授業研究のあしあと
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秋田喜代美先生(東京大学)の研究室を訪ねるとき、当時の「わたし」はバッグの中にはパソコンが入っており、いつでも授業の様子を見せることができるようにしていた。結局、秋田先生には見せなかったのだが、用意していたビデオは「開発した教材が分かるような導入」や「教材を提示したときの子どものおおまかな反応」と「数名の子どもの発言」を2分程度に編集したものであった。当時の「わたし」は、この約2分のビデオで、授業の様子を伝えることができると考えていたのだろう。当時研究部長だった宮脇先生も、同じような編集したビデオを用意されており、こちらは秋田先生に見ていただいたのだが、教材中心のプレゼンに対し、次のようなコメントが帰ってきた。「この先を見てみたい。子どもたちがどんな発言をしたのか知りたい。」今振り返ると、「授業がうまい先生は、机間指導の中で、子どもの考えを把握し、それを指名によってつなげていくことができる。このことにより、あたかも「スムーズ」に授業が流れているように見える。しかしながら、その中で本当に子どもたちは理解しているのだろうか。」というお話は、当時の「わたし」に向けられていたのだろう。もちろん、そのときの「わたし」が編集したビデオには、都合のいい子どもの発言しか映っていなかった。この頃の「わたし」は、まだまだ「いい授業」をめざし、授業デザインを手段として考えていたのである。その日の夜、秋田先生を講師としてお招きできなかったもあり、池袋で宮脇先生といっしょに「沈んだ気持ち」で飲んだことを覚えている。
2012.07.04
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