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2006.05.08
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「授業デザイン」について考えるとき、「人工物科学」という「ことば」にぶつかる。この「人工物科学」という考え方(?)は、私たちが4月から求めている「授業デザイン」とは異なるものなのだろうか。サイモン氏の「システムの科学」を読む限りでは、まったく異なるものではない。

向後千春氏(早稲田大学)は、「人工物としての教育デザイン」について、「認知心理学者 新しい学びを語る」の中で次のように述べている。

 ・・・・・

 サイモン(Simon,H.A.)は、「システムの科学」で、自然科学と人工物科学という分類をしました。ここでいう人工物とは、自然につくられた以外のものすべてをいいます。たとえば、都市のデザイン、経済現象、教育システム、輸送システム、政治制度など人間がかかわっているものすべてのものです。研究対象として、自然物を取り上げるか、あるいは人工物を取り上げるかということによって、その方法論は大きく変わってきます。
 自然科学は、人の手に入らないものを対象とするため、それを徹底的に記述しようとします。記述すること自体に意味があります。そこから隠されたしくみや構造を明らかにしようとするのです。それに対して、人工物科学では、もともと人間がつくり出したものを対象としますから、それを記述する以上に、それをデザインしようとする力が働きます。人工物を記述しようとするのは、それをよりよくデザインし直そうという目的が意識されています。人工物は常に不完全であり(自然も完全ではないかもしれませんが、人工物はそれ以上に不完全です)、また、それ以外の人工物が変化することによって影響を受けますから、それを記述するのは、それを再設計し直すためなのです。
 また、対象とする人工物を単体だけで記述することに、あまり意味はありません。たとえば、携帯電話はその使われ方が重要なのです。どう使われるかによって、次々とデザインし直されていきます。そのなかでは、はじめにデザイナーが意図していなかったような使われ方もあるだろうし、それが主流の使われ方になることもあり得ます。だから、こうデザインしたのだから、ユーザーはこう使うべきだという規範の話にはなりません。どう使われたのかだけがすべてなのです。これを設計・評価志向といいます。

・・・・・

「対象を記述すること。」このことが授業研究の中で何を指すのかについては咀嚼が必要だが、授業設計(指導計画や指導案も含む)や授業記録、指導技術などにあたるのだろう。携帯電話の例が分かりやすい。これまでの授業研究では、教師が意図する「使われ方」をしたのか、または、効果的だったのかを分析するのに対して、デザインというとらえによる授業研究では、どう使われるのかを観察し、デザインし直すこと大切にしていくということである。





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最終更新日  2006.05.10 10:34:46
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