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参考文献
「信仰と愛国の構造」島薗進 中島岳志著
・阪神淡路大震災の折、被災地の瓦礫の下に埋もれたものを一生懸命に堀り探しながら泣き叫ぶ高齢の婦人に尋ねた。
「何を探しているのか?」
「位牌や。大事なものや」と。
そこで著者の中島岳志氏(東京工業大学教授。 1975 年生まれ)は、高齢の方にとって位牌とはどのようなものか、日本人の信仰観とは何かを非常に興味を持つにいたった、と述べている。
宗教が国家主義に変遷していく中で、国家神道はもとより親鸞主義、日蓮主義等が台頭し、天皇を中心とする国家主義・全体主義が形成されていく。
現在においても、戦前の風潮がよみがえりつつある。それは、癒しやスピリチュアルなどの流行でパワースポットや霊感や占いの類がもてはやされているといえる。
そういったブームの中で、人々は無意識のうちに戦前とよく似た信仰観を持つに至っている。いわゆる、国家主義や排外主義の台頭である。
このような状況を、島薗、中島両氏はあらゆる角度から現代の信仰観を検証し、それに対する警鐘を鳴らされている。
そこで私は、この本を読んで感じたことは、本来の信仰観とは何かを問い、原点に戻る意味で、人間の幸福とは、信仰の実践におけるその結果としての功徳・利益を考えねばならない時に来ていると思うのである。
視点を深めて、創価学会の信仰観を考察すると、池田先生のかつてのご指導の中に、「人材育成論」ともいうべきものがあった。
それは「学会で人材育成というと、部員さんを活動家にすることだと思っている幹部が多すぎますが、そんなものは枝葉にすぎません。
人材を育てるには、何よりもまず『功徳を受けさせること』です。
功徳を受けているのは、その部員さんに御本尊への大確信がある、何よりの証です。
体験のない部員さんが活動家になってしまうと『功徳の出ない形式の信心』を、組織に広めることになってしまいます。
体験のないうちは、どんなにまじめに会合に参加しようが、役職につけるべきではありません」と。
これからも、本当の信仰とは何かを探っていきたい。
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