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February 17, 2016
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カテゴリ: SGIの日 記念提言
人間教育の先駆者だった創価学会の牧口常三郎初代会長は、1930年に発刊し、SGIの源流ともなった『創価教育学体系』で、人間の生き方は大別して3段階あるとして、「依他的生活」や「独立的生活」から脱却し、「貢献的生活」に踏み出すことを呼び掛けました(『牧口常三郎全集』第5巻、第三文明社)。

「依他的生活」とは、自分が持つ可能性がなかなか実感できず、目の前の状況をどうしょうもないものとあきらめたり、周囲や社会の流れに合わせて生きていくほかないと考えてしまうような生き方です。

また次の「独立的生活」は、自分の人生を舵取りしようとする意思は持ちあわせているものの、自分とは関わり合いのない人々へのまなざしは弱く、他人がどのような状況にあっても、基本的には本人の力で何とかすべきだと考えてしまう生き方といえましょう。

牧口会長は、そうした生き方がはらむ問題を、次のようにわかりやすい譬えを通して、浮かび上がらせています。
―—鉄道の線路に石を置く。これはいうまでもなく悪いことである。

しかし、石を置いてあるのを知っていて、それを取り除かない、つまり善いことをしなかったら、列車が転覆してしまう。結果的には、善いことをしないことは悪いことをしたのと同じである―—と。

つまり、危険があることを知りつつも、自分に被害が及ばないからといって、そのまま放置しておくこと(不善)は、結果において悪と変わらないものであり、「悪行の罪だけは誰でも教えるが、不善の罪をとわないのは理由のないことであり、根本的な社会悪の解決策とはならない」と訴えたのです。

なぜ“何もしないこと”が、悪と同義とまで言い切れるのか―—。一見すると理解しがたいことかもしれませんが、翻って自分が列車に乗っている身だと想像してみるならなば、おのずと胸に去来する思いではないでしょうか。


【第41回「SGIの日」記念提言】聖教新聞2016.1.26





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Last updated  February 17, 2016 05:28:02 AM
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