝心ということは、「朝の読書」でも言えることだ。
特に、全校一斉に踏み切る場合、全教職員の共通理解を得ておくことが大切である。したがって、教員会議の場で、「朝の読書」の主旨を説明して同意を得た上で、初級部での導入も試みた。
 クラス担任は、明日から始めようという時に、教員それぞれの個性を活かした言葉、やり方で、読書がいかに大切かを生徒に話し、各自が本を一冊準備するようにした。なお、本を持っていない学生は、学校の図書室を利用し、貸し出せるようにした。
 以下に引用するのは、読書の大切さを説いた大塚笑子さん(元高校教諭、現・「朝の読書推進協議会」理事長)の言葉である。

<私は、「朝の読書」の時間がとても好きです。全校一斉で生徒と教師がそれぞれ、思い思いの好きな本を読めるのです。人はそれぞれ好みも違えば、個性も違います。ですから、自分の読みたいと思う本を読むのが一番ですよね。自由や解放感を味わい、読書本来の楽しさを知って欲しいのです。人は生きていれば、その日その日の体調や色々のことで感情にも起伏があるものです。悲しいことも、辛いことも、苦しいことも誰しもがあるのです。だからこそ、自分を元気にさせてくれる本を読むことが大切なのです。
 本に書かれている物語の中の、登場人物の考え方や、主人公の生き方を通して、人として共感すること、目標にすること、あるいは、反面教師となることもあるでしょう。みんなは、まだ16~17歳の人生経験しかありませんよね。若いということは、未来が限りなく、可能性がたくさんあるということです。だからこそ、たくさんの本の中から自分を励まし、自分の視野を広めてくれる本を見つけ、大いに読書をして欲しいのです。
 そのためには、まず、はじめの一歩として、最後まで自分で読み終えることのできるものを選びましょう。
 先生はみんなが読書の本を忘れた時のために、教室のロッカーの上にたくさんの本を用意しました。絵本・児童文学・名作・純文学・エッセイ・詩集等々、たくさんありますから、その中の物のどれを読んでもいいです。また、学校の図書室から借りるのもいいですし、自宅にある本でもいいですし、書店で自分の好きな本を買うのもいいですよね。
 ただし、注意することがあります。もし、事情があって遅刻した時は、クラスのみんなは静かに読書をしているのですから、自分も静かに教室に入って自分の席にそっと音をたてずに座って読書をしましょう。みんなが集中して読書をしているのですから、みんなの静寂を壊すことは絶対してはいけません。みんな本の中に入っているのですから。物語の場面の想像も精神の散策も、作者との語らいも一瞬にして壊してしまいますからね。>

(大塚笑子『朝の読書希望への一歩』メディアパル 2000年)


「朝の読書」実践においての教訓

 「朝の読書」が始まって間もなく壁にぶつかった。それは、八時三十分からの教員会議のあとでは、読書の時間にクラス担任が間に合わないということだった。まだ「朝の読書」の習慣が浸透する前であっただけに、教室内ではおしゃべりする子や、遅刻してくる子が続出し、教室に集まっても時間を守って本を読み始める子は、ほとんどいなかった。クラスの学習委員に統率を任せるのはどうか、という意見も出たが、それでは「朝の読書四原則」の三つ目である、「教師も読むことにより手本を示す」ことが出来ない。さらなる討議を経て、朝の教員会議の時間を10分早めることとなった。また、クラス担任の認識の違いから、指導面での差異も生じた。独断で「朝の読書」を中断したり、読書ではなく試験勉強をさせたり、と。しかし、その都度、教員間で目的を再確認し合い、全学年の教員が共同認識をもって「朝の読書」に取り組むようになった。
 そうすることで、徐々に「朝の読書」が学生たちにも馴染んでいき、遅刻する生徒がほとんどいなくなったと同時に、読書の時間には自然と席に着き、本を読む習慣が、芽吹いていった。
 ここでの教訓は、「朝の読書」を正常化させるためには、一人の教員が動くのではなく、「朝の読書」を学校全体の協力のもとでなさなければならないということだ。





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最終更新日  2010.12.04 15:56:09
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