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2010.12.04
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カテゴリ: 日記
(2)日本語授業でのサポート


学力と読書の関係

 「朝の読書」が本好きな子に読書の時間と心のゆとりを与え、本嫌いな子を本好きへと導く。その成果は、自然と学力向上へとつながる。この相乗効果が正のスパイラル(螺旋階段)を構築する。
 樋口裕一氏は、学生の学力の低下の原因を次のように分析している。

 <なぜ、ここまで日本人の日本語力が低下したのか。理由はただひとつ。本を読まなくなったからです。
 私は、小学校時代に読書を習慣づけられなかった子は、学力の面で将来大きな不安を抱えることになると考えています。
 本には考える力、文章や人が言っていることを読み取る力、自分の意見を正確に伝える力を養うパワーが備わっています。それらの力とは、国語をはじめとするすべての科目に必要になってくるもので、「本当の頭のよさ」そのものです。
 子供がなかなか勉強しない、いちおう勉強しているが成績がパッとしないなど、お子さんの教育で悩んでいるなら、参考書や問題集を買い与えるより、おもしろい物語を1冊まず手渡したほうが、よほど子供の学力の支えになります。>

(樋口裕一『「本を読む子」は必ず伸びる!』すばる舎 2005年)


 また、とある中学校の校長である畑中稔さんは、読書量が学力をきめたという面で、次のように語っている。

<私には、中学校教師の経験が二十年ほどあります。その経験の中で、読書の学力向上や人間形成に果たす役割の大きさを実感していました。
 ある年、私のクラスに、学年トップの学力をもっている二人の生徒がいました。Aは、学校から帰ってから、毎日五時間以上勉強していました。風邪で学校を休んで家庭訪問をしたときに、「先生、勉強が遅れることが心配で、寝ていられない」というくらい、寝食をけずって勉強していました。
 もうひとりのBは、放課後暗くなるまでスポーツ活動をしていて、家庭では、せいぜい二時間くらいしか勉強をしていないのです。この二人が、各種テストで競いあっていました。
 二人の違いは何か、それは読書量でした。Aは、ほとんど読書体験がありませんが、Bは、小学校のときから読書好きで、中学生になったときには、もう、父親と同じモノを読んでいました。
 岸本裕史氏は『見える学力、見えない学力』(大月書店)の中で、「学力の基底は言語能力です。また、小学校でよくできる子は、すべてといってよいほど読書好きです」と学力と読書の関係を分かりやすく書いています。>

(林公、編著『心を育てる朝の読書』教育開発研究所 2005年)






 授業(小6~中3)では、各自が机の上に読書中の本を置くように指示した。また、出席の時に返事をするとともに、その本を上に掲げ、ほかの友だちがどんな本を読んでいるのかを分かるようにした。もちろん私自身が読んでいる本もブックスタンドに乗せて、生徒たちに見えるようにして、本の紹介を行った。さらに、学生たちがお互いに自分の読んでいる本について話し合える場として、1~3分間のブックトークを学年の水準に応じながら、数回に分けて実行した。クラス内で評判を呼んだ本は、あっという間にクラスのなかで回し読みされる。ごく自然に、生徒間での「相互読書案内」が実現されたのだ。(教授目的は中1「話す、聞く1?声の表現力」「話す、聞く2?書き言葉と話し言葉」、「12、読書記録と読書案内」、中2「4、メモを見ながら話そう」に準ずる。)

 また、校内運動との連携で、週に一度行われる中学「朝の集会」では、一人ずつ指名制で全校生を前に、本の紹介を行った。学生たちの主体による読書運動が実を結んだ一例として紹介しておきたい。


「朝の読書」と学習との関係

 教科学習であれホームルーム活動であれクラブ活動であれ、およそ学校の教育活動で評価の対象にならないものはない。つねに成果が求められる。設定された目標に向かって、個人的であれ集団であれ、日々努力し、成長していくことが求められる。今日と明日の自分は違っていなければならない。学校で最も尊ばれている精神は、「向上心」である。「朝の読書」の最大の功績は、学校のなかに評価の対象にならない活動を導入したことである。「何を読むか、どう読むか、何のために読むか」が問われない。
 「読まない自由」の問題をどうするか。生徒によっては、本に向かうどことではない日もあるだろう。読書が苦手な生徒もいる。しかしそのような場合、1人で読書することは無理でも、集団がつくる「静けさ」に助けられてともかくも本に向かうことができる。「静けさ」が、読書を可能にし、読書がさらに「深い静けさ」をつくる。一日の学校生活が、落ち着きのなかでスタートできる。生徒たちは、「朝の読書」によって「静けさの快楽」を手に入れているのではないだろうか。
 「第三の教育」の考え方によると、「第一の教育」が親による教育、「第二の教育」が教師による教育、そして「第三の教育」が自分自身による教育である。「朝の読書」は自主的・自立的な学習態度を育成する基盤をつくる。

 以上のように、「朝の読書」は、教科学習や従来の積極的な読書指導とは直接的につながらない。そのことが、この試みの特長ではあるが、それぞれの学校で、この運動を支えるための環境づくりや工夫がなされている。次の章では、わが校で取り組んだ読書環境づくりについて叙述する。





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最終更新日  2010.12.04 14:56:12
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