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脳卒中の原因になる
殿様枕症候群
高い枕を使うことで、脳卒中の一因である「特発性椎骨動脈解離」の発症リスクが高まっている状態を「殿様枕症候群」といます。この症候群の原因と予防につながる枕選びのポイントを、快眠セラピストの三橋美穂さんに聞きました。
高さ 12 ㌢以上でリスクが 3 倍
「高さ 12 センチ以上の枕」は、特発性椎骨動脈解離を起こすリスクが高くなることが国立循環器病研究センターの最新研究で分かりました。
特発性椎骨動脈解離は、首の後ろに血管が裂けてしまうことで脳卒中を引き起こします。枕が高いほど発症割合が高く、固い枕ほど関連が顕著でした。睡眠中の 7 ~ 8 時間、首の血管が圧迫され続けるため、硬くて高い枕が首の血管を傷めるのは、想像できます。
15 45 歳の脳卒中患者の約 10 %は特発性椎骨動脈解離が原因となっており、それが高い枕に起因しているケースが多いといいます。数割近くは感覚障害やまひなどの後遺症が残ったり、場合によっては命を落とすことさえあるそうです。
病名にもなっている殿様枕とは、時代劇に出てくる侍が使っている高い枕のことです。筒状の袋の中にそば殻や綿を詰めたものを、木製の台座の上に乗せた枕で、箱枕ともいいます。江戸時代に男女ともに髷を結うようになり、だんだん凝って派手になって行きました。その髪型を維持するために高い枕が必要となり、首を支える箱枕が誕生したといわれています。健康や寝やすさよりも、髪型を優先したわけです。
寝返りしやすいものを選ぶ
殿様枕症候群を予防するためには、枕選びが重要となります。体に合う枕は、自分が思っているより、かなり低いケースが多いです。例えば、「いつも肩が凝っている」「首にくっきりとしたシワがある」「横向きばかりで寝ている」「寝ている間に枕を外してしまう」という人は枕が高すぎる可能性があります。
枕を選ぶときは、まずあおむけで合わせるのが基本です。枕を肩にピッタリつけて当て、首から後頭部にかけてどこにも圧迫感がなく、頭の収まりがよいものを選びます。リラックスして立っているときにも保てるようにすることが大切です。
仰向けで合わせたら、横向きもチェックしましょう。枕の中央が仰向けように低めで、枕の両サイドが少し高くなっていると、仰向け状態からゴロンと寝返りをして、ちょうど横向きになったところが高いので、肩の圧迫がなく楽に眠れます。
横向きになる時注意したいのは、緊張して真横 90 度にならないことです。枕のフィッティングするとき、私が「横を向いてください」と言うと、体の下に腕がくる人が多いのですが、実際にはそうなりません。睡眠中は筋肉が緩むので、肘は軽く曲がり、腕は前に出ます。体の力を抜いた状態で確認しましょう。
お店で選ぶ場合、使用ベッドの硬さと、自宅で使っている敷寝具の硬さの違いを考慮する必要があります。自宅の方が柔らかい場合、体全体が沈むので、お店で試した時と枕の高さが変わることがあるからです。
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