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February 8, 2025
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カテゴリ: 社説

沸き立つホンネに現状打開の力

ビートルズの〝熱〟に学ぶ

昨年 11 月、イギリスの伝説的なロックバンド・ビートルズが、 27 年ぶりとなる新曲を発表した。

楽曲制作は、すでに亡くなっているメンバーの歌声を、AI(人工知能)で生前のテープから抽出することで実現。 60 年前、世界中に旋風を巻き起こした四人は、科学力の力で〝よみがえる音楽〟を通し、今を生きる人々に、再び驚きと感動をもたらした。

以外にも、ビートルズの活動期間は、デビューからおよそ7年半と決して長くはなかった。

それでも、彼らが生み出した数々の楽曲は世代を超え、なおも聴衆の心を揺さぶってやまない。それまでになかった楽器の演奏法や、外国音楽のエッセンスなどを次々に取り込み、既成概念を打ち破る、新たな表現の可能性を開拓し続けた。その挑戦的な姿勢には、音楽に対する純粋な情熱がほとばしっている。

彼らが追及したロックンロールのルーツは、黒人・白人音楽の融合に端を発する。四人が育ったリバプールもまた、多様な人種が交わる港町。その生い立ちから、時に差別的な視線を向けられたこともあったという。身近に感じていた人種のカベ。その閉塞感への反骨精神が、彼らの音楽の〝熱源〟だったのではないだろうか。

ベトナム戦争、アパルトヘイト(人種隔離政策)、学生運動……美とる図が駆け抜けた1960年代は、人類の根深い断絶が浮き彫りになった時でもあった。彼らはアメリカでのコンサート(64年)で、各席が人種別に分けられていたことに抗議し、その〝境界〟を取り払った。やがて四人の音楽は、〝自由の象徴〟として受け入れられていく。

文化・技術の発展とは裏腹に、なおも続く暴力や分断の連鎖。時として、やはり人間は無力なのかと嘆きたくもなる。

だが、明日を信じる〝平和への声〟は、決して鳴りやまない。

青年意識調査に取り組み、3月の「未来アクションフェス」へと走る若者がいる。「青年の真心と情熱が、人を動かさないはずはない」——かつて池田先生は訴えた。一人の思いは小さくとも、腹から沸き立つ〝ホンネ〟にこそ、現状を打開する力が秘められている。

清新な発想と挑戦が、新たな時代を開く。今こそ、差異を超え、生命尊厳の哲学を携えた青年がたち、声を上げる時だ。

【社説】聖教新聞 2024.2.5






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Last updated  February 8, 2025 05:16:21 AMコメント(0) | コメントを書く
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